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重なりつづける眠りの底に
かすかに生まれ
浮かぶ手のひら


目をつむり 在るのは
無いということ
分からぬくらいに 
離れていること


隠しても隠しても
は ....
灰の混じる手で
顔を洗う
灰は髪になる
灰は語る


火が残り
背を照らし
髪の影を燃し
ひとりを浮かべる


月を連れ 別れる
赤い光が 鉄路を去る
隣を歩む ....
外へ飛びたち
かけらを食べた
光になれない
鳥は何になる



次の虫がもう
鳴きはじめた
小さな背の原

熱ではないもの
葉をひるがえす
さよならを解く

 ....
水に挿されたくちばしが
海を海へ引き寄せている
己れの舞を舞うものにあふれる


帳も 色も
響きを奪われ
なお鳴り響く


ひきちぎられた
半分に満たない
紙と鉛 ....
空に埋もれた巨きな鳥を
指でたたいて確かめる音
少し傾いだ雨になる


片足を尾のように動かして
屋根の音を追っている
何もない日の生きものの笛


水のなかで抱く ....
午後の手を夜にするもの流れ落ち月と灯の影ふちどる熱さ



羽のうた夜と火のうた見張るよに双子のはざまを埋める海鳥



のばされた指の遠さに星は消え波をつらぬく矢は燃え上 ....
短く撓んだ橋があり
歩いても歩いても
向こう側につかない
ひとつの巨きな魚の影が
川底の蒼い建物に落ち
頭でもあり尾でもある尾が
無数の泡の影を束ねている



吼え声 ....
火と花と手
小さな胸
火は花は手


風と声が水になり
窓の外を流れている
音の影は 鳥に分かれる


古い息が聞こえくる
指に触れて 景は走る
何かから逃れようと振り ....
らうあ らうあ
翳りの帆
道を泳ぐ道を読む


悲しさになると
消える悲しさ
空と水をつなぐ坂


そばだてた耳が唱になり
影を踏まない影の足もと
ほころびをひとつ ....
雨と晴れをくりかえし
建物はまた高くなる
いつのまにか空は細く
うたは縦に縦に流れ
震えと響きははざまを覆い
異なる風の種が降る
いつか道の涙から
小さくひらくかたちが現われ ....
三度に分けて呑み干す光
その日かぎりの地図にこぼれ
街はひとつ低くなる
空き地は碧くたなびいてゆく


わずかに曇った風が吹き
ふところに涼しく正座している
頬を染め 空を ....
内に外に転がる音の
離れてもなお近しい音の
ふさふさとした
柔毛の音の


遠さは鼻先のまま香り
同じ色の大きさに降り
布をくぐる
まぶしい輪唱


ある日どこかで ....
目を閉じ
骨を確かめる
歯のかたち
牙のかたちを確かめる


地平線まで
指はのびる
ひらいた骨が
永さを失くした海を奏でる


あらゆる証書が
毛虫のようにうご ....
雨がひらき
匂いは昇る
あたたかく 甘く
光になる


白い歯車
心をまわし
雲の映らぬ涙になる


手のひらの空に繰りかえし
現われては消え 叫ぶもの
二分きざ ....
双つの雨音を右目にもどし
煙を数えて夜は明ける
みな何かをすぎてゆく
みな何かを置いてゆく


欠けた娘を肩にのせる
鏡の向きがいつもと違う
欠けた娘を肩にのせる


 ....
夜はせばまり
夜はひろがる
粒と浮かぶかたちと唱と
妨げを泳ぐ轟きと尾と


波の終わりとはじまりに
砂の言葉と花火があがる
水からひろいあつめた羽と
貝のかたさの音のつ ....
すれちがいたち
ひびきたち
ある日ふたたび
はじまるものたち


