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無数の昨日を数えながら
この部屋はまた心を殺すのでしょう
抗えないものがあることを知った
見飽きた静寂の彼方に
戸惑いの群集の群れ
その対岸に向けてのクロール
悪魔に尻尾を掴まれたまま ....
何がプレミアムなのかも分からずに
モルツを口に運びます
くだらない形容詞が世の中に溢れて
肝心なことが言えずに今日も終わる
たった五文字の言葉の中にも
行間が絶え間なく滑り込んで
最後 ....
あなたがいないことが普通だった日
あなたがいることが特別だった日
あなたがいることが普通だった日
あなたがいないことが特別だった日
それはきっと嵐の夜で
鈍色の雨に混じって
空が降っている
寒いね寒いねって言いながら
冷たい体を寄せ合って
天井の無い朝を迎える
硬くなったパンを分け合って
薄いコーヒーを ....
私はあなたが不安です
あなたが不安だと言っても
あなたを信じていないとか
そういうわけでは決してないのです
私は私が不安なのかもしれないですね
私は私を疑っているのでしょうか
....
途切れた旋律
耳を塞ぐ
暗闇の中
声もなく君を呼ぶ
反響する残像
離された手は
鮮血を欲す
あてがわれた切っ先
鈍色に光る月
反射する斜面
饒舌な沈黙
額に飾 ....
彼女は宇宙人のような人だった
首は猟銃の柄みたいに長く
顔はこぶしサイズの小ささで
手足はビョンと伸びていた
ウイダーインゼリーを実に美味しそうに飲みながら
私がイトーヨーカド ....
美しが丘5丁目の
Y中学校脇の坂道の頂上で
朝日を、夕焼けを、月を、
もう10何年も眺め続けた
朝日は時に足取りを重くし
夕焼けは時に涙を流させ
月は時に孤独を連れてきた
それでも今日も ....
1月20日、早生まれ
フリーダイヤルの誕生日
だからいつでも遠慮せず
僕に電話しておいで
ただ誠に残念なことながら
毎月中旬あたりには
あなたのもとに
請求書という名の
ラブレターが届 ....
俺のスペアが要らないように
お前のスペアも必要はない
あなたが生きているというだけで
泣くことはもうやめました
君は私の殺し方をよく心得ていて
いつもその手口で私をやるんだ
私はいつしかそれに快感を覚え始め
今ではうっとりと目を閉じて受け入れる
君がまるで半狂乱の夜には
それはたまに痛み ....
真夏の熱にうかされた人々が
都会のビル群の合間を闊歩する
私はひと時の避暑地を求めて
まるで逃げるように彷徨い歩く一匹の蟻
日が暮れても
太陽に照らされ続けたアスファルトは
....
祖父は戦争で韓国から強制徴用され
月も眠る夜に専制君主の目を盗み
田舎の山奥の炭鉱を逃げ出した
今は亡き祖父の苦労は想像することも出来ないが
ある頃に祖国の弟にトラクターを贈ったらしい
....
にじんでいく景色の中で
伝えられなかったものは
今はもう思い出せないまま
ただ虚空を見つめて漂っている
生活に背中を押されて
青い空も忘れたまま
虚飾にまみれた毎日に
嘘なんてないは ....
私の目の前に広がるのは
どこまでも続く
絶望という名の砂漠
全てをさらい飲み込んでいく
変わらない物など何一つなく
全ては私を裏切って消えていく
私はただ死に場所を求め
彷徨い続ける ....
こうして私は
詩なんて書いてはいるけれど
本当のところ
言葉なんてちっとも信じていないのです
全てを書いたと思ったその瞬間から
何も書けていないことに気付き始める
どんな言葉でノート ....
君は僕を
まだ待たせる気なんだね
今まで20年も待っていたのに
更にあと30分も