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雨の匂い
やわらかな思考
霞んだ記憶
眠い風景
もうじき雨が降る
遠くの山が白金に染まる
絡み合った雲との領線の
なんと美しいことか
その時モグラは変だと思いました。
目蓋をつたう涙を止める事が
出来無かったからです。
彼はその土を一生懸命に
生きがいをかけて
まっすぐに掘り進んだと
心の底から信じていたのでした ....
愛し方など忘れてしまった
僕は少しばかり
酔っ払ってしまった
君がもしも困っていても
僕はもう
笑って大丈夫だよなんて言えない
僕は君に何か伝えられただろうか
君はいつだって
....
夕暮れの 空を見上げて ただ一人
らららと唄えば ただ一人
お星さま 夕焼け空に ただ一つ
きらりと光れば ただ一つ
田の蛙 蜩の声 ただ一つ
いつの間にやら ただ一つ
いつの間にやら ただ一人
住んでいるアパートの階段で
小さな蜘蛛が巣を張っていた
それは何処にでもいる小さな蜘蛛で
だけれどもその姿は初めて見るほどに
頑なに黙々と同じ動きを繰り返し
{ルビ蜩=ひぐらし}の声 ....
泣きたいほど
貴方に伝えたい言葉が有ります
私ごときが
貴方に言えた義理では無いのですけれど
どうか笑って許して下さい
一歩前に進んで
貴方に声をかける
呼吸が
止まっ ....
そうさ
僕らは迷いすぎたんだ
取っ手の無い扉は
押せば簡単に
開くかも知れないじゃないか。
絶対感動
ときめきと
センチメンタルに
羽を広げて
たまに涙し
たまに笑うような
歴史に想いを馳せ
世界を救うとか
愛って何とか
生きるってすごいよねとか
死んでしまったらいいよね ....
振り返ると
通り過ぎるよりも早く
世界は移り変わっていく。
それはまるでメリーゴーランドの様に
それはまるで万華鏡の様に
瞬きを売るたびに
うつりげな恋の様に
世界は過ぎていく
....
君の心の中はとても青く深い海だから
僕は小さな潜水艦に乗って行こう
潜って初めて知ったよ
静かに見える海の中は
本当はとても様々で
速い流れも遅い流れもあるって事
だけれども大丈夫 ....
欲があること
人を羨むこと
にくしむこと
嬉しいと思うこと
悲しいと思うこと
楽しいと思うこと
怒りが湧くこと
恋をすること
愛を知ること
優しく出来ること
綺麗だと思うこと
....
お花の咲いた畑から
飛んできたのは白い蝶
夢の中まで飛んできて
私を好きかと訊ねてる
ほんとの事を言いますと
寄って来たのは帆立貝
私に懺悔を言ったって
海の泡には返れまい
足 ....
じいちゃんが夕涼みしてる
静かに 静かに 黙って 黙って
ぼんやりと煙草を吸いながら
縁側の無くなった都会の隅で
ガードレールに座って
車道を眺めながら
時折道端の排水溝辺りから
....
溶けて流れる苺ミルクの練乳の川
ピンクの苺のシャーベットに飾られた真っ赤な苺
そこに真っ白な練乳をかけると
まるで世界が生まれた時の様に地表を溶かし
大きな塊を動かす
これを見る子供の嬉 ....
雨音流れる窓辺には
おんもをじっと眺めてる
ぼうやの姿がいとおしく
ガラスの世界が閉じ込めた
人の想いが美しく。
雨音流れる窓辺には
涙のように帰らない
....