春の病
快晴

無数の昨日を数えながら
この部屋はまた心を殺すのでしょう
抗えないものがあることを知った
見飽きた静寂の彼方に

戸惑いの群集の群れ
その対岸に向けてのクロール
悪魔に尻尾を掴まれたまま
また嘘を敷き詰めていく

差出人不明の藍色の手紙は
かつての未来を予言する
このあたりに山羊はいません
濡れた瞳がとても、綺麗

決して開かれることのないドア
伝えたいものなど本当は無かった
ただその左手を握り締めたくて
こうしてナイフを研ぐのです


自由詩 春の病 Copyright 快晴 2008-01-02 22:10:34
notebook Home 戻る