車の誘導業務をする立ちん坊の夏は、辛い。
制服は、脱ぐ事が出来ない。
持ち場から離れる事も出来ない。
太陽から逃げる手はない。
雲よ、大空の雲
8月の太陽の光をお前の衣で包んでくれないか ....
あたしはエステに通った、
あたしは美容整形をした、
たぶん美しくなった、
あなたにわかる?
あたしはアルマーニの香水と、
ブルガリの時計と、
プラダのリュックと、
エル ....
鉄を磨き ガラスを砕き
トイシで磨いた9:02
埃をはらい
指の腹から洗剤とおしっこの匂い
よごれものは終いにしてくれ
パポ 10時のおやつ
タバコをねじふせ 酒ヤケした皮膚 ....
時は準宝石の螺旋のように
生ける屍
蛾
口に出せない習慣、奇妙な行為
沈黙は死の匂い
どこまで行けばお茶の時間
暗黒のすべての色
この暗黒化する宇宙
時は乱れて
流れよ我が涙、と ....
老母逝く雀あざみの実をはめり
曼珠沙華寂しき人のよりどころ
何もせぬまま日暮れて虫時雨
夕立のしずく残らず葉に抱き
涼風や鼻歌漏れる野天風呂
ビルの間を野分忙しく過ぎにけり
椎間板牽かれし ....
いろんなものがぶら下がっていたので
ついつい拾ってきてしまった
天井から吊るすと
いろんなものがいろんな色に光り
窓を開ければ夏の風に吹かれて
いろんな音をたてる
シャリン、チャリ ....
染めあがったばかりの紺幕の空に
乏しい星々の煌きを
捕らえることのできない俺の眼は
薄汚れた都会の空を呪いだす
ペテルギウスやシリウスの
絶叫のようなプロパガンダを
誰も聞こうとしてい ....
みどり児は
あけの河に流されて
流れ着くのは石の岸
そこをみずからぬけ
葦の原へおちつく
すでに住まう
年よりの蛇とあそぶ
おどりあそばせ
つゆふる夜半には
犬三匹をおま ....
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