あつい陽射しの中にいつのまにか
とうめいな光がましてきて空は青い
『ジッドの日記』新刊本の表紙の白い
色に金と黒と朱の印刷文字があざやか

世紀末から新世紀をのぞむ思想家
にじみだすイ ....
アンチ・テーゼ? 最近はあんま見やせんなあ
外海まで出りゃあちったあ捕れるかも知れんけん
あんた近海もんが欲しいだら?
活きのいいのをくれっても無理なもんは無理だに

ほんじゃテーゼ ....
<サンプルその1>
風に舞う落ち葉がカラッポの心に痛い
あなたが行ってしまったから
あたしはひとりきり
強くなれない自分が哀しい
あなたが残していった夢のカケラを抱いて
言えな ....
(あ)


っという間もなく
それはもう

ではなかった

語られることのないおとぎ話は
ただ
さらさら
さらさら
と音めいていて

僕の両手はいつも
掴まえることが ....
雨が好きという小説を読んだことがある
雨が嫌いというのはあまり聞いたことがない
やらずの雨は都都逸にもあり乙なものである
城ヶ島の磯にふるなみだ雨はせつない  

雨よふれふれも悩みをながす ....
どえらい悪夢だった。真剣におっかなかった。
どうも睡眠薬と抗鬱剤がきれると悪夢をみるみたいだ、
てきめんに。

夢の中で私は近所のゴミ捨て場にいて、
なにやらうごめいているゴミ袋をあけた。
 ....
あなたも五十すぎたら定年になる
ささやかれてから 今年でちょうど 四年
第二の職場 わたりに舟と観念
世間には 不景気の風 吹きはじめてる

まだ浅い春の 山にきて ふと見上げる     
 ....
    ──またの名をアナグマ。


(ムジナ暦:何が起こったか)

0年:ムジナ誕生。
   誕生の経緯は不明。全くの突然に現れる。
   この頃は名前がまだ決まっていない。
    ....
骨壷をもうひとつと
父親は頼みました

寒い寒い一月の斎場で
白い骨になってしまった
母親を乗せた
鉄板をみんなで囲みながら

葬儀屋が用意してくれたのは
大きな骨壷がひとつと
 ....
暑中お見舞い申し上げます
 今年は母さんの新盆だから
 せめて墓参りにくらいは帰ってきなさい
                  父より

   追伸
   そういえばクロがおとと ....
白鳥は冬の渡りの鳥
"冬の白鳥"
なんにも不思議なことはない

けれども白鳥は夏の星座
南十字とともに
銀河鉄道のもう一つのステイション
北の十字

冬至間際の日 ....
東京でも月ぐらいあるんだろう

でもほら
あの浜でやったように
月光の下
唄ったり踊ったり できたのか

お前が東京の大学に合格したとき
お前の母ちゃん幸せそうで
やっと大工の親方に ....
しのぶと暮らしていた時
給料を貰って持って帰ると必ず神棚に給料袋を置いて「ご苦労様でした。」と言う。
それから神棚から下ろして、家計の振り分けをしてくれた。
おじさんのお小遣い、食費、光熱費等々 ....
途方もなく繰り返される通勤という愚行
なんとか自由になろうと編み出した歩行
いまでは神保町から西新橋まで徒歩強行
満員すしづめと戦いながらの空しい思考

電車と速歩各一時間でストレス解消成功 ....
インドの魔術師から花束をもらった夜
ぼくはなぜか平安時代の日本にいる
うらわかい細身の美女にかこまれて   

宴はすでにはじまっていて
ひとりの女をだきしめながら
官能がたかまりおもわず ....
指で「みっつ」 
いまだ つくれず
姪っ子
ジャンプして ひとこえ


{引用=
ちきゅう おちたっ!


あぁ、なんて、
ス・ラ・バ・シ・イ。

片手で「みっつ」
つく ....
胃が四つに分裂しています
健康診断の結果、そう言われた
どういうことなのか理解できずにいる私に
つまりは反芻するということです
医者はたたみかけるように言う

反芻とはウシがするあ ....
あ ら るしぇるしゅ でゅ たん ぺるでゅ 
ア ラ ルシェルシュ デュ タン ペルデュ 

呪文のように くりかえす 音声 
円環のように くりかえす 人生

探し求めて 時 失われた  ....
そんなひまがあったら
     窓を開けて月に吠えます
そんなひまがあったら
     空をつかみ鳥になります
そんなひまがあったら
     雲をちぎり雨を描きます
そ ....
あ あんこ
い いんこ
う うんこ
え えんこ
お おんこ 

母音たちよ
ぼくらの言葉についてまわる
たった五つのわが母音にまじわる
子音たちよ

あ あかさたなはまやらわ
 ....
   のらりくらりとしていた。歩道で信号チッカンチッカンしだしたから
   ではないのだけれどなんだか ハ・シ・レ 、っておもってしまって
   横断してから止まらなくていつまでもいつまでも走って ....
夢を食べて生きてはいけない?

この季節、月はとても高いところを通る。
まだ若かった三十年前、薄っぺらいクラシックラルースをテクストに辞書と首っぴきで
ランボーを読み、痴がましくもその全訳を夢見たものだったが、十歳の少年が「金利生活
者になりたい」などと書いているの ....
もちを食べていたら
中から
ラケット二本と
シャトルが一つでてきた

正月は羽子板だよね
とか言いながら
僕らはいつまでも
バトミントンをし続けた

あの日
何回まで数えるこ ....
きょうは朝から春の雨

森の仕事もできないし
畑の仕事もできないし
海草拾いもできないから
カイとふたりで赤いカサさして
てくてく出かける
ききみみ図書館

司書のおじいさんは
て ....
海はすっかり赤ワインで
空はすっかり酔っているのに
うみろばはまだやってこない

ところで
したり顔でカイが言うには
うみろばの役目は
海馬のはんたいなんだって
海馬ってなんだか知らな ....
春愁なんていまさら歌えない
だからカカカと明るく笑って
カイの住んでる森に行き
おっきな声で春を告げる

おおい、カイ!
起きてよ!
雪の女王はもう死んじゃったよ!
でかけるよ!

 ....
私が三流怪奇詩人を名乗ることにはいろーんな理由が多々あって、ひとくちには言えない。「三流」「二流」「一流」といったカテゴライズを、否カテゴライズそのものを嫌う人がいることは承知の上で、また、そもそも「 .... 秋霖 というのでしょうか 長い雨でした
三年 という歳月は 忍耐の最小単位
きみが家を出て一年ほどは手紙のやりとりが盛んでした
やっと抜けるような青空がひろがり快い
晴天がつづいているのだけれ ....
病院でリハビリの担当医がもっと歩かないと駄目だという
せめて一日四〇分は連続して歩けという
テストの結果あなたは潜在体力に比べ現実体力が劣るから
このままでいくとあと十年で歩けなくなりますよ
 ....
まんぼうさんのおすすめリスト(428)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏休み - 狸亭自由詩203-12-25
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手紙- 狸亭自由詩303-12-9
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