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混じり気のない東から
広い、まばゆい氷が溢れる
吸うわたしは、吐く
愛おしい、正しい、愛おしい、
ひゅう、ひゅう、
吸う、吐く、わたしは
空気にキスをしている
ああ、だからこの肺 ....
ガードレールの
かすかなすり傷から
少しずつ、ずるり
赤錆と化してゆく
そこを避けて触れた人さし指の
さらさらの、その
真っ白に乗じて、何も
何もかもわからな ....
無数のソーダ水の泡が
ソーダ水から夏へ飛び立つ
そのときの一頻りの冷たい破裂音を
私たちは聞きます
ね、
それは、模範的な別れの際だと
ほら、そのあとに残るぼんやりとし ....
煙る空の
灰の深く
空は、どこか深くに
航空機を押し殺している
その、灰色の腸の痛みが
低音部に、轟く
その下で
タンポポを
想像妊娠した人たちの衣服だけが
黄色 ....
砂塵に覆われたコンクリート
目を凝らせば
ほつれ落ちた枯れ枝、その向こう
目を凝らせば
灰皿代わりだった冷たい赤い一斗缶、その向こう
公園を閉じ込め続ける鉄条網、その向こう
澄 ....
冬の病院の
日曜日には車の少ない駐車場の
荒々しいアスファルトの
理由も何もない黒いところに
石灰を撒き散らす
何処から引用した余白なのか
誰も見透かさないからこそ
安心して引用 ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している
その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
最後の人が飛び降りたまま
裏返ったブランコの鎖が歪に静止している
翌日になれば元に戻される、それだけのこと
わたしは、もうずっと公園にいない
だから知らない
ブランコ ....
夏の日が
この白いカーテンを掴み引くことを正しいと言い切り
この白いカーテンを掴み引く私の手の甲を
えぐる、痛い、傷口は
眩しい
白
下垂した詐術を失った途端
険しく ....
俯きがちという言い方は生ぬるく
人々の首は、方角の違いはあれど
完全に折れています
それぞれに掛かる負荷の為に
多くの頭は地面の方向へ折れています
左や右へ折れている首も ....
底面の アスファルトまでも
濡らす五月の緑を
どれほど丁寧に踏みしめても
足音は奇妙に乾くのでした
その足音に含まれた 一連の私は
ぱらぱら 小さくほどけ散るところで ....
夜が
朝 に
ならず
雨になり
ツツジ 切れ
濡れ 流れた 蜜
この先 ひとつの舌も
幸福になりません
雨が
晴れ に
ならず
夜になり
何かが ....
屋根瓦に置かれた夕刻の重みで
玄関を飛び出したまま私は戻りません
西空の 夜にかけての諦めが
すべて諦め終わった証拠
としての 暗い打撲跡の広がり
そして癖になったそ ....
私が 一滴も
何ものにとっての海にも
なれぬことが要因となり
アスファルトは
忽ちに透け凍った雪の成れの果ての
既に 雪ではないものの 下で
アスファルトは
ただ 固く ....
寒気団の
肺の
永続的な空咳が聞こえる
どこに辿り着けば的中と呼ばれるのかを知らぬまま発射され
自ら目隠しをしたまま直走るガードレールのスピードが
白い
苦しげな吐き方しか ....
カンチェルスキスさんのA道化さんおすすめリスト
(15)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
心呼吸
-
A道化
自由詩
14
07-2-14
赤錆わずらい
-
A道化
自由詩
16
07-1-7
純
-
A道化
自由詩
24
05-7-3
色彩冷戦
-
A道化
自由詩
7
05-2-26
その吐息のほどき方
-
A道化
自由詩
10
04-11-25
余白の引用
-
A道化
自由詩
7
04-11-19
あるカーブで
-
A道化
自由詩
32
04-10-8
公園にいない
-
A道化
自由詩
18
04-7-16
白骨
-
A道化
自由詩
4
04-6-15
屈折率
-
A道化
自由詩
7
04-5-11
五月の枯渇音
-
A道化
自由詩
10
04-5-3
雨天占い
-
A道化
自由詩
8
04-4-27
転落時刻
-
A道化
自由詩
5
04-4-5
凝結した魚
-
A道化
自由詩
5
04-2-2
スピード
-
A道化
自由詩
4
04-1-9
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