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鞄と間違えて
父さんが
枕をかかえて会社に行く
目を閉じたまま
夢を見てるんだろう

父さんは
目を閉じたまま電車に乗り
目を閉じたまま
タイムカードを押す
目を閉じた ....
 
 
父さんと
子吉川で釣りをしていた
海の近くだったので
時々川が逆に流れていた
時間は正しく流れてるのに
潮が満ちると川だけが
昔へ還っていくようだった

父さんは
いつも ....
今まで会った
いく人もの
あなた
 (たちではなく)
の輪郭は
時間に洗われて
薄くなり
次第に
わたしの中の
小さな歴史になる
不揃いで
気まぐれな
「その時」「あの時」
 ....
ぼくのこころはちいさいから
ささいなことですぐにいっぱいになる

いっぱいになったこころでは
ほかのささいなことをかんじられない

だからぼくは深呼吸をする

いっぱいにすい ....
まんまるな月が
笑い泣き顔して
永遠を探しているよる

太陽は
そらのベッドで
くうくう
あしたの光をはぐくんでいる。
もう四月もなかばをすぎたので
夜明けの空はあかるい
あのあたりにさそり座があるんだよと
指さしても
そこにあるのはただうすあかるい空で

輝かしい過去も
きらめく未来も
いらない

 ....
これで最後になったって構わない
そう思って生きてきただろうか
そう思って飯を食い、
語らい、遊び、笑いあっただろうか

ここで途切れても
誰にも心配をかけないで
心置きなく終われるような ....
彼女の寄越す手紙には
決まって
花びらが添えられていた

『書簡の柩』


それは時に
桔梗であり
朝顔であり
胡蝶蘭であり
種類は定まらず
時には花びらだけでは
何の花か解 ....
生まれつき
僕についている
この両手は

君にもついている
手を握ること

君のからだを
抱きしめること

君に僕のそんざいを
証明してみせること

なんだって
出来てしま ....
ぽんぽん
前に歩いている人が花を落とす
私はそれを拾うのは癪なので踏み潰して進む
ああ夏が来てしまうんですね
となりにいる人にそう言うと
その人は
この世の終わりという顔をして
爆発して ....
 じいさんが縁側で苺を食べてた
 ばあさんがスーパーで安く買ってきた苺を
 安い苺は酸っぱいよ、って言いながら

 じいさんちの庭は、誰も手入れをしないから
 荒れ放題だ

 じいさ ....
私の苦手な春がやってくる

暖かい風に誘われ
木々が芽吹き
やわらかい日差しに
恋が飛び跳ねる春

陽気な笑い声に
振り向けば

そこには春がいた


ガラスの向こうなら
 ....
 
 
春の影が歩いている
人のふりをして
わたしのふりをして

わたしが振り返ると
影も振り返る
いったいどんな過去を
振り返りたかったと言うのか
影は

わたし以外に知らな ....
まいにちが

わかりやすいしあわせに

みちた日々であれば

ぼくらはそれを

しあわせと呼ぶのだろうか


春のかおりが

夜にひびいている

ぼくらは

さびしく ....
ある人が言った

置かれたところで、咲きなさい

日当たりが悪いから、
天気が悪いから、
土の栄養分が少ないから、
だから、咲けない

そうじゃなくて、

日当たりは悪いけれ ....
家から少し歩くと公園がある
公園と言っても小さな広場にベンチがあるだけで
駅の側だし隣はパチンコ屋だし
おまけに向かいはコンビニがあってネオンがまぶしく
つまりは大変に騒々しい


気持 ....
赤い夕日を浴びたのに
かげだけ黒い、
そのふしぎ。


草木も花も野も山も
おなじくみどりと
呼ばれる、
ふしぎ。



 波の青さにあらわれて
 透きとおってゆく、 ....
オリオンの囁きが聞こえたような気がして
闇が続く空を、見上げた

白い息が流れて行くのが見えだけど
それは、さっきまではアナタの言葉だったモノ

ほら、
もう音も意味も無くなって
 ....
心を投げた

思いっきり投げた

何度も何度も
あの人めがけて
投げ付けた


ぶつかり砕けた心の
小さく泣いてる破片まで
あの人は
ひとつ残らず拾ってくれて

まあるく丸 ....
 
