まだ青き紅葉の枝に止まり来る
秋はまだかと茶色い蜻蛉
夏らしい暑さも過ぎた昼下がり
石に腰かけ秋が流れる

その風に誘われたのかまた空へ
どこへ行くのか茶色い蜻蛉
吸われゆく雲の形は秋の ....
朝、いつもの時間に家を出る。
母さんの作ってくれたお弁当と、いれてくれた水筒。

いつもの電車で、持っていた文庫本を読む。

会社について、制服に着替える。
たかだか30分だけのために ....
とれそうなまま
しがみつくもの
制服のボタン
放課後のバッタ

ほどはるかな道
引きずった影
空笑いで蹴飛ばす
夢の石ころ

かたむいた道
走り出すバス
遠ざかってゆく
 ....
夕暮れに
あの子にハモニカ吹いたげよう
ひとりぼっちの街角に
ふたりぼっちの歌ひとつ
ゆれるゆれる影法師
街はなぜに泣いている
人恋しいと泣いている

夕暮れに
あの子は泣いていたん ....
ただある花の
ただある自分
色は淡く
微かにゆれる

ただある空の
ただある自分
雲は薄く
静かに流れる

ただある時の
ただある自分
脈は弱く
僅かに刻む

見るもの全 ....
ぼくが持ってるこれと
きみが持ってるそれを
合わせてみよう
そしたら何か
生まれるかもしれない



もし上手くいったなら
それを恋と呼ぼう
ダチョウはいきなり

炎天の平原を走り出した

太い頑丈な足で

砂地を蹴立てて



彼の後ろには

砂埃が舞い上がり

動物たちは

砂つぶてをくら ....
ねこになったきみとぼく

木漏れ日ゆれる

ねむの木の下で

二匹ころんと横になる



長い尻尾が自慢の

きみはしましまトラ猫で

大きな耳が自慢の

ぼくは三色三毛猫で

仲良く顔を並べて

昼 ....
愛し方など忘れてしまった
僕は少しばかり
酔っ払ってしまった

君がもしも困っていても
僕はもう
笑って大丈夫だよなんて言えない

僕は君に何か伝えられただろうか
君はいつだって
 ....
ああ旅はわれと列車の脈拍をクレシェンドして空へみちびく


山走る車窓をよぎる飛魚のキラリ跳ねるような木漏れ日


つり革のとなりでうかぶたんぽぽの綿毛もうみをめざしているの?


 ....
夕暮れの 空を見上げて ただ一人
らららと唄えば ただ一人

お星さま 夕焼け空に ただ一つ
きらりと光れば ただ一つ

田の蛙 蜩の声 ただ一つ
いつの間にやら ただ一つ
いつの間にやら ただ一人
山麓の寂しい町に

月はかうかうと照つてゐた

すべての人が

月を見たわけではないけれど

みんな

ボールを胸に抱へるやうにして

眠つてゐた
陽ざかりに
影がゆれる
塀の上に
白樫が緑の枝をのばし


陽ざかりに
光がゆれる
そこに咲いている
荒地野菊の花


寡黙な額に
風が吹き


みつめる心も
そっと ....
住んでいるアパートの階段で
小さな蜘蛛が巣を張っていた

それは何処にでもいる小さな蜘蛛で
だけれどもその姿は初めて見るほどに
頑なに黙々と同じ動きを繰り返し

{ルビ蜩=ひぐらし}の声 ....
空が大きいこの町で
小さな命が生きている
一つ一つは小さいけれど
空に負けないくらい純粋で
大きな意味を持っている

空が大きいこの町で
小さな命が笑っている
一つ一つは小さいけれど
 ....
わたしが生まれ育った郷里では
要らぬものを裏山に投げた
村外れを流れる川に流した
囀る野鳥の気配に誘われて
ひとり裏山を彷徨えば
要らぬものは朽ちて土となり
夕餉の支度でも始めたのか
潜 ....
教えてほしい 
あの空の青みの 
ほんの隙間の翳りの中に 
何を見いだし詠うというのか 

