すべてのおすすめ
二年前にコップを地面にたたきつけた
この左手と
昨日捨て犬みたいな顔をしたおっさんを撫でた
この心を
燃えるような恋に溺れ、もがいた
この右手を添えて
みみっち ....
きっとめをつむっているうちに
文字はしずかに
みみのよこを抜けて
みずうみのように
空の低い
やさしい墓地のように
まっさらにひろがってゆく だろう
とうめいなかいだんが ....
つまらない話をしよう
結婚ということ
子どもを産み育てるということ
もう少し大人になってから
決断すればよかったのかもしれない
いずれの時にも
後ろ髪引かれる気がし ....
すこし開いた雨戸の隙間
赤い閃光
もうこんな時間だった
のか
布団の上を横切る
夕陽の直線
狭い
うす暗い部屋だから
よけいさみしく
赤 にじんで
世界とのつながりは
....
運河の方へと枝を伸ばす木の下に居ます
十五分の休憩時間に会社を抜け出して
頭の中で君に手紙を書いています
目の前には誰も乗っていない船が少しだけ揺らいでいます
今日はとても風が強くてそのせ ....
漆黒と名のつく夜に もうひとつ
名前をつけるとしたなら
僕なら 愛と名づけるかもしれない
寂しい顔も 苦しい顔も 泣き顔も
暗い この{ルビ時間=トキ}なら
自分だけのものに できるもの ....
空がまだ青かった頃
王国は細く
鉄塔がその役目を終えてなお
行くあてなく錆びていくように
東の空から鳥たちがやってきて
羽を休める場所を見つけられない
王国は
気づかれずに
そのよ ....
小 に
瓶 う
は よ
た の
....
続いてほほえましいニュースです
今日、O市P区Aヶ丘のI幼稚園へ
サンタクロースがおっぱいのプレゼントにやってきました
一人一人におっぱいが手渡されると、園児たちは大喜びで
かけまわったり、重 ....
図書館は人もまばらでコツコツと靴音の方が気になる程の静けさだった。
特に目当ての本を探しに来たわけではなかったが気が付けば一時間もそこにいた。
腰のあたりの高さの棚に顔を近づけしゃがみ込んだま ....
うちの親父。
親父のまくらは、マイルドセブンの薫りがする
最近は、薄くなってきた
俺とおなじで、数学ができない。
ただひとつ違う点は、意欲があるかないかってこと
洗剤会社 ....
青空の向こうにあるのは、消え損ねた星のがらくた達だ
今日はとてもいい天気だった。
空は青く澄み渡り、雲1つなく、風は穏やかに吹いていた。
あそこやここに、風の塊が落ちてい ....
ボクたちは 結ばれちゃいけなかった
そうね あたしたちは結ばれちゃいけなかった
彼の名前は 鰻 太郎
彼女の名前は 梅干 花子
互いの 運命に 気が付いたのは
胃の ....
何気ない会話で
笑う
マスクにかくれた
君の顔の
半分が
紅く染まると
なんだか
勝った気分になるぞ
折れてはじけた針の先
小さく鋭い小さな痛み
難しい言葉なんてほしくない
せめて 恋の証として
ただ一つ残された瞬間の
君の末梢を
いつでも
思い出せるように
猫はネズミを捕る
と決まっているわけでもないだろうに
きみときたらネズミをくわえて
クリスマスには早いわたしの枕元
スズメの時もあれば
夏にはカエルだったね
食べる為ではなさそうだけど
....
子供のころ
父さんの行きつけの床屋さんで
髪を切ってもらっていた
そこのおばちゃんは私の髪を梳かしながら
「○○ちゃんの髪はほんと硬いね〜、櫛が折れちゃうわ」 って笑うから
いつも ....
夕陽の色を集めれば
溶かせたでしょうか
旅行く雲に焦点を結べば
胸に焼き付くでしょうか
風に吹かれる風車も
いつか飛ぼうとするように
いつまでも見つめているだけでは ....
立ち去った形跡を残すためなのか
かんだ鼻紙を一つ置いていくのはよしておくれよ
今日これで2度目だよ
道に迷わないためとは考えられない
だって家の中に一粒ずつ鼻紙が
ち ....
雪が降って 真っ白になった。今年は 暖かな冬だといいのになぁ.。
いつもより遅い訪れ 根雪にはならなかった今日の日に ほっとするのは
わたしだけなのかな?
過ぎて行く日々に 寒さも 厳しさも迎え ....
前回の、視覚詩のお勉強の続きです。
○北園克衛の視覚詩
北園克衛は日本の視覚詩の先駆者で、ヨーロッパなどで視覚詩がさかんになったのと同じ時期に
(またはもっと前?北園克衛主催のモダニズム ....
おっぱいの先の
乳首は不思議だ
「乳首を見くびって」というフレーズを
産んだ男はスケベだ
いや、すべての男が
おっぱいばんざい!
ふくらみを持つ
女は不思議だ
ふくらみの先の
乳 ....
じいちゃんが火葬された
あっけなかった
歪んだ炎の真っ赤な色や
煙がひたすら立ち上るところを
なんだかわからないけど想像していた
けれど実際は
でっかい鉄筋の建物の中で
僕が親戚 ....
信じるものは
必ず裏切る
その
摂理を許しながら
壊れたものは
壊れたまま流される
暗闇が
暗闇のまま発光するように
欠けたものは
その空虚を慈しむ
欠落は甘い
それを知るも ....
知っているのですか
あなたと
わたしが
手を合わせる
その意味を
つなぐ、と
つながれる、の
隔たりをあなたは
まるで何も
知らないかのように
この寂しさを
知ってくださ ....
ただ
ハコベの花のように
ひそやかな 誇りをもって
ただ
ハコベの茎のように
地を這う たくましさをもって
ただ
ハコベの葉のように
しんしんと いのちをもって
本日 ....
死ぬときはひとりでいたい
本当にひとりで
見守るものもなく
見捨てるものもなく
星が
星の瞬きが
気づかれないうちに黒く
黒く輝くように
かなしいとか
なみだとか
そんなも ....
『頑張れ』は
嫌われる言葉となって久しい
わたしは情けない人間である故
毎朝『頑張れ、頑張れ、頑張れ、、』とつぶやく
情けなくても
まだ生きなければならない
また
おいしいも ....
第1章 『世界にひとつだけのラムチョップ』
とあるところに、とてもとてもラムチョップが盛んに食されている村があった
ラムチョップ畑、ラムチョップの滝、ラムチョップショッピングモール。
とにか ....
枕のなかに棲む魚が
ゆうるりとからだを波打たせている
何の音もたてることなく
ただ端から端へと動いている
わたしは魚が静まるのを待ち
左向きに頭をのせる
魚はい ....
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