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青空が誘う言葉
あなたやあたしが紡いでも
恥じらうように消えるだけさ


彼が囁く言葉にそれでも
私は季節を信じない
だからそこに誰がいても
泣こうなどとは思わない


 ....
物事を決めることが苦手なくせに
わたしはいつでも答えを望んだ



夕闇に肌の色も溶け合うような
あやふやな暑い夏

ゆらゆら揺らめいたのは
空気なのか こころなのか

 ....
カチャカチャと、キーボードの上で踊る美しい指先を溢れんばかりの欲望で見つめていた20歳の冬。私は長い茶髪を巻きヴィトンのカバンを持ち、つけ睫毛を武器にしていた。
その型にはまった派手 ....
雨の音がまるでオルゴールのようだと、ナナが言った。
僕はオルゴールなんて見たことがなく、それがどういうものなのかは知らない。そう言うとナナは目を丸くして驚いた。

「ゼロはオルゴール ....
*愛煙家*


必ずしも手に入れたいわけがなかった
セブンスターを燻らせながら
ただ欲しいと喚いてみたい時もあるだけ



*双眼鏡*


薄いベールをくぐった ....
こんなにも世界は柔らかく
日差しが踊り髪を彩り
わたしは日傘をさして笑います


わたしは死にかけた花のよう
世界を眺めるだけのものなのです
摘まれるその日を待っていた

 ....
愛ってなんだろ
ぽつりと吐かれた言葉がフローリングの床に落ちて
それは真っ黒な染みになった



白いワンピース
春色の爪
茶色のフローリング
漆黒の染み
ピエ ....
雨の匂いは二人の瞳を湿らせる
閉じ込められたつもりのお遊びで
あなたは私を呼び寄せた
きっと些細な戯れで




シーツの波が
まるで逃げ惑ってるかのように見える午前五時 ....
ぱしゃり、と水音をたてて
あなたは私を抱きしめる
二人きりのぬるま湯に浸っていると
まるで双子のようだと思った



「交わることのなかった二人が
一瞬だけ出会 ....
優しい君は
別れを告げて少し泣いた
困った笑顔で頷く私に
強いはずの君は泣いた




蘇るのは
初めて手を繋いだ夏の終わりの秋の始まり




気付か ....
夢を見た
あなたはひどく優しい笑顔で笑ってた
明け方の月のような美しさで



私は少し笑っていたように思う
その柔らかい微笑みに
夢の中でも傷が疼いた


 ....
ヘミングウェイじゃないけれど
何を見ても何かを思う
この街は体に毒だ


記憶の濁流に押し流されて
立ち尽くしたまま泣きそうになる
冷たい風が刺す中で
涙だけが生温かった

 ....
あの頃顎下で切りそろえた黒髪は
いつの間にか胸下まで伸びていた
美しい茶色の髪を、あたしは毎日ゆるやかに巻いている



あの頃短かった不細工な爪は
桜貝色の花やきら ....
秋の潮風は私の髪をほんの少しだけ揺らすんだ
それに乗じて過去が見えて
心の輪郭を少し溶かす



お酒のにおい
カテゴライズと笑い声
あたしは勝ってる?
 ....
あの夏の日
あたしは石の階段を登ってた
小さな足で勇ましく。
ぎゅうっと詰まった石の間に
黄緑色の草が生えてて
踏まないように急いで登った

ひやりとした木の感触
あのときあたしは ....
切れかけた灯が点滅して
夜の空気をざわめかせている
人もまばらな公園で
赤く染まった爪先が
あなたの頬を蹴りつけた

ちらちらと瞬く安い灯りは
薄暗く二人を纏う
その中で白く浮かぶ ....
atsuchan69さんのロリータ℃。さんおすすめリスト(16)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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