たおやかに流れる川の
水底に沈む
ひとかけらの悪意を
掬って頬張った 
その後の嗚 ....
黄昏が
哀しみの手をひいて
波打ち際へと運ぶ

きらきらと
波間に揺れるものを
幾度つかまえようと
泡と消えていくそれは
知るはずのない「永遠」

時計の針を止めても
季節は巡り ....
辛く悲しい時もあり
楽しく笑う時もある
変わる気持ちの一日は
時を過ごした有である

切なく想う時もあり
ときめき踊る時もある
移る気持ちの一日は
時を味わう実でもある

遠く離れ ....
祈りを土に捧げましょう

記憶は
ひと知れず育ってゆきますから
たくさんの道で迷えるように
そのぶんしっかり
戻れるように


空を翔ける翼のない者たちは
すべての責任を
空に負 ....
人が創る地獄絵は
恐怖と醜さが鮮明で
人が想う天国は
幸福と美しさが不透明

人の批判は瞬時に知れ渡り
功績はすぐに消えてゆく

否定することはたやすい
ひとたび否定の沼に溺れれば
 ....
先生。
あなたの顔を 今頃になって心底懐かしく思う

先生。
あの頃、絶対死んでもなりたくなかったあなたの肩書きを
僕も今、背負ってるんだ。それも自分から望んで。

先生。
そのことを ....
風がふいた
ふうわり さあ さあ

草がゆれた

君をみつけた

 「なにしてるの?」って聞かれたらなんて言おう





風はまだ ふいていて
さあ さあ さあ

僕 ....
朝から風鈴が鳴るも
どこか寂しげなその音は
いつもよりも小さく
張りがなく聞こえる

昼にはセミも鳴くも
何か物足りないその声は
いつもよりも遠く
弱ったように感じる

夕方のテレ ....
金魚のいなくなった水槽
水だけが循環している

もともと
おしゃべりな生き物ではなかったけど
少しだけ部屋が静かになった気がするのは
名を呼びかける
右上がりの私の声

青く発光する ....
ただ激しいだけの
夏の日差しにひからび
立ち尽くす老木が
通り雨に打たれて
季節の終わりの
重苦しい空に投げだす
涙をのせた
手のひら

(それはわたしじゃない、わたしじゃない)
 ....
ぼくから見えるこの空は
広いというよりも大きい

首を回すだけでは
すべてを見ることができない
空の中に包まれてゆくようだ

ぼくから見えるこの空は
高いというよりも太い

そばの ....
五山の文字の
ゆえんなど知りません
それでも私は
わずかに香る炎が尽き
夜が少し涼しくなるのを
ただ待っているのです

まだきっとどこかで生きているだろう
あなたを見送っているのです
 ....
きれいに消し去って欲しい
あなたの腕で
わたし自身では消せなかった
こころのなかに棲みついたもの
胸騒ぎのようなもの
きっと消せる あなたなら
その腕でわたしを抱き上げて
森の奥深く連れ ....
夕やけを食べたいという君のため買い物かご手に西日へダッシュ


ハミングでハンバーグ焼くママを見てままごとセットで真似するムスメ


お日さまに愛でられコロナより赤いトマトを煮こんで子の皿 ....
さくらほさんのおすすめリスト(617)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
茶色い蜻蛉- ぽえむ君自由詩10*06-9-8
長く、気が狂うような一日- 逢坂桜未詩・独白4*06-9-7
放課後のアンバランス- Rin K自由詩19*06-9-6
夕暮れに- 未有花自由詩13*06-9-5
ただある自分- ぽえむ君自由詩8*06-9-5
芽生え- Honesty自由詩5*06-9-5
ダチョウ- 杉菜 晃自由詩7*06-9-4
ねむの木の下で- LEO携帯写真+ ...20*06-9-3
僕は愛し方など忘れてしまった- プル式自由詩7*06-8-31
Like_a_rolling_stone…Go!_Go!- まほし短歌14*06-8-29
らららとウタウ- プル式携帯写真+ ...11*06-8-29
- 杉菜 晃自由詩11*06-8-29
ゆれる- 石瀬琳々自由詩16*06-8-29
潮騒を包む風は優しく- プル式自由詩9*06-8-28
一つ一つは小さいけれど- ぽえむ君自由詩14*06-8-28
見えない力- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-8-28
九月- 落合朱美自由詩2506-8-27
潮騒- LEO自由詩15*06-8-27
美は流れる- ぽえむ君自由詩7*06-8-26
祈りを土に- 千波 一 ...自由詩13*06-8-23
否定の沼- ぽえむ君自由詩13*06-8-23
先生- ウデラコ ...自由詩3*06-8-23
野原で- 日朗歩野自由詩1006-8-23
次の季節へ- ぽえむ君自由詩14*06-8-21
濃度のない水- ku-mi自由詩12*06-8-21
木々の行方- たりぽん ...自由詩13*06-8-20
ぼくから見えるこの空は- ぽえむ君自由詩7*06-8-19
送り火- Rin K自由詩27*06-8-18
ラヴなステーショナリー_その1- 恋月 ぴ ...自由詩20*06-8-18
夕やけ母さん- まほし短歌12*06-8-17

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