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 俺、神なんだよ。
 男はそう言った。
 そうかい。
 僕はそう返した。

 「神だって言ってもな、何があんたらと違うって訳じゃない。姿形もあんたとほとんど同じだ。」
 男は僕の ....
村の子どもは笑ってる
世界が進んでいることも知らずに
村の子どもは笑ってる

飯を食らい
惰眠をほおばり
野を駆け回り
そうして大人になるだけの
そんな日々を疑わない
 ....
凍りついた重たい大気に圧されて
密やかに凍えるお前を
私はそっと抱きしめる
けれどお前は
私に触れられた瞬間
はっとしたように
すうっと空気に溶け込み
私の指の間をすり抜け ....
ほらご覧坊や、あれが人間よ
はしたない行為に身を委ね
年がら年中鳴き声がうるさい
勝手な快楽で
勝手な繁殖を
やつらを喰う物が現れたら
食べる物には困らないわね

ねえマ ....
干支がちょうど二回りして
ああ、今年は当たり年やなあて思ってたときに
行ってもうたあんたのときとは違って
長生きした人の葬式は
ほんま呆れるくらい殺風景なもんやな

受付の人は寝 ....
わたしは死んだ
あんたはさぞかし喜んでいるやろう
あんたは周りにいっぱい女の人こさえて
家にも帰って来うへんで
月に一回お金だけ落としていって
なんかの義務みたいにわたしを抱いて  ....
一夜の頃
初めてあなたと離れた夜
一人の夜は何か不思議で
夜の音を聞いている間に
過ぎてしまいました

二夜の頃
あなたがいないことに慣れてしまった夜
何をしていいか分か ....
なあダーリン

悲しいときもあるやろ
寂しいときもあるやろ
辛くて
訳分からんなって
死にたくなるときもあるやろう

けどな
あたしは止めるよ
あんたが死のうとして ....
そこのけ、そこのけ
彼女が通る

男前のあんたらも
富を振りまく殿方も
国を動かす権力者も
彼女の前に道をお作り

一人いれば可憐の花
二人そろえば羨望の眼差し、道が空 ....
彼は世界を作った

新しい世界を作る前の日に
彼から久しぶりに連絡があった

元気かい

久方振りだね

今度新しい世界を作ろうと思うんだ

そうかい

世界を ....
世界が終わる日に出会った人は
世界が終わる日に生まれた人だった

残念だけど君は今日一日しか生きられないよ

知ってるさ

彼は答える

一日ありゃ十分さ
世界なんて  ....
お前みたいにようできた妹を持つ秘訣はな

兄ちゃんみたいな駄目な兄貴を持つことや

何やってもあかん
お父ちゃん、お母ちゃんに
心配ばっかりかけよる
こんな駄目な兄ちゃん見てる ....
憂い顔の蝶が舞う
襖に描かれた青、赤、緑
添い手を離せば
連れて行ってしまわれる

あちら
こちら
ひらり
舞う蝶

停まり葉は枯れ落ち
夜雨(よさめ)に羽根が ....
あやおかしな男とはいるもので
月水金になりゃ
どっかに行っちまう野郎がおりまして

火木、土日は
わたしの寝床で
愛を囁くんですが
他日は何処へか行くんですよ

ある日 ....
月 :「私は絶えてしまったのです。もう貴方の光も受け止められません。」
太陽:「私の光が強すぎたのだ。貴女を憐憫の炎で焼き尽くしてしまった・・・。」
月 :「そんなこと仰らないで。幾年を経た私 ....
なあアンタ、
うちはもう
死ぬことに慣れてしもたんよ
昨日の朝も、昼も夜も
何回も何回も
死んでもうたわ

どういう感覚か
伝えるのはえらい
難しいけど

ふわ ....
あの頃私はとても美しく
全ての世の光は
私だけを照らしていることに
誰もが疑問を持たなかったのでした

世の人々は
私の影でしかありませんでした
全ての人々は
私の元で繁 ....
良い人たちが国を造った
とりあえずの法律と
良い人たちだけの政府を造った
僕らはその人たちに
従えばそれでいい

悪い人たちは
殺してしまえばいい
良い人たちは口をそろえ ....
お風呂に浸かって
六十兆の細胞を丹念に洗いつくす
明日消えるものには別れを
新入りの細胞には洗礼を