雨のなかの火
海辺の火
生きものに囲まれ
朝の霧を燃す


髪の毛から見える
耳の応え
ひらい ....
重い足
その先の
風すぎる風



打ち寄せては途切れる
灯火の声



選ばれることのない
夜の目の道をゆく
風しかいない風



窓の奥に立つ子の手
 ....
家の陰の家
窓に映る窓
白詰草 光の辺


鳥と風 声の影
低い曇を照らす原
曇とともに揺れる原


歩むもののないにぎやかな道
川岸に沿い 川に重なり
流れとは逆 ....
水の鈴が鳴っている
鈴のあとを鈴がゆく
葉の上
土の上をゆく


手と手をつなぎ
生まれる音
伝えたくて
仕方ない笑み


呼吸を疑い
息を受け入れ
あきらめと ....
消えかける
蝋燭の火に
あわてる


誰も来ない日
菓子だけが
華やいでいる


もういいから
そう誰かに告げられたかのように
途切れている


数十年に一度 ....
弾が来て
落ちると
なかは鳥だった


音だけの羽が
土になびく


三角の影が
道の端に
牙のようにつらなる


空をゆく弾が
曇に消える
遠い光が
聞こえ ....
飛び立つ鳥のかたちの木と
降り立つ鳥のかたちの木とが
風のなかでとなりあい
はばたきと狩りを語りあう


常にどこかにいる冬と
めぐりつづけるものらとの
軋轢の色とかけらが ....
星が動く力の理由と
蟻が蟻である理由のはざまを
空はゆうるりとめぐりつづけ
かけらを降らせつづけている


定まりのないかたちの回転から来る
定まりのない音や色が
影まで至 ....
鈴の森触れては消える降るうたは触れては消える触れては消える



夜に泣く左目を知る鏡の子まなざし手繰る火の指の先



忌みの日の化粧のように白き喉うねりざわめく小径を照 ....
木陰の雨雲
水を囲む
鈍の唱の輪
空を招く


海わたる羽
波に残る羽
ただよい ただよい
舟をつくる指に出会う


空に沈む手
水と同じ手
そのままを描く
 ....
草色の羽
水はじく羽
鈴の手を聴く
鈴を見る


夜と宵
光と声が
同じでいられる影のなかへ
指は撫でるように沈みゆく


荒れ野を見つめる
片目をふせる
はざまゆ ....
ちぎられたもの
砕かれたもの
ひとつひとつに触れる指が
それらの色に染まりゆくさま


色のないもうひとつの指に触れ
血のにじむまま触れ
あたためるさま
染まりゆくさま
 ....
越えると海があり
越えると
またひとつ海がある
踏みしめた
指のはざまの
銀色


風の来る方へ
息を吐き
風を吸い
空洞の
奥の奥を
のぞきこまれることに戸惑う
 ....
小さな影に
小さな水が触れ
小さな手のひらのかたちとなり
雨の木陰に結ばれてゆく


風を後ろに
花はひらく
ひろく けむる
ひとつ ゆれる


野に落ちる光
川に立 ....
千波 一也さんの木立 悟さんおすすめリスト(247)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとり_まなざし- 木立 悟自由詩1007-9-4
夜めぐる夜- 木立 悟自由詩607-8-30
ノート(夜と草色)- 木立 悟自由詩407-8-19
ノート(夜と水)- 木立 悟自由詩307-8-18
ノート(夜へ_ひとり)- 木立 悟自由詩807-8-14
はじまりと双子- 木立 悟短歌607-8-13
ノート(橋)- 木立 悟未詩・独白4+07-8-10
降り来る言葉_XXXII- 木立 悟自由詩407-8-6
ノート(昼)- 木立 悟自由詩807-8-5
ノート(花)- 木立 悟自由詩407-8-4
数と光- 木立 悟自由詩607-8-4
みどり_双つ- 木立 悟自由詩707-8-2
ノート(火と自乗)- 木立 悟自由詩707-7-28
夜のころも- 木立 悟自由詩1007-7-27
降り来る言葉_XXXI- 木立 悟自由詩607-7-24
みどり_よびこ_Ⅳ- 木立 悟自由詩807-7-23
みどり_よびこ_Ⅱ- 木立 悟自由詩807-7-17
ノート(とおい_めのまえ)- 木立 悟未詩・独白407-7-15
みどり_よびこ- 木立 悟自由詩607-7-15
ふるえ_あがない- 木立 悟自由詩707-7-3
6・17_昼- 木立 悟自由詩1007-7-1
ノート(午轟)- 木立 悟自由詩607-6-28
ノート(かたち_さざめき)- 木立 悟自由詩1207-6-24
緑と金_Ⅲ- 木立 悟自由詩607-6-23
鈴森と鏡子- 木立 悟短歌807-6-19
午後と双輪- 木立 悟自由詩707-6-18
夜と夜- 木立 悟自由詩607-6-14
指と指- 木立 悟自由詩707-6-12
ノート(象応輝)- 木立 悟自由詩307-6-10
緑と金_Ⅱ- 木立 悟自由詩1307-6-7

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