秋の夕暮れに
夕日がふたつ
赤く熟した
太陽と
柿の実と
風に揺られて
見分けがついた
飽きてしまった
褒めるのにも
褒められるのにも
飽きてしまった
幸せにするのにも
してもらうのにも
深度たった20メートルの
海の中から見上げた太陽は
とても美しくて
けれど ....
夢をみた
闇から明けた事実を感じさせないほどの朝日の中で
夢をみた
夜の幕がおりたことに気づかなかった闇の中で
ぺたりと座りこんだままのわたし
夢と現実の{ルビ間=はざま}をうつ ....
青いものばかりあつめた僕達の歓声あおく響いた校舎
青色が好きな僕らは青色に好かれてもいる たとえば空の
上履きを脱いで廊下も授業中 ひたひた音楽ひんやり化学
教室で停電お ....
眩しさの中にいるとは知らぬ頃 ひかる手足を隠そうとした
境界は線ではなくてざらついた手触りだった 校舎みたいな
放されて時間通りに戻るのは別に躾の成果じゃないんだ
夕暮れ ....
目の前に浮かぶ空気の穴に
全身を押し込むようにして消えてゆく
たくさんの鉄の踊り子たち
かすかにふるえるゆがみを残して
上から見下ろす地球はどんな感じでしょうか?
最初は見上げてた大人たちを
見下ろして、
ビルの屋上を眺めて、
住んでる街を見下ろして。
生まれてきてから20年。
20段上ってきたから ....
詰まらない話聞いて 面白くないのに笑った
明日もまたこうして 二人で並んで腰掛けて
薄汚いもののかたち 人差し指でなぞり直す
つれて歩いてるのは 空まわる衝動と臆病な あたしの影
黄色い鉛 ....
鳴らせない4弦は錆びて擦り切れた
あぁそうだ
きらりきらりと胡散臭さが君から
信じよう
信じたい?
寝起きに鈍痛を感じた猫は2度と眠ることはなかった
嘘吐きの指先をチョコレートが舐 ....
草で造ったリングはめたら 通りかかるフェアリーの歌聴けるよ ぱっと現れ目まぐるしいよ 急いでるならなおさら ....
深海に響くサイレン 旋律のようなうねりはやがて波へと
呼吸ひとつ躊躇うほどの静寂に抱かれて眠る幼い嵐
海水に混ざれぬ雨が沈みゆく マリン・スノーの一粒として
なにもかも蒼 ....
あの頃、君に告げられなかったことを今
***
ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ
ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
ふうせんのうちがわに
わたし とかいた
そとがわに
ゆめ とかいた
おおきくふくらませて
くちをしばると
そらへまいあがることも
じめんにおりることもできずに
ころころ
あたりを ....
みんなヤサシイ
わたしにヤサシイ
タイリョウノオクスリ飲む
飲まれるタイリョウノオクスリ
サヨナラ今日こそサヨナラ
元気が出るとリストカット
ご飯を食べれば
オネーサン指とオニーサン指が ....
チョコレート色の秋が
わたしを呼んでる
甘い香りの空
あなたのような夢
やわらかな光
チョコレート色に焦がして
溶けそうな心の音に
そっと
....
帰り道は
昼の天気予報どおりに
激しい雨
ふと視界に咲いた銀色の傘を求めた
縁取り、白
フレームは銀
それを広げて歩くのが
今日の雨にはふさわしく思えて
....
真っ黒焦げの夜の真ん中に立ち尽くして
おれは一本の棒みたいになって
真っ直ぐに電波を受信する
世界のどこかにある高い塔のてっぺんで
一匹の猿がヘブライ語で愛を囁いていて
それが24時間発 ....
花ことば常に前進ガーベラよ
夏の花だとおまえの笑う
すれ違う風の香りの優しさは
コンマ二秒心留まり
夕闇に街のネオン瞬いて
....
彼女は振り向いた
おかしな顔をして
僕は何も言えず
苦笑いをした
愛することなんて星の形のようにうまくひっつかないんだ
いくら輝いていようとも
いくら見えていても
僕はうつむいた ....
東京という大都会を目指して
悲しみに彩られる列車に乗り込んだ
車窓の外は漆黒の闇
隣の空いた席が反射して見えた
夢に向かって走った僕は
代償に君から引き離された
それは試練
神様が与 ....
熱に浮かされた熱い体を持て余している
脳はもう溶けてしまったに違いない
そうでなければ
ぼやけた視界に誰も映ることが出来ない
助けてほしくて泣いてみた
この体に有り余るほどの痛みを吐き出 ....
口紅がはがれた後のりんご飴 確信犯のうつくしいきみ
こんなにも渇いていたと知らされる 始めのひとくち貪る夕べ
日に焼かれ濃縮された僕達を還元しては味見する海
やわらか ....
夕立が無色透明装って世界の色を塗りかえていく
夏草で作りし花冠捧げればいろどり添える幼い香り
真夏にしか開かない扉見つけ出す触角のばせ跳ねる子供ら
縁側で午睡のさなか風鈴 ....
午前10時の光が
この星の
この国の
この街角の
小さな女の子を照らしています。
午前10時の風が
この星の
この空の下の
このおもちゃ屋さんの
....
てとらぽっとは海につながれて
夕日が燃えて琥珀に変わるのを
見ていた
さよなら
さよなら
さよなら
夏
駆け足で過ぎようとしている夏の
スカートの裾 ....
恥ずかしい
忘れていたなんて
どうかしてる
生まれたこと
何枚も空の写真を撮り続け
違う空だと君は言うけど
光アレルギー
シンメトリー標準的にうつ
常に、こぼれ落ちる血液のように
害虫が
熱風に舞い、撹拌され
私たちの肉体に被弾し続ける日常には
何の特徴も見られなかった。
それは完全に ....
まっすぐ
は
横からの風圧で
....
恋を知り少女がひとり懐かしむ灰をかぶった安寧の日々
階段の踊り場の恋は吊り橋の上の恋よりまことしやかに
12時で魔法は解けて ここからは本気であなたを落としにかかる
ラン ....
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