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青と金が
近づいてくる
同じ音をたて
原を越える


鉱から鉱へ
したたりつづける青があり
夜をひとくちずつ運ぶ
聞こえない小さな寝息のつらなり


水の底の金の傷 ....
頭のうしろの音を聴く
揺れるかたちの音を聴く
小さくとどく濡れた羽
したたる色のうたを聴く


夜に向かってひらかれた窓
さみしい灯を倍にする
縦に流れる部屋の内側
誰も ....
蝶の花 蝶の花
土の下へ
飛び去りゆく輪
蝶の花


塩の火 塩の火
燃えつきぬ糸
人の色でなく
向かうものはなく


甘いにおいは風に消え
ただふるえだけが降り ....
片葉だけが聞こえ来るとき
片葉は片葉の前にいる
片葉は見えず
片葉はふるえ
片葉は片葉と片葉の重なり


羽の目から流れるひかり
左手にたまり 鉱になり
手のひらから手の ....
風のなかを
水がそよいでいる
遠い水
互いに見えない ふたつの水


濃い影 薄い影の重なり
音は溜まり
低く連なり
夜の道を速くする


やわらかな菓子
指 ....
夜の雨を燃す火があり
風をつかみ
家を鳴らす
屋根のかたちが
曇に映る
明日の水を知る花の群れ
遠い音を見て動かない


鼓動と鼓動のつながりが
水平線を巡っている ....
青銅の扉の
息に合わせて
風はふたつの挨拶をした
返事のないまま
なかへと消えた


粉の光
夜に沿い
まぶされてゆく
錆びた光
消える光


朝になり
窓になる前の窓の ....
ふたつの火の間に
煙は消える
いとおしさ
うなづく いとおしさ
風のない日の
指をすぎるいとおしさ


見るまに変わりゆくものの
とどまらぬ今をたしかめるように
せわし ....
壁の花から落ちた花びら
雀たちがついばんでいる
ふちどりを想う
くちすいを想う


かがやく魔
飛び去る影を見つめるもの
四方を壁に囲まれた
庭という名の底にうたう

 ....
光は軽く
光に痛く
窓のそば
胸かきむしる
ひとつの羽が
生まれるとき


手のひらの水から
こぼれる黒
髪はあふれ
黒へ落ちる
夜にあふれ
{ルビ眼=まなこ}へ ....
葉の塔が
空へ到き ゆらいでいる
ふたつに見ると
ふたつに見える



わがままな芽が
からだを迷い
爪の水を飲み
背に根付くことにして一息つく



食べもの ....
布の風が樹々を伝い
夜の空を見つめている
蜘蛛のかたちをした声が
枝をめぐり すれちがい
会話ではない会話を残し
夜の空を昇りゆく


雲に映る歪んだ輪から
光と言葉の鳥 ....
蝶を見た朝
森から森へ
子はひとり織る
銀の声


緑をつらぬく小さな音
つらぬかれた跡の揺れる音
つらぬいたものが緑に染まり
水の底から空を見る音


銀が重なり ....
雨から雨へ
飛びつづける声
かすかにまだらに色褪せながら
遠く遠く張られる弦に
願いのようにふるえ伝わる


にじみ ひろがり
蒼く猛り
たわみ ゆがみ
灰にさざめき
ひ ....
曇りの幌につつまれ
ふたたび生まれ ふたたびねむる
陰に刺さり
縦にかがやき


空のろくろ
空のふいご
枝々を巻き
高く きしむ


ひかりが動き
動きがひかり ....
激しい雨の音のなか
あなたとわたしが
ふたりきりでいるのですから


あやとりもするでしょう
すごろくもするでしょう
しりとりもするでしょう


じゃんけんもするで ....
窓と壁のはざまから
水のような顔があふれ
外を見もせず消えてゆく
風が光に 光が風に
裏切りの等価を与えるとき


狭いところ
熱いところ
いたらぬ波をくりかえす舌
輪 ....
つづくふるえ
つづくからだ
水紋は光に変わり
散ってゆく


何かを燃やす夢からさめて
手は緑にくすぶっている
灰のなかに芽吹くもの
誰が蒔いたか知れぬ影


金の ....
空から降りる水膜が
樹に到かずにあえいでいる
夜になるもの なれぬもの
道をひたす波の無い波音
夜を映し
夜をわたる



静かに歩みゆくかたち
そばをすぎるかたちが重 ....
ふたしかな季節を
灰の午後のかけらを
染まるようで染まらずにとおりぬけ
雲を燃す火はぽつぽつと
河口の浪を照らし出す
割れた岸を砂は流れ
夜の虫の光のように
浪の下へと沈 ....
森は沈む
銀の花に
残響に
緋の笑みに
秋を穿つ泥まみれの羽に
森は沈む