ひとの顔を
覚えることができない

とくに好きになってしまった
ひとの顔など

ひたすら
目をそらしながら
声しか
覚えていない

声が
顔になってしまった
ひとの顔
 ....
まるで、水のよう

滑り落ちるだけの水滴

留めることもできないでいて

滑り落ちるだけの水滴

滲みこむから、そこに滲みこむから

滲んでしまう水滴、じっと眺めていた

 ....
 
約束をした
もうひとりのあなたと
あなたには
内緒で

約束のことを知らない
あなたは
なぜかいつもより
やさしかった
気がした

ひとを裏切ることが
ひとをやさしくして ....
おまえの孤独は

  おちんこをおまんこに
  入れる

あるいは

  おまんこにおちんこが
  入れられる


直ってしまう
ようなものだ


「  自慰しなさい  ....
猫が月を見ている
月も猫を見ている
光に流された草原の
嗚呼、あれは
光に流された草原の
最後の輝きだ
君と僕が消えてしまってから
いったいどれくらい経つのだろう
二人の涙に夜と草原は ....
ゆっくりと赤ん坊に返る
その人をわたしは知っている
夫の祖父だ
わたしを、「大きな女だ」と言った、祖父だ
いつも戦争の話をする、祖父だ
布団の上でお絵かきをしていた、祖父だ


初めて ....
黄昏色の空の果て
ひとりっきりの帰り道
誰を待っていたのだろう
誰を探していたのだろう
電信柱の長い影
淋しいようと風の吹く

黄昏色の空の果て
家路をいそぐ鳥の群れ
どこへ行くとい ....
きみに伝えたい思いなら
たくさん
いろんなところに
書き記したはずなんだけれど

それでもまだ
きみを思うほどに
想いはあふれる

僕がつらくて寂しいのと同じぐらい
本当はきみも
 ....
やさしくしてよ うそはもういや

さみしいひとね あなたのずるさ

しらないふりを していたわたし

くやしいけれど ここをでてゆく




だましていたの じぶんのからだ ....
いまは
ちっぽけな木の枝も
十年、二十年の歳月をゆけば
おおきく生長を
とげる

その、
生長をとげた木の枝のもと
だれもが心地よく
風に吹かれるような
あかるい午後が
 ....
今日のぼくはからっぽだ
なんにもない

誰かがぼくのなかで叫んだら
こだましてしまうくらい
からっぽだ


だから

何かで埋めたいんだ


満たしたいんだ

言葉がほしいよ
音楽がほしいよ
快楽もほ ....
信天翁さんの自由詩おすすめリスト(723)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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さよならまでの助走- 木屋 亞 ...自由詩3*09-4-20
書簡の柩- 蒸発王自由詩5*09-4-20
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降下もしくは落下する- アオゾラ ...自由詩609-4-19
じいさん- Ohatu自由詩809-3-29
春への一歩- 舞狐自由詩4*09-3-21
春の影- 小川 葉自由詩409-3-20
春の夜- 吉岡ペペ ...自由詩2009-3-18
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ふしぎ- 千波 一 ...自由詩11*09-2-20
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貴方だから- 舞狐自由詩10*08-12-10
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まるで、水のよう- いのせん ...自由詩208-12-9
約束- 小川 葉自由詩408-11-15
自戒- 煙と工場自由詩108-11-15
草原の夜- 清水勇介自由詩608-9-23
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黄昏色の空の果て- 未有花自由詩27*08-9-16
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やさしく_だまして- じゅじゅ ...自由詩1+08-9-5
木の枝- 千波 一 ...自由詩7*08-9-3
からっぽ- ヒロシ自由詩308-7-30

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