星月夜大陸横断するバイク
爽やかに陰鬱な馬乗られてる
球音が耳に残るや処暑の空
藪枯らし匙投げた医師にアホと言う
星逢う夜髪をショートにしてみたの
あのやろう絶対しば ....
ブルームーン、青くないねって笑ったきみの犬歯にかかる流星
これきりとかわした肌に露が落ち二度目の月が白く微笑む
愛していると
水に沈めるようにしか
言えなかった
おもたいものほど
きちんと遠くへ沈むので
うみがめが
なみだを分泌するように
水のなかで
愛しているを
沈めている
....
夏、それは
裏とおもてのある季節
裏道はどこへも
繋がってはいない
向日葵、それは
追いかけていた肩甲骨の高さで咲いて
自転車で踏んでしまった蝉の音で枯れた
波、それは
壊れた ....
大輪のピンクの朝顔咲きにけり
ショパンのピアノ・コンツエルト窓のゴーヤ
家族の絵沢山飾り晩夏の日
駆け抜けてしまえないのがもどかしい屋上だった8号館は
まばたきをするたび更新されている影あり春の日は万華鏡
「ガイブセイ?」「うん、外部生。」
かんたんに友がつくれてし ....
目的地を知らされていない旅路の途中はみなトランジット
不安定のエネルギー浮上して高気圧
空に立ち上る灰色の龍、雷
絵葉書に古い遺跡の写真ありどこか懐かしい気がする夏
蝉蝉蝉、は ....
つかまえた! 石灯籠の丸き宇宙に
夏帯を解いて自由になる私
戻りたいサンズイ連れて涙梅雨
今だけを夏野にきざみ生きていく
あの頃は虹だけ見てればよかったね
ブロークンハー ....
海よりも空よりも青い夜を泳ぐ 果てたからだは一つによじれて
晴天のすみわたるほど影は濃く 向き合いながらも表情(かお)わからずに
晴天に雨を呼ぶこえ 薄暗い部屋で待つ指磨いた首筋
晴天を裏切るような白い肌 夕暮れどきには空より染まる
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=259391
ひとつぶずつじぶんとおんなじ空間に砂利をつめたら動くだろうか
もししろい砂利が鍵ならぼくなどは鍵穴だらけのにんげんなのだ
陽が照って砂利のぼくらがわらうとき奥 ....
肩書きは「青い新宿回遊魚」まだあのひとはいますかここに
膝を抱き「東京事変」聴いていた人恋しくてベゴニアを買う
束縛を嫌いみずから糸切れば動けなくな ....
北山通の並木かなしむ夕暮れの色はほんのり青さをもって
少年が息をひそめていたわけは蛍でしょうか哲学のみち
宇治川を背に立つ君の少しだけ歴史を知っていることが ....
横断歩道の黒白正しく踏み分けていくように押す部屋番号「206」
無機質なふりして並ぶ玄関のドアは夜まで熱が抜けない
ココナツの洒落た香りが悔しくて窓に3ミリ隙間を作る
....
私しか「アトリエ」と呼ばない場所で
あのひとは輪郭のまま西を向いている
むせ返るような夕陽の匂いのなか
パレットで乾いた水彩は、それきり
藍が好きだったと思う
雨が好きだった ....
「みなさんに明日が来ることは奇跡です。それを知っているだけで、日常は幸せなことだらけで溢れています。」
これは「余命1か月の花嫁」のドキュメンタリーの中で出てきた言葉だ。
この言 ....
起き上がる前の
暖かい布団の中で
あなたに触れる
限りなく
やさしさに近い場所で
あなたと
生きている
いま
胸を焦がす情熱ではなく
ほおを切るせつなさで ....
遠浅の日々はいつの間にか息継ぎの仕方を忘れさせる。
駅まで、の最後の交差点に立つと
呼吸が止まるほどに夕焼けの匂いがした。
*
「雲は、本当は流れていないのです ....
■秋
すべての色を飲み込んで
ただ透明である、秋
■チャイム
夕陽が窓ガラスに映ったとき
風がいつも置き去りにするもの
■図書館
古びた新築の匂いがする
■デジャヴ
....
我が肉の南方回帰さめやらず
高天原もリーフの先に
創世の靄る熱の中浮遊する
人間の種五体固まりつつ
昏い寝間朝日射す夢まどろんで
....
アスファルトの照り返しは穏やかではない
24号線沿いのひび割れた歩道を蹴って
いつまでも変わらない信号を見上げる
太陽がもうひとつ増えた気がした
雨と晴れの境目を見つけた少年時代の君を
....
夕月は君が
先に見つけた
でも
明日雪が降ることは
きっと教えてあげない
*
君のいちばんのねがいを
たぶん私は知っている
でも
君のいちばんの ....
アンダンテ追いかけて追いかけていても君が見えない陽射しの中で
抱きしめる速度ですれ違う風はセルリアン、君の瞳に映る
炭酸の雨///下弦の月をマドラーで浸しても味なんてないまま
....
君のことを描くたびに
ひとつずつ言葉を失っていった
すっかり軽くなった水彩箱には
たったひとつの「ありがとう」が
隅にこびりついて震えている
―――ありがとう。
それだけで ....
送電塔の下のスフィンクス
草むらの中にペットボトル
少し目を 離した隙に
そこにあった意味
そっと動かして
首をかしげては
石のほほえみをなげかけた
うずくまる女の子
ゆっくりと流 ....
廃校の探検隊だぼくたちは廊下がミシンと鳴るアンダンテ
イチゴにも砂糖をかけるアキちゃんが横目で見ているスターバックス
算数が誰より得意なユウくんは今日も釦を掛け違えている
....
片方の翼の折れた失速を
取り戻すまで我生きるなり
置いてゆく荷物の重さは測らない
翼の先を大事に繕う
夜の風 羽根のひとひらも凍みてゆく
翼よ向こうに朝が待つ
失っ ....
「キレイだよ、誰よりも。」
鞍馬口駅のトイレでそっとつぶやく。髪を直して、グロスを塗って。そうして見つめる鏡越しの自分に向かって言っているものだから、他人が聞いたら「アホちゃ ....
どうにもならんことを
どうにかできると
拳をにぎり
どうすればいいのか
考えに考え
手をにぎりしめ
向かう先がどこなのか
確かめる支点を
持ち得ぬこともまた知らず
その方法で ....
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