すべてのおすすめ
薄青色の透明な空に
白い大きな鯨の尻尾
鯨は自由で気まぐれだから
日が昇りきる頃にはもう
どこかの国に泳いで行くんだ
でも優しい鯨のことだから
また会いに来てくれるだろう
僕の吐いた煙を ....
やさしい ということばを
ほんとうに つかえているひとは
どのくらいいるのだろう

ふるえてる かたを そっと
だきよせる ことの むずかしさ
かすかな おとを たてることさえ
こわれて ....
血圧の
どのくらいが正常範囲かも知らないけれど
私の体温の
37度2分が微熱なことはわかる

もしかして
雨が降ってきた

ご飯を作る係り
掃除の係り
洗濯の係り
任務は遂行せよ ....
少女の小さな口がそれを求めると

恥ずかしげもなく身を開いた

それは若草を容赦なく踏むような音だ

それは若者の肩のような噛み応えだ

林檎には別の名を与えた方が良い
父は歩き続けた
角を曲がったところで左腕を失い
コンビニの前で右腕を失い
市営住宅の駐車場で両足を失った
やがてすべてを失い
最後は昨年まで歯科医院があった空地で
一輪の花になった
 ....
カタカナの色名

太陽は波に抱かれた宝石を研磨する

ほてった鱗は月光で冷ます

満月の夜には

珊瑚の産卵が始まる
チチカカ湖
チチカカ湖
チチカカ湖の畔
チチカカ湖を小舟で行く
小舟に波がぶつかると
小舟は揺れる
揺れる小舟に
チチカカ湖は歌う
チチカカ、チチカカ、チチカカと
一人の男が ....
駅を降りると
なつかしい高島屋のマークが出迎えて
僕のこころはすっかり
あの日歩いた川岸の街並に吸い込まれて

けれども
いくら探しながら歩いても
なつかしい雰囲気のするだけで ....
犬の耳がわたしを駄目にする
駄目になったわたしは
大きな桃になって歩く
途中遠回りして
家族に小さな菓子を買った
今日はかけっこで一等になった
娘は得意げに話してくれたが
何メートル走か ....
ジンジャーエイルでいいです
知ったかぶりして注文したら
それはどんな味がするのかな
一杯回してくれないかね

亡くなったお祖父さんに冷やかされた

お祖父さんは
お酒が好き ....
雪の真似事が得意だった叔父は
危ない、と言われていたのに
ある日原っぱのようなところで
なくなってしまった
話をする様子がいつも苦しそうだった
幼い私を見ても
たかいたかい、しか
 ....
イカシテるよ
最高だよ

幾らした
何分かかった

イケテルって
言うのか

そうか
これからは
なるべくそう言うよ

綺麗な顔だな
傷一つない
ずいぶん器用に
ここま ....
寂しい亡骸を一人抱いて

浜辺を歩いて一回忌

君よりも一つ多くの夏を知り

君のいない夏をまた一つ多く知った
出張先のビジネスホテル、その非常口からこっそり抜け出した。
ドアがしまらないように工夫しておくのはもちろん、さりげない変装も完璧だ。
新幹線で1時間、家に戻りこっそり中へと入る。妻はシャワーを浴び ....
退屈なボサノバを漂わせて
引き寄せるダイエットコーラ
夜に取り残された部屋で
キチンドリンカーになる訳にはね、なんて
うそぶく わたしは
右党なこども

あなたの世界はきんいろなのに、
 ....
プッチンプリンを 『プッチン』する余裕が欲しい

合理性なんて考えずに
空気穴開けて 白い大きなお皿の真ん中
カラメルを上にして スプーンですくう

そんな余裕が欲しい

そう 明日な ....
 



 遺伝子マップを左手に、ぼくの好きな笑顔を
見せていたチブラさんの右手に、今、全遺伝子
配列図が握られている。笑顔を捨ててそれに埋
もれていくのか、それともくしゃくしゃにして ....
「ようこそ」
「君の顔の前に浮かんでいるのは何?」
「ガラスだよ」
「いま左手でガラスの右のほうを
 右手で左のほうを引っ掻いたね
 でも何も音がしなかったし
 ついた ....
急に上になど行けない
水は常に低い方へと流れる
上に行くことを望むものは
誰でも一度は澱まねばならない


それが嫌なら
   瀧のように落ちよ
   氷のようにと ....
空を飛ぶことを夢見て
ニワトリ、ペンギン、ダチョウたちは
スキージャンプに挑戦する
「スズメ達が見てきた景色と同じものを見られるだろうか」と
高く高く飛ぶ

