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11月の珍しい雨
暖かく 枯れ葉は勇み足
駅からの小道
うたを忘れた
鞄の少女は
傘も持たず 泣いていた



両手は鞄でふさがり
ブラウスの肩は
濡れはじめる
錆ついた歩 ....
波止場をうろつく
足のない鳩は 足を探している
飛べないで 地面を這いずり回ってる
誰かが残したパン屑のそばを
一心不乱に 突っついていた



ダッカ行きの貨物船が
停 ....
 誰もいない土手に座って 動かないブルドーザーを見てる
 雨が降ったのはもう何日も前 消えない水たまりを
 車輪のついた風が駆け抜ける


 人がいないのはこの一瞬だけ まばたきをすれば
 ....
 壁に咲く花を見落としても
 私は死なない
 

 夏は確かにあった
 冷蔵庫の置きすぎた麦茶からは
 想像もできない


 どこか
 ダムの底に消えた役場のよ ....
 キリンの頭の上から飛び降りて
 勇気をもっておやつの時間にした
 ねむってるあの娘をむりに起こさない 
 時計の針はからまって
 かわいいビスケットの形をしている

 ....
 午前一時 机に肘ついて 見えない国道を眺める
 建物の奥には陰険がある そして街中にもそれはあった
 ブランコをこいでるときに 
 どこか知らないとこへ飛んでしまうおそれなんか抱かなか ....
 網戸のサッシの上 けだものの目で睨んでいたのは、夜の月だった
 起き上がって見上げる それほど高くない場所で
 私とにらみ合いをしている
 背中にへばりついた安物のTシャツをつまんで 惰性 ....
カーテンの後ろに隠れている 風が吹いたときだけ 姿を見せる
か細い足元は少しだけピンク色
潮の匂いと、街の喧騒が混じってる
恥ずかしそうに林檎をかじってる なるべく音をたてないように ....
 黄色く塗られたカラスが
 朝のバスに轢かれ
 夜のバスにも轢かれた


 親がつけた
 火事のなかで
 こどもたちは遊び
 眠る


 道端に転がる
 ひび割 ....
 公園の水のほとりで
 老人が自爆している
 ソフトクリーム胸に突き刺しながら


 芥子色のニット帽が
 つぶれて落ちている
 喘ぐ声は、聞こえない


 だ ....
外から
窓を叩いている
さむかぜが吹いている
部屋のなかで
ふくらんだふうせんが
飛んでいる
鍵はかかっている
入れる扉もない
窓を叩き割ることも
思いつかなかった
ふうせ ....
チューブの歯磨き粉を踏んずけたときのような感覚が
この世をめぐりまわってめぐり殺人、故意による殺人
糞をした犬がアスファルトの上で砂もないのに砂をかけようとする
そのときの手持ち無沙 ....
アスパラガスと中央のそれと
交わる
未分化の炎
わたしはまだ生まれてない
コンクリートを接着剤として
ボルトの取れかかった煙突の下で
黄色いペンキで塗った腕を
ぐるぐる回 ....
  
 

 もうこうなりゃポカスカ日和だ
 立っていると
 足がくらげになってしまうほど
 あったかかった
 午後三時の図書館の屋上は
 どの午後より
 死んじゃってる、と
 お ....
こめかみが震える
ボタンを掛け間違えただけで
凍傷になった右腕を
いらなくなった左手でどかす


タバコの煙が
消えるのにじれだすと
地上では急に雨が降りはじめる
おれは終電 ....
 洗剤の泡が
 細胞みたいにまだ
 残っている
 流しの排水口に垂れ下がり
 命乞いの甲斐なく
 数秒後
 消えてゆく
 ネスカフェの紙のふたを
 うまく破るこ ....
眠れる人魚は
海を失ったことを知らない
もつれた後ろ髪は砂になって
青白い街に降り積んだ




水になりながら
瞬きのほかは
宝石の泡に見惚れてた
かげる頬はい ....
何度も潰れたハーモニカが
落ちている
鉄橋の下 毒殺された猫たちが
かきむしった 芝生の跡に
昨日からの雨が しみる



通過する電車は 歯並びのいい弾丸で
消える頃に ....
 かきむしる午後には水の名残りがある
 舌先でからめとる瞬間に
 横殴りに七つの寓話が駆け巡る
 床にまぶれた光の深度が増し
 垂れ落ちた髪の中にうずくまる
 渓谷の底から叫ぶ
 氷河 ....
 公園のブランコで、闇に光る涙があったとしても、
 それは感傷ではない。墓地の猫が、白昼夢をよこぎる。
 カラフルな通りの、裏返しは空白。
 軽薄な口ぶりに、不整脈なリズム。
 反 ....
 Tシャツの背中をたどっていく
 汗の粒が
 落ち切る
 急ブレーキのときの感触が、まだ消えない
 喉でとまった騒音
 頭痛の夜に
 有効な腕の力を押し出して
 短冊にさ ....
  




