いまはただ
雨が降り
石にしみるまま
あけないおくで翳のかたちを追っている
ひがしの空だけが
ゆるやかに
くちびるをひらき
すきまから虹彩をのぞむ
わたしは
まるい眠りを
かきわけ ....
テーブルの上に何かを忘れてきてしまった
いったい何を忘れてきたのだろう

それは大きなもの
ではなかった
かといって小さなもの
でもなかった
賞味期限が切れそうなもの
でもなく
 ....
「ずっと恋人でいましょう」
と言って 結婚をしました
結婚をして15年
ずっと敬語を使っていますね

「待たせました」
「出来ていますか」
が好きです

ついに私達の娘は
ロングス ....
1 バス待ち


陽だまりの停留所に
車椅子の老人


声かけようか
たとえば
今日もお陽さん輝いていますね
でもすぐそこには冬将軍で
そのブランケットは暖かそうですね
サング ....
 ☆北園克衛「花」の場合




雨の音とともに
黄梅が匂ってきた

風さへつのり
夜がふけていった

ひとり
詩集をひらき

友の詩を
すこし読み

菫さく野をおも ....
(オモハユイアサダネ)
(オモハユイソウカモシレナイネ)
(ホントニソウオモッテル?ナンカイツモテキトウナンダネ)


本当に「面映い」と思っていたあの頃に
遠くを見ていた朝朱に
出会え ....
愛飢え
丘聞く

濃さ
死す背育ちつ
手となりぬ根の
這ひ
増へ




母屋
射ゆ
獲よ
羽を
 Fiorinaさんや原口くんや山田さんの後塵を拝するつもりは全然なかったのだが、たまたま私事が一段落して現代詩フォーラムに来てみたら、みなさま方の力作がありました。
 Fiorinaさんは「批評」 ....
これからよろしくね。ごめんなさい。
きみのめのうえのくま、からあやまる。
からから音の立つ乾いた地面と笑い声。

まってたよ。まってなかった。
直立した定義から何を盗んだのか
は知らない。 ....
初めて聞いた詩は

緑の麻スカート
白い足
私を小脇に抱えた母の

「ほんとに愛してるんだけどねぇ」


今残ってるのは、縁側だけです
装いする君
を想う

春待つ君の

「ほら,あれ」
と,指差す
「あそこ,少し透明でしょ」
僕にはわからない
言われてみれば,そこだけ,雲が少し動いたような

そこに既に冬がいる ....
 ☆佐藤惣之助「燃ゆる町」の場合






 この作品は彼の第2詩集「狂へる歌」のなかの1篇です。

 見よ、冬の強い夜明けを
 彼女はとび起きた

 これが出だしの2行。「 ....
おもちゃ-陽炎-アオミドロ。一歩一歩に単語がまとわりつく。kusi-nagi-to-zen.(四歩)人々の発する言葉が混ざりあい浮遊し彷徨う精神を啓示する。オープンカフェでオープンヒューマンがオープン ....  何日歩いたか分からなかったが
 見渡す限りはサバンナで
 振り返るとビル郡が
 しかし小山ほどの連なりで見えたが
 向かっているほうは真っ白に地平だった

 喋るのが億劫だったからっ ....
アンモナイトを食べたら
夜目が利くものだと思っていた
嵐が近くなればなるほど
私は理科室が怖くなって
階段をスロープした
スロープした

スロープした



手順を間違えて私は嵐 ....
ルルリエ
文鳥はいらないと言った

ルルリエ
いつものど飴をくれた

ルルリエ
撮った写真は壁に貼ってて

ルルリエ
浴槽に潜って笑ってた

ルルリエ
ルルリエ

ルルリ ....
一本のラインが羊を造形する、その工程は普遍化の道程を離れ手工
業の未分化へと進んでいる。進むことは進歩ではない。進むことは
退化ではない。多様化と呼ばれる分岐信仰がラインを圧迫するポイ
ント ....
銀すじに沿って 
豆腐の上を歩くように
ゆっくりと足を進めた
バスに乗ってもよかったけれど
ひさしぶりに
以前のアダナに帰る

徐々に慣らしていこう
イオウ温泉につかるときのように
 ....
遠くを見るよ
とおくをみるよ
岩に開いた小さな窓から
とおくをみるよ

涙は軽石の窓枠に
音も立てずにすいこまれてゆく
誰か
小さな梯子でここまで
登ってきて
ザラザラに負けないで ....
濡れズボンが風にそよいでいる
明日ごろまで生きていれば
多分それを穿くわたし
ねえ
あそこに流れていくものを
いつから雲だと知ったの
「石になる」
とは 聞いていたけれど今
あなたを探すと
胸が 林檎になります
有名かもしれませんが

http://www.bananawani.org/guzen/
柱に 「ゆるぎなくなりたい」
とかかれていたので
指でなぞっていると
重信房子みたいな髪の人が 近づいてきた
きっと この人がかいたのだ と思ったけれど 言わない
彼女が 砂の芽を ずっと指 ....
書く端から
言葉がもろい陶器になって
ぱりんぱりん割れていくので
どんなに壁にしがみついても
もう書けないのです
コンクリートは湿ったにおい
かび臭い指先から滴るインクでは記号にならない
 ....
nm6さんの「公園」に対する感想に呼応します。
nm6さんの感想:
  みんないなくなった後、また縄跳びを再開する女の子が浮かびました

呼応:
また何かを割りたいと思い
探しながら 跳ぶ ....
あきらさんの問いかけ
{引用=
作詩は若葉マークの身の上ですので、これから書いていくにあたり、技術上の約束事や注意点などについて知りたいのです。
現代詩も ただ自由に書くというわけにはいきません ....
ほんとにあなたに会いたくて
阿佐ヶ谷とアムステルダムが 草続きだったら
走って行きたい と思います

足をとられるのは
たんぽぽのつるではなく
カマキリの白い糸で
血が流れると
あなた ....
川の向こう岸にあなたがいて
手のひらにちょうど収まる薄っぺらい石を
丁寧に丁寧に磨いています
わたしは何度も手を振りながら
早くこちらへ投げてよこしてと
大声で叫びます
そのたびあなた ....
赤い糸に 用はないけれど
犬の耳が とんがりすぎなので
爪を囲む
  ☆村野四郎「体操詩集」の場合




 次の詩を読み設問に答えなさい。

花のように雲たちの衣裳がひらく/水の反射が/あなたの裸体に縞をつける/あなたは遂に飛びだした/筋肉の翅で/日 ....
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