すべてのおすすめ
人を殺した先輩から
手紙がきた
最近流行っているそうだ
便箋には大きく
「戦車」
とだけ書かれていた
「チャリオット」
って読ませるんだって
縄文時代と江戸時代と現代や
一ミ ....
わたしのようなものならば
独りの夜は 寂しさもまた友のようなものだ
しかし何の悪戯か酔狂か
時にはおもむろに紙とペンを取り
意を決し かの人に思いを綴る
酒や ....
12時
「もうなにもかもやめる」といいながら
見た事の無い男がキッチンに立っていて
重力の関係かすこしだけ勃起していた
わたしはリビングでまるくなって泣きながら
声でいろいろな嘘 ....
ヤリたいだけだっていーぢゃん。
そんなに自分を高く売るなよ。
だけど、安売りもすんな。
価値なんか見いだすなって、バカくせぇー。
まぁ、ヤリたいだけだっていーぢゃん。
早漏だけどねー ....
太陽の息吹は大地にふりそそぎ
山は水を作り出す
花のように咲き乱れ
植物が根を生やす
舞妓が舞うように種を撒き散らし
熱を持った有機物は活動をしは ....
なんでそこにいるのかも
忘れてしまった
世界一大きな
白いスポンジを見ている
どのくらい大きいかは
見ていれば分かる 今までに見た
一番大きな海より
大きい
白いスポンジとはつ ....
湖心から湖畔へと
一艘の無人の白いボートが
静々と漂つて来る
寄せくる波に身を委ねて
従順な驢馬のやうに
いつたい何を乗せるつもりなのだらう
あるいは誰を
....
旅慣れた人の荷物は小さいという。
わたしの鞄はぱんぱんに腫れ上がって重い。
たった一人遅れてやってきた草原で一息つく。
鞄を開くと
女が入っていた。
死んだはずのわたしだった。
やっぱり死 ....
そういえば最近 アドバルーンを見かけない
昔はアドバルーンをよく見たような…
空にプカプカ浮かんで
色とりどりに 遠くから呼んでいた
“いらっしゃいませ”とか
“本日大売 ....
{引用=映写機の音がする}
彼は 人のいない小さな劇場の
古く湿った 客席に座り
白くぼぉっと光るスクリーンを見つめる
{引用=ただ、かたかたと廻 ....
発達した地下街迷って
ぶつかった人が舌打ち
便利って後ろ暗いものですね
どうやら
モーター音で唸って
遠心力で想いとか振り切られ
僕たちブリキロボット同然で
アンダーグラウン ....
師走の空は高く澄んでいて
雲は静かに流れています
朝方は特に冷えて息は白くなり
凍える手で自転車のハンドルを握る
力が入らなくてフラフラと彷徨うばかり
小学生の低学年の頃に ....
誰かがウソをついています。
誰かが給食費を強奪したのです。
ちょうど意味が言葉に強奪されるように、
ちょうど言葉が解釈に強奪されるように、
給食費という、
私の管理下にあるものを強奪した ....
ぜろてんのうた
なんてむいみ
とかおもってたけど
だれもてんくれない
なんてむかち
とかおもってたけど
ぜろてんのうたがあって
いってんのうたがあって
にてんのうたがあって
....
夕焼け
みんな迎えがきて
またね
またあした
手をふって
さよなら
ジャングルジムのてっぺんから
いつも
見送るだけ
砂場のシャベル
ブランコのさび
おかあさんが
きょ ....
午後三時くらい
その老人は看護婦たちのふとった尻に目くばせしながら
いつしか、二月の朝窓辺のちゃぶ台の上でゆれていた
みそ汁の湯気のことを考えていた
なれた手つきで鍋にうずをえが ....
詩えない者の声を聞け
摩擦をすり抜ける
声は燃える
枯れた泉に
言葉は腐れ落ちる
枯れた泉で
喉を潤せ
錆び付いた下水道
手の届かない生活水
ガブ飲みし ....
それで ええねん
そんなふうに やさしくしてくれたりな
そんなことでも ええねん
その気がないことだとか
そんなことは ええねん
むしろ 期待することが ....
狡猾な鶏ガラみたいな婆様が。
自動改札ピコンピコン。
通せん坊で、しかめ面。
その後ろの若旦那。
ガッチリ嵌まって、しかめ面。
更に後ろの彼の妻。
愛し旦那の醜悪な。
し ....
アリクイが逆転サヨナラ満塁ホームランを打つ
そんな夢を見た
飛び起きて冬の早朝に町へと繰り出す
目覚めた僕は豚になった気分で震えていたのだ
廃れ逝く町で
々、ような毎日で
退屈な僕は小 ....
俺がダライラマに会う日
澄み切った空の向こうから遠鳴りが聞こえる
ビリヤード状に突かれた宇宙天体から膿がこぼれた
それは細菌ではなく原子力だった
放射能のかなたに
あらゆる透過された事柄が
....
最初の日曜日、世界は混沌とした闇の中にあって、まだ私の手の届く範囲内でした。
最初の夏、世界は混沌とした闇の中にあって、私はその世界で王様でした。
最初の冬、混沌とした世界は終わりを ....
箪笥はいつも 夜更けに戻る
鼻歌まじりに 廊下を歩き
暗い風呂場で くしゃみする
畳ニ枚分 離した布団に
ドーンと倒れて いびきをかく
酒の臭気に 眠りの鎖が
....
生ぬるい 外見上の 愛などいらぬ
我ら 田舎に 生息し
ダサい 天下を 取る
決して オサレではいけない
我ら すでに 年老いた 自由をもつ
決して 縛られては ならぬ
外見上の 愛な ....
いまは更地になっている
高校の前から自転車で少しいったところの
あの荒廃した土地には
昔ジャスコが建っていた
しみったれた汚い店だったが
中にはフードコートもスーパーも
一応あ ....
元居た部屋の
顔のない人物に
猫の笑顔をはめて見た
ステンドグラスが煌めいて
ほの暗い部屋にも光がさして
顔のない人物は喜んで
跳ね回り
踊り回って
暫し黙祷
祈りを真似て
十字を ....
1.永遠の序章
(総論)
一人の少女が白い股から、鮮血を流してゆく、
夕暮れに、
今日も一つの真珠を、老女は丁寧に外してゆく。
それは来るべき季節への練習として、
周到に用意されて ....
?.
まだ葉が落ちない
白樺の上に
黒猫がいる
のを
見ている
うつくしい猫で
目が
とくにきれい
久しぶりだけれど
思い出 ....
さくらがみたいのと
おまえは呟く
けれども
おまえの為に
こんな時期に
桜は咲いてくれないのです
ようちえんにいきたいの
とおまえは呟く
しかし幼稚園は日曜日に ....
?.
あなたを
あなたのすてきなところを
一日
大切にする
あなたを
あなたの汚れたところを
裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
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