すべてのおすすめ
 ピアノの鍵盤はじける
 もどらぬ深海の底に

 画用紙をはみだした黒と
 混じり
 内出血は生まれる




 願いをこめた文字に
 紙やすりをかける

 ....
 取り締まることのできない光の減少が
 駅のホームに加算されていき
 歩みと停止を繰り返す人影を貶める
 遠近法を失い胸まで迫ってくる欠落に喘ぐのだ
 やがて満たされる黒の描写の内 ....
 液体枯渇の脳に注射器を射す
 崖に落ちてく列車の窓に映った
 黒く変形した俺たちの姿


 微塵も穢れなき青空の雷鳴を
 恐れ
 物陰で怯える
 地面に現れた ....
 得意げにまわってる
 あの子は
 何も話せないから
 おどけてるだけなんだよ
 水色の音楽の真ん中
 はしゃぎ過ぎて
 黄色のスカーフが
 ほどけて
 落ちた ....
 口笛するけど音が出ない
 きみはうつくしい食器を洗った手で
 一枚の銀紙を折り畳む
 訊ねようとしたことを
 思い出すために
 つらい過去も思い出し泣いた
 カレンダ ....
 ぼくたちの見えるところ見えないところ
 繰り返される欲望の衝突のおかげで
 ぼくたちはもぬけの殻になってしまった
 風鈴がチリンと一つだけ鳴る
 意味を終えた紙吹雪のように
 ....
 人間の体のつくりを真似て話しながら
 どこにもいない人間になれたらいいのに
 ぼくらは作られたもの
 あと一秒で生まれ変われると日常的に信じて
 浮遊するゼリー
 いつでも ....
 深夜のプールに
 腹を裂いた犬の死体を浮かべた
 悪いことしてない
 したいからした
 細切れにされた僕が
 立ち尽くし
 一つしかない空の星を
 噛み砕いた
 
 井戸水の表面に映った三日月の先が
 赤みどろに染まった
 折り重なった葉の上で
 崩壊をたずさえた少女の落涙
 狂いはじめた
 鈴虫の羽に
 つぶやきのような雨しずくが
 ....
 
 
 散弾銃の響きを聞きながら
 今日も眠る
 僕は殺されるかもしれない
 

 マンホールの下に
 うずくまっている
 谷底に沈んでいる
 フタをかぶされて
 沸騰 ....
 結びかけた靴の紐が
 切れた瞬間に
 砂時計の砂は
 落ちきった
 
 海が燃える
 
 
 紙飛行機の上で
 くしゃみする
 ひっかき傷のせいで
 墜落す ....
 ビルの角の一点に光があつまる
 ぼくの身体は痙攣してまるでお笑い種だ
 霧のように漂う亡霊のような人たちが
 ぼくを捕まえにくる
 できそこないの死!と
 叫びながら
 おまえら ....
 ていねいな言葉をかさねて
 だれがぼくの心を知るだろう
 ひからびたぼくの腕の中で
 目を覚ました人が
 夢を見るのはもういやだ
 と言いました
 さめたぼく ....
手首の傷 生き永らえた人類の証
滑り台を滑った後の靴に入った砂の数をかぞえて
もう自分に残された物は少ないと知る
顎から発達する上向きの旋律
ちぎれた雲からのぞく太陽
あれだっていつか消滅 ....
 さっきからおれは気が狂ってる
 生き抜くことしか考えつかない
 コップの底に残ってる最後の水を
 飲み干して
 ベッドで眠る
 カーテンを燃やし尽くす
 握りしめた太陽を ....
 バスルームで遂げた自殺の
 記憶が
 洗面所の流しっぱなしの 水道から
 流れてくる


 畳まれた膝の空気
 見つめるガスコンロの炎と炎の間に
 両眼を投げ入れ ....
 手のひらで潰した花弁の名を
 知らない


 消えた指紋の一部と
 渦を巻き
 波打つ
 消えた以外の指紋


 彼方の太陽が
 今日も近づいてきた

 ....
 着込んだ老人が
 踏切りを渡りきれないうちに
 死んでしまうのは


 電車は通らなかった

 車は突っ込んでこなかった

 風は吹かなかった

 杖を玄関 ....
 
 朝
 おれはパンを食べながら新聞を逃がしてやろうと思う
 寒いというほどでもない朝だ
 黄色のニット帽の老人が
 今朝も部屋の前を通り過ぎた
 畳屋の隠居だがもう畳屋 ....
 俺は月を見ていた。
 月は俺を見なかった。


 おまえのことを
 思い出し
 夜はよく眠れる。
 朝に起きる。


 昼。
 ショートケーキの苺を ....
 