すべての細胞を磨き終えたら
今日も一日が終わる
さよならした細胞
初 ....
あの日子宮に辿り着いた時
私は多くの仲間を蹴落として
一人の女を犯した

彼女はとてもきれいな
色をしていたから
私は穢したくて
嫉妬していたのだろう

彼女と一つにな ....
最後の日、最初の日
間の少しの瞬間に
私は眠る

何にも属さない真空の時間に
私は密かに
眠っている

最後の日
私は何を思ったか
張り詰められた息苦しい
そんな時 ....
みずへらしのお仕事は
毎日毎日水を減らすこと
とにかくいろんなところを回りながら
どんな水も減らしてしまう

あの子が悲しくならないように
涙の粒を吸い取って
ごくりごくりと ....
時々自分がどこにいるか
見失うことないかい
きっと誰にだってあるはずさ
一度や二度や
もっと頻繁にある人だって
きっといる

存在を証明するものは
結局何か
彼女のお ....
知ってるかい
あの娘は鰐から生まれたんだって
笑っちゃうだろ
だけど本当なんだ
こう鰐の腹をナイフで裂いたら
人間の赤ん坊が出てきたんだ
しかもその鰐公も
生まれたばかりの ....
時々いろんなものが
ただの無意味なカラーに見えるけど
なんだか新しい虹みたいで
それもきれいだからいいと思う

悲しくなった時に流す涙って
頬を伝ったり
ボロボロと化粧を落と ....
恋時雨
闇夜に浮きし
碧き月かな

不義理なお人ね
言うだけ言って
後はお忘れになるんですもの

本当は全て覚えているくせに
なんて
けったいな方でしょう

 ....
三丁目にある教会のマザーがこう言った
私だってファックって言いたくなるのよ
なぜってドキドキするからよ
女の内側が燃えてきそうになるの

ブレイクファーストを運ぶ彼女はいつだって
 ....
両手広げて飛んでみな
向かう先はあの国さ
夢や希望に嫉妬した
遠い遠い強い国

こんなオンボロの体で
突っ込んで
なにが変わると言うんだい

鉄屑と
肉片だけが
 ....
花日向、根は地水を飲み尽くす
影は咲く、愛しきように
影は咲く

寝ぼけた風に吹きやられ
やがて塵は灰となる

枯れた木に
今宵は何を刻み込もう
あの子が眠りにつくように ....
AV女優のやうな名に
慣れたあの日に失った
皮肉よりも薄い膜

鬼は外福は内
子種を撒いて
幸よ来い

無法地帯に咲き誇る
花には毒の蜜が溢る
三億の死一つの命
 ....
山崎 風雅さんのなかがわひろかさんおすすめリスト(51)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【小説】昼間の会話、神の存在- なかがわ ...散文(批評 ...5*07-5-26
村の子ども- なかがわ ...自由詩3*07-2-14
如月- なかがわ ...自由詩9*07-2-8
人間園- なかがわ ...自由詩6*07-2-7
葬り廻り- なかがわ ...自由詩5*07-2-5
わたしが死んだ後に- なかがわ ...自由詩15*07-2-2
夜離り声- なかがわ ...自由詩7*07-1-31
生き死に(いきしに)- なかがわ ...自由詩7*07-1-29
ザ・女子高生〜最後のサムライよ〜- なかがわ ...自由詩10*07-1-28
世界のはじまり- なかがわ ...自由詩5*07-1-27
世界が終わる日に出会った人- なかがわ ...自由詩5*07-1-26
兄ちゃんと妹- なかがわ ...自由詩16*07-1-25
舞蝶〜踊り子と一人の紳士〜- なかがわ ...自由詩4*07-1-24
兼業恋人- なかがわ ...自由詩8*07-1-23
「月の亡骸」- なかがわ ...自由詩1*07-1-23
毎日の死- なかがわ ...自由詩7*07-1-6
その昔のお話- なかがわ ...自由詩2*07-1-6
良い人の国- なかがわ ...自由詩14*07-1-5
細胞日記- なかがわ ...自由詩8*07-1-4
子宮の中で- なかがわ ...自由詩12*07-1-3
最後の日、最初の日- なかがわ ...自由詩4*07-1-1
みずへらし- なかがわ ...自由詩11*06-12-30
アリバイ- なかがわ ...自由詩3*06-12-29
幸福な鰐- なかがわ ...自由詩2*06-12-29
無意味なカラー- なかがわ ...自由詩6*06-12-21
恋時雨- なかがわ ...自由詩4*06-12-21
ファック&マザー- なかがわ ...自由詩6*06-12-18
フライ・アウェイ- なかがわ ...自由詩3*06-12-16
影は咲く- なかがわ ...自由詩2*06-12-13
花と咲ける- なかがわ ...自由詩3*06-12-8

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