陽気なオウム、九官鳥たちは
 ....
醤油が
涙の味に思えて
よく考えたらそれは
だしつゆで
涙には
だしがきいているのだと
気がついたわけだ


だしつゆかけて
菜の花を茹でて食べた

しばらく泣いていないので
 ....
それはあらゆる菌の成長を
促すだけ促しておいて
後で殺すための
湿ったせかい

何か作用している
眼に見えない
空気中の
地中の
水中の

死ぬか生きるか迫られたら
他の事なん ....
たなびくそらの彼方から
沈黙する
よるだね
ぼくたち
詩人も
涙を流して
沈黙するよるだね


ねえ
また見えない戦争がはじまるね
やわらかな影が
いくつも射殺されてくね
ぼ ....
そしてあなたは走るのでしょう

今日の扉を次々と開いて

明日へ逃げる光を追いかけるのでしょう

わたしは 息吹き

わたしは 芽生え

あなたが扉に手をかけた瞬間、指先で静かに光 ....
近日中に,小説を書き始めようと思っています。
構想だけはずっとあってなかなか文字になりません。
きままに何回かに分けて,この場に載せたいと思います。
偶然これを見てくださった方々,読んでくださる ....
キャベツの葉っぱの間に挟まって
寝てるから
用があるなら
モンシロチョウに訊いて

なんとなく
そこなら
よく眠れて
いい夢が見られそうだし

人間はもう
いいわ
軽いけど水み ....
大きいおっぱいは
肩が凝ってたいへんだと思う
かわいいブラもないし
服を選ぶのもたいへんだし
そのうえ
男たちの好奇な
視線に晒され
見詰められるたびに
何か別のものが
磨り減ってい ....
その夜

父さんは

逝ってしまった



定年を経て

益々元気だった
 
朝から家の庭先



玄関へと
 ....
105円で
たいていのものをそろえられる

紫色の穴あけパンチだって買える
うれしい

相談者はほしいけど
この歳で
「お友達」なんていらない

そうでしょう?
ダーリン。

 ....
夜道に影ができて
月が出ていることに気づく
私が見ている月
月も
私を見ていた

気がした
哀しい
哀しい気がしているだけ
疲れた
それは気のせいじゃないけど

自分のために
 ....
佐野権太さんの未詩・独白おすすめリスト(289)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空には大きな鯨が泳ぐ- プル式未詩・独白6*06-6-20
泣きそうと思うとすでに溢れてる_夕立のヒト_愛するヒト- mina未詩・独白706-6-19
しょうねんば- 蒼木りん未詩・独白306-6-19
林檎- 曠野未詩・独白206-6-18
父の日- たもつ未詩・独白16*06-6-18
熱帯魚- 曠野未詩・独白406-6-17
チチカカ湖- あおば未詩・独白7*06-6-17
ふたごパラドックス- AB(な ...未詩・独白306-6-15
境目- たもつ未詩・独白8*06-6-13
雨にさらわれたあしたへ- あおば未詩・独白18*06-6-8
たかいたかい- たもつ未詩・独白6*06-6-6
無題- よーかん未詩・独白3*06-6-1
ドギー- 完食未詩・独白506-5-25
寓話_不可解な死_44- クリ未詩・独白406-5-25
きんいろ- かや未詩・独白2*06-5-25
プッチンプリン- 水風-mizuk ...未詩・独白1*06-5-25
あたらしい武器- AB(な ...未詩・独白206-5-24
気がかりな会話- 木立 悟未詩・独白306-5-24
ノート(33Y.3・19)- 木立 悟未詩・独白106-5-24
鳥のオリンピック- 壺内モモ ...未詩・独白7*06-5-23
だし- 蒼木りん未詩・独白406-5-22
なめ- 蒼木りん未詩・独白206-5-18
よるの果てまで- 青色銀河 ...未詩・独白606-5-17
未完詩- まほし未詩・独白10*06-5-17
ただの告知ですが…- 和歌こゆ ...未詩・独白3+*06-5-17
つゆ- 蒼木りん未詩・独白406-5-17
おっぱい- いとう未詩・独白906-5-16
【_父さんの氷_】- 豊嶋祐匠未詩・独白3*06-5-14
そんな誤解- 蒼木りん未詩・独白206-5-13
- 蒼木りん未詩・独白406-5-12

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