のんだぶんだけ
はきながら たがいの
さまつな ちがいを
ののしりあった おれたちの
ふれんどしっぷ に  
ひろって 交番に
届けてくれた お礼にと
そのひとは せつなく
あまい 夏の思い出の
残り香を わけてくれた
いしを ひろって
とおくまで はこぶ
きみの ぼくのための
ほほえみを ひらくと
かなしみまで とどく
たくさんの 約束をしたけど
どうやら この生涯では
ぜんぶ 果たせそうにないから
生まれかわっても また邂逅する
約束を つけくわえておく
だいじな あやまちを
わすれないように
おしたら すぐ
いたみを おもいだす
ぼたんを ひたいにつける
水ぎわに立って
砂を吐いている
ひき潮が それを
はこびつづけて 沖に
孤島をつくる
青いやろ。
口ヒゲ青いやろ。
気分悪くはないよ。
そりゃ良くもないけど。


青いやろ。
男色やないよ。
それは違うわ。
それは失礼やわ。
男色の人にも。


青いやろ。
 ....
ゾウが支える世界の右で
小さく小さく座り込む

静かに赤い太陽が
ゾウが支える地面の下に
ゆっくりゆっくり、潜ってく

ゾウが支える世界の右で
夕日と虚無を眺めます


 ....
木陰に砂糖菓子のような
駅をつくって
少女は列車を待ってる

関連づけられるものと
関連づけられないものとが
交互に、時には順序をかえて
やってくる
皮膚に触れば
それは風のことだと ....
6月が
綺麗に敷き詰めた玉石を

7月は
蹴散らして突き進んで

8月が
全て壊すから

6月は
悲しみに身を投げて

9月に
生まれ変わって

また
繰り返して

 ....
切れ端
オレンジ

カーテンから半分の太陽
ゆっくりとぬるい水を飲む

翻って
絨毯は平行四辺形の窓を作る

風はくもり

今日を伸びる
今日も
春雨サラダを作る君
窓の外では
春雨が降る

ベランダでは猫が鳴き
誰かを招き入れている
泣き声が少し気になるよ

僕は君と猫を見ながら
ギターを弾いている
 ....
 海だ





群青の腕で絡めとられた僕の右足は
ゆっくりと沈む

息はもう随分前からできなくなっていた気がする
でも、
このしばらく使わなくなっている口からは相変 ....
幕をおろして 劇をはじめる
中枢神経に 花がさくとき
ほんのわずか きみの頬をそめる
熱量が欲しくて まいばん
星の軌道を めぐってくる
おもいでは
ひとりでは
つくれないから
かみさまには
おもいでがない
いつか 見たことのある
風景ばかりだ ひとは謙虚に歴史を
学ばなければならぬ はじめから
螺旋をたどるのは いくつ 
いのちが あっても足りぬ
時計だけを気にしながら
回るステージの上で
炎天下

ゴム鉄砲だけが
音もなく弾ける

しばらく
しばらく

知らぬ間に
明日は忍び寄る

どうやら今日は
昨日で
明日は ....
 
 
沢山 沢山
愛でた花は
 
いつの間にか
僕の身長よりも
伸び て
 
初めて買った
赤いガーベラのように
僕の右眼は紅くなった
 
 
細かな艶やかさを
「綺麗 ....
水を零さないように、下を向かない夜に。

地図を失くさないないように、下を見れない夜に。




夜のはお空は、海の満ち引き、月の距離、
きっと。
今夜は晴れますように、月があが ....
じぶんを さがして
いるんじゃ ないんだ
世界との愛憎の 発熱する
断層に さわりたい
だけなんだ 舌で
わたしが わたしを
ぬける いたみもなく
まだ ことばが
あつい いや もう 
くさりはじめた さかいを
境界に ぬぎすてた 皮膚と肉を
まいあさ まとう直前 わたしの
あばら骨のすきまに 火を
ともして くれているのは
誰だろう
鯉が吊るされた
教会の屋根に
虹は鱗を落とす
七色ではなく十二色の
クレヨンじみた

ツタはいつまでも
少女を縛り付けて
泡を吹いた口から
鯉が生まれるので吊るされる

正常な幽 ....
わさびが
目にしみた
とばかり
思っていたら
あなたは
ほんとうに
泣いていたのだった
このあいだのこと
ごめん
とあやまると
わさびが
目にしみただけよ
と言うあなたが
目 ....
夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
ビルばかりの 街にいると
遠くへの まなざしを
忘れてしまう きみの
心ではなく 顔ばかり
みつめて ごめん 
この夜に砂糖とミルク少々を入れて
掻き混ぜて飲み干すんだ
――君 何処へ行きたいか云ってくれ給え
ラズベリィの憂愁に
しなやかさの極みの鋭さを閃かせ
僕らを駆動する
僕らが駆動する
{ル ....
 
静かな言葉に騙されて
武器を売り続けた

いくつもの春を泳ぎ
疲れれば
もの言わぬ記号に似ていた

河口に人の死体が流れてくる
知らない人ばかりだった

知っていたとしても
 ....
ずいぶん
魚らしく
なってきたね

キラキラ
泳いでいるね

みんな早く
大きくなってね

でも
そうなると

またお池が
ふえてしまうね
先生僕の足が遅いのは
決して母親のせいじゃありません

先生僕の為に学級会をひらいても
僕はうれしくありません

先生僕の机にこっそりと
三角定規はいりません

先生僕は決して
悲 ....
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