 裂けた肉から
 あふれだす血を
 忘れかけた酸味を思い出した
 壁時計の下で壊れてる
 置時計の針の行方は
 壊れてる壁時計の針の行く末
 通りの先で雨が傘に遮られ ....
  白い  白い  白い
 向い合ってない 十分に機能できない場所に放置された
 バスケットボールリングの 
 校庭の小学校
  垂れ下がるネットはなくて 空洞のわ ....
 寒空へ向かうシャボン玉の割れたさきで
 季節が変わる
 ふくらんだ嘘を削ぎ落とすようにきみは
 僕をたった一つにする
 やさしい指先に抗いましょう
 午後の上機嫌なチーズスフレ ....
ストーブの前で
きみの姿が消える
水がほしくなる
透明の重さのない
思い出にならない水



こわれたばかりの
ろうそくの炎が
いなくなったきみの吐息を
 ....
 
 



 面接官は一重の目で
 おれを見つめ
 何も言わなかった
 机にある採用チェックシートの上の宙を
 ボールペンがせわしなく回転する
 肌寒い頃だったが
 秋だかまだ ....
 鳴らないように
 カスタネットをひきちぎった
 偶然なついて住み着いた
 一匹の猫を私はふいに暴力した
 頭の中が真空状態になり
 私は一方的に傷ついた
 風で車 ....
 誰でもいい誰かを轢き殺す視線で
 先の尖った送電塔におれの欲望をからませ
 なしくずしの洪水を頭上に照らす
 頭をなくしたやつらで埋め尽くされる隙間のない街が
 いつ ....
 俺には何もわからない。
 水道の蛇口をひねる。おまえの体液が心地いい。
 ずっとたゆたっていたい。
 かるく海の匂いがするそこに、ずっといたい。
 ずっといたい。
 傾 ....
 行ったことないけれど海の家のかき氷ののれんを突然思い出したわけで
 砂浜に置いてった夏にしか笑えないジョークを
 水道の水が冷たくなりかけのころ思い出す
 海になんか一度も行か ....
  



 激しい足からなる二つの牛の角を
 燃えるひとすじの流れに委ねて
 速度を増す赤が増していくところ
 何層にもうねった漆黒の木々の幹に
 水色の肺が生まれる
 暗くともっ ....
A道化さんのカンチェルスキスさんおすすめリスト(83)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
内出血- カンチェ ...自由詩1005-10-7
実刑- カンチェ ...自由詩1405-9-30
4分39秒- カンチェ ...自由詩605-9-21
ころがるちゅうしん- カンチェ ...自由詩10*05-9-14
悲しい摩擦音- カンチェ ...自由詩705-9-12
やさしい活気が乱暴に穴を開けた- カンチェ ...自由詩8*05-9-12
楽園- カンチェ ...自由詩11*05-9-7
縦に裂ける- カンチェ ...自由詩705-8-3
崩壊をたずさえた少女の落涙- カンチェ ...自由詩505-6-20
こわれた背筋- カンチェ ...自由詩5*05-6-20
そらを掘る- カンチェ ...自由詩1005-6-20
水平線上の異物- カンチェ ...自由詩205-6-18
うるおう- カンチェ ...自由詩1005-6-11
一人残らず死ねばいい- カンチェ ...自由詩3*05-6-1
カスタム- カンチェ ...自由詩705-5-6
劣化現象- カンチェ ...自由詩905-4-12
光沢- カンチェ ...自由詩305-4-12
深爪- カンチェ ...自由詩405-4-6
ユニットバスで肩まで浸かろうとする。- カンチェ ...自由詩705-4-6
俺はショートケーキの苺がつぶれ落ちるさまを眺めおまえの心臓の ...- カンチェ ...自由詩605-3-25
- カンチェ ...自由詩205-3-8
白い白い白い- カンチェ ...自由詩10*05-1-15
灰色ゼリー- カンチェ ...自由詩504-12-28
前へすすまない水- カンチェ ...自由詩4*04-12-25
セプテンバー山男- カンチェ ...自由詩6*04-12-25
恐れ/屠られたカスタ- カンチェ ...自由詩604-12-23
衝突- カンチェ ...自由詩104-12-22
責任逃れの太陽- カンチェ ...自由詩504-11-25
台風スプレー- カンチェ ...自由詩4*04-10-20
生命- カンチェ ...自由詩3*04-10-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する