 歩道橋の真ん中に
 枯れた花束があった
 しなびて横に傾いていた
 錆びついた階段を
 とにかくのぼって
 誰かが飛び降りた





 歩道橋の下の
 ....
夜のデパートの屋上に
つぶれた胎児
滑り台を
のろのろと
転がっていく
乳房にたどり着けなかった
液状のような未来像が
後から流れ落ちてきて
ライトアップのまばゆい光に ....
誰もいない電車の中
話し声が聞こえる
複雑に絡みあう心電図のリズムがぶつかっては弾け
私を切り刻む
邪な水位が胸の辺りまで
満たしはじめ
私は錯乱の消火器の底で
いつ ....
青みがかった林檎の衰退を
思い描こう
猫の目で



白いテーブルクロスの端の
黄ばみから生まれた
獣性
屠り



塀のレンガの数だけ
 ....
自炊なんかしねぇ
俺の部屋 三角コーナーのスポンジから
俺の生活の血が滴り落ちる
見ず知らずの人刺したのは
後でやっと気づいた
赤目剥いて俺を見つめる信号の赤
 ....
 手のひらになじんだ約束は 紅茶が来る前に冷めてしまった
 切り刻まれた家族写真 バス停のベンチの下に散らばって
 あつめても元に戻らない 砂塵舞う風に消えた


  ....
 トップスピードの悲しみ
 えもいわれぬ快感に酔い痴れて
 俺の身体の真芯に電流感じた
 インチキでマガイモノで信頼できない心とやら
 ダムの底で眠った家屋のように
 いつに ....
  


 県庁の前でメロンパンの移動販売車が
 停まっていた
 雲のようなものが雰囲気で逃れるような
 空だった
 似たような顔をした鳩たちが
 いっせいに撃ち落された
 ....
 曜日だけはおぼえている
 寒いから季節だけはようやくわかる
 閉じたままの傘が傘入れにちゃんと入ってる
 雨が降った日はいつのことか
 雨のせいで色が変わったジーンズの裾が
 ....
A道化さんのカンチェルスキスさんおすすめリスト(83)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
少女の合計- カンチェ ...自由詩312-1-27
灰汁- カンチェ ...自由詩309-11-23
蝋人形の抜糸- カンチェ ...自由詩509-4-8
壁に咲く花- カンチェ ...自由詩1008-10-16
ねむってるあの娘をむりに起こさない- カンチェ ...自由詩708-10-6
永遠ブランコ- カンチェ ...自由詩808-9-2
けだものの月- カンチェ ...自由詩208-8-10
ハムスターの午後の回転- カンチェ ...自由詩408-3-6
黄色く塗られたカラス- カンチェ ...自由詩408-1-17
ソフ- カンチェ ...自由詩1007-10-17
レコードの針はとまり、- カンチェ ...自由詩807-10-16
暗がりに放置された光- カンチェ ...自由詩107-10-16
座ってるだけの椅子- カンチェ ...自由詩407-9-22
右手の甲にそら豆- カンチェ ...自由詩1107-3-3
汚物- カンチェ ...自由詩507-2-4
異様に明るい- カンチェ ...自由詩806-10-14
スクリュウ- カンチェ ...自由詩506-10-5
結露- カンチェ ...自由詩306-9-28
点線を結ぶ- カンチェ ...自由詩606-8-27
脳がレタスになって。- カンチェ ...自由詩106-8-27
水のなきがら- カンチェ ...自由詩106-8-8
レモン水- カンチェ ...自由詩806-7-3
容赦ない銀- カンチェ ...自由詩406-6-3
手つかずの死- カンチェ ...自由詩306-6-3
林檎の衰退- カンチェ ...自由詩506-5-28
教科書どおり- カンチェ ...自由詩206-5-20
斜線の雨- カンチェ ...自由詩506-4-29
ナトリウム- カンチェ ...自由詩605-11-29
A_to_Z_窒息紳士淑女_- カンチェ ...自由詩405-11-29
ナダレ遊戯- カンチェ ...自由詩705-11-9

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