すべてのおすすめ
ルーズな踝はいつのまにか姿を消し
タイトな紺色が街を闊歩する
こんな横並びを欲する時代だからこそ
曖昧なままでは許されないと言わんばかりに
膝上近くまで引き上げられた紺色に感じる息苦しさと ....
血も汗も涙も流さない時代は
清潔さを保ち
心と体を分離する
心の時代だと叫び
体を放棄して
光になろうとする
くそ食らえ!
身体感覚を取り戻せ!
詩人は真の言葉を語らなくてはならな ....
ときどき
コンビニでおにぎりを買っては
思ってた
おかあさんのおむすび
食べたいな、って。
久しぶりの外泊で
おかあさんのおむすびを食べた
それは
ほんのりあたたかくて
....
今日
他界した父の
初めての
誕生日がやってきた
昭和
何年だったか
いつまでたっても
覚えないまま
もう
数えることはない
死者の生まれ日
ある年は土曜日で
ある ....
途中だった思案を開いてみる
また白紙になっていて
今日という日があるのはそのせいだ
記憶なんて信用できないもので
記録のほうがあてになるかもしれないと
毎日、一頁ずつ
日々を書き留めていて ....
(タイムカプセル)
音をため込む
繰り出す
器を飾り付ける
瞬間
言葉が詰まらないよう
元気に声を詰め込む
(予想通り)
そう言い切れるまで
どれだけ間違えればいいのだろ ....
{ルビ箸立=はしたて}に
ひっそりと立っている お箸
いのちの橋渡しを行うもの
せつなさをとおりこして
うれしさがあふれそうな
いのちの輝きの
道のりを
真っすぐに
みおくって ....
壊れているのは今の世界
それは違うんだって
気付かされた
曲がっているのはあの人
正義だとか口に出して
掲げた剣はただの
暴言ではないか
生きている事に
死ぬ事に
価値なんて ....
あの夜の夕食を思い出せないまま
今日まで生きてきた
妻が初めてつくってくれた手料理は
少し難しい名前だった気がする
思い出してるうちに
思い出すことさえ忘れてしまって
思い出せないまま
....
若いときいちばん食べた即席麺は日清のあれではなくサンヨーのサッポロラーメン醤油味だった。
大きめの丼に粉末スープと麺をいれ刻みネギをのせスパイスをふりかけてから熱湯をたっぷり注ぎ
大学ノートで蓋を ....
きみのバスが遠ざかり
ぼくはちぎれて
半分になる
照れくさいぼくを
きみが思い出すとき
薄闇はきっと匂うから
けなげに告げよう
離れた場所で
あすの名を
....
いくら落ち目のわたしだからって
何でこんな仕事しなきゃいけないのかな
数人のテレビクルーを引き連れて
どれだけ歩いてきたんだろう
雲の上を歩かされるなんて思ってもみなかった
富士山の ....
さよなら
さよなら
どっと
たくさんのきらきら星がやってきた
掬っておもいきり抱きしめたけれど
ながれていった よ
目を閉じて
わたしぜんぶで
あたためた よ
た ....
さようなら、の向こうで
夢、夢の花が揺れる
その花びらの裏側で
思い出が溜め息をつく
生きて行くことは
分かれ道の連なり
傍らをゆく風さえ
その地図を知らない
今日にうたえば
....
おだやかな鳩のように
私はうたたねをする
窓の外は明るい雨
静かにふっとうする時間
やがて雪になる事を予感する
読みかけの本はレイ・ブラッドベリ
夏の草いきれがむっとたちこめる
....
怒っている
ほったて小屋の前で
巣箱なんか作りやがってと
空に
怒っている
怒っている
俺の仕事が
詩人で
せっかく
命がけで
産んできたのに
何の恨みがあって
背中か ....
雪が降っている
ゆっくりと
確実に
地面に
森に
山に
田畑に
人に
犬に
家々に
音も静かに
きちんと降りてくる
そんな様を見ている
景色が
無音の白にな ....
多摩川に架かる鉄橋を渡りきる頃
メールの着信を知らせる携帯の光が走る
両親も恋人と認める彼からのメール
簡潔な朝の挨拶に優しさ溢れる短いことば
先輩は幸せ過ぎるから
傍から見ると憂鬱 ....
初詣デート前日
明日 お参りした後
おみくじ ひくことになるだろう
『大吉』か『大凶』じゃないと 中途半端だから
さきに神社に行って『大吉』か『大凶』出るまでひいておこう
『大吉 ....
ポットの注ぎ口から
授乳温度の液体ネコを流出させて
膝の上に置く
ネコは不定形
とろーり とろーり
湯気を立てて
うたた寝をしている
ネコの脳波はカップの上で波紋を立てて
き ....
{ルビ空=から}のビニール袋を
ゴミ箱に投げたら
口を開いて
ふわりと立った
すべてのもの
を
で
すいこみそう
気づくとぼく ....
ひねもすノタリノタリかな
花瓶の中の水仙
洗濯物を干す
有給を取る
世界は逆ねじの歌
世界は左回り
世界は平和の歌
世界は大人になる
私に夢を下さい。
私に愛を下さい。
私 ....
あさのひかりのなかに
あなたのかげがとける
なみださえもきはつせいなのか
からだなどはすでにみえない
ないてもないても
いつまでもそらはそらのままそこでひかる
でんわのべる ....
繰り返しエア拳銃自殺
繰り返し飛び散るエア脳漿と絶望
ショーンはエアBB戦争に行った
片輪な倫理
戦争は嫌いだけれどエアBB戦争は好きさ
繰り返し飛び散る片輪な倫理
ファンタスティ ....
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
人が壊れていく
大人が強いと言ったのはどこの誰だろう
声をはり上げて
大声で叫んで
ただ静かにわたしは暮らしたいのに
誰かの心を疑うこともなくて
意味もなく何かを恐れることなく
静か ....
すなおな円の中に
さかなや鳥や
そしてほ乳類を集めて
食べる
それぞれの
交差する部分で
わたしらは健康を保つ
それは罪深いことではない
ラベルには
聖書のことばのようなもの ....
お金や幸せを掻き込むという
縁起物の熊手
わたしの望む幸せとは
そんな熊手の上手から漏れた小さな幸せ
例えばそれば
何時に無く目覚めの良かった小春日和の午後
所在無いままに陽だまり ....
集めている
草花の歌声を
鳥の時を
空気の鼓動を
水の根を
空の恋を
魚の道のりを
暗やみの夢を
ひたすら
見つけては
集めている
....
071226
死にたくないなと思っていたら
頃合いなので
これから死にますと言われて
はいそうですかと答えた
(配送ですかとは言えないので) ....
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