鏡の乗りものに映る青空
死が飾られた街の隙間に
冬の色の海が見える
その鳥はとどろき ....
花に覆われた三つの岩が
波のように重なったまま
夕陽のなかでまたたいている
荒地と同じかたちの雲が
荒地と同じ光にざわめく


闇の内に闇の葉があり
閉じたまぶたをはざまに ....
草の内の金の廃坑
砂に降る雨に
{ルビ慄=ふる}えに
夢みられている原
路のまわりを行き交う
光の灰



今日の最後の雨粒
濡れた手のひらと
空との間にある瞳
雲 ....
雨の天使が
岩の物語を読んでいる
{ルビ静寂=しじま}と{ルビ静寂=しじま}を
鳥の声が{ルビ継=つな}ぐ
焼き捨てられた本の煙
地から天へ帰る雨



恵みの恵み
 ....
雨を見る蝶
草を分ける黒い道
滝の音にふりかえり
光が空を割るのを見る
西の半分がとても暗く
夜風は水のにおいになってゆく



壊れた傘が
春を乗せたまま川を流れ ....
水平線に燃える虹
湿った土の上に立ち
海を見つめている双子
山は鳴り
鳥は飛び立ち
月はあふれ
浪へ落ちる



谷が川を分け
瀧が生まれる
炎が川を流れる
{ルビ速 ....
夜と衣をまちがえて
午後の星を踏みしいた
小さなしずくは列を知らない
うたはいつもひとりに生まれた


指の色が溶けてはあふれ
紙の道を分けてゆく
紙の色は不義の色
 ....
誰もいない町が燃え
闇は闇のまま焼けのこる
このうえもないものから手渡された
かけがえのないものさえ消えてゆく
風はまやかしの花
やるせなく つめたく
咲きひらく


 ....
怒りを失い
怒りをさまよう
朽ちた腕 朽ちた拳
いのりのように
ねむりのように
土へ向かう



目覚めゆく音
水紋の音
高く堅く過ぎゆく音
聞こえない風の戯れに
 ....
{ルビξ=クシー}の波が
中庭のまわりを
ひとくくり漂う
崩れることなく
水平線までつながり
微笑みのはじまりのように微笑む


謎が終わり
風が生まれ
緑を示し
目 ....
千波 一也さんの木立 悟さんおすすめリスト(247)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
道と羽- 木立 悟自由詩306-8-9
夜とふるえ- 木立 悟自由詩306-8-7
夜へ夜へ(朝へ)- 木立 悟自由詩706-7-31
てるては- 木立 悟自由詩406-7-28
しずく_うつわ_ゆび- 木立 悟自由詩506-7-25
水と響き- 木立 悟自由詩706-7-21
降り来る言葉_XXⅢ- 木立 悟自由詩506-7-17
けだものと子(火の地)- 木立 悟自由詩506-7-13
くちすい- 木立 悟自由詩706-7-8
みず_ひかる_みず- 木立 悟自由詩306-7-5
ノート(陽雨)- 木立 悟未詩・独白206-7-1
ひびき_ひびき- 木立 悟自由詩1206-6-23
銀衣の子- 木立 悟自由詩506-6-20
声_めぐる_声- 木立 悟自由詩406-6-17
午後とめぐり- 木立 悟自由詩406-6-13
ノート(43Y.6・10)- 木立 悟未詩・独白406-6-10
午後の名前- 木立 悟自由詩606-6-9
午後といのち- 木立 悟自由詩406-6-5
夜と水- 木立 悟自由詩506-6-2
銀花_Ⅲ- 木立 悟自由詩706-5-28
銀花_Ⅰ- 木立 悟自由詩606-5-27
夜と応え- 木立 悟自由詩306-5-26
水と日- 木立 悟自由詩206-5-25
水の羽- 木立 悟自由詩706-5-23
二季夜香- 木立 悟自由詩606-5-23
灰_Ⅱ- 木立 悟自由詩206-5-21
うたとしずく- 木立 悟自由詩506-5-20
夜(雨と火)- 木立 悟自由詩206-5-16
けだもの行(冬の星)- 木立 悟自由詩306-5-15
午後と明かり- 木立 悟自由詩206-5-14

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