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スマートフォンを手にして
花壇の隅、おじさんがぽつん
RPGにも飽きて動画とか見始めて
キリが無い二十三時
月に五千円の小遣いを貯めて貯めて
欲しい物は飲み代に代わる

終着駅間で際すれ ....
雨粒ひとつ、靴の穴から入った
靴下を少し濡らして、汗に混ざった
雨粒ひとつ、あっという間に体温で消えた

空からまっすぐ靴の穴に、飛び込んで
靴下の泥と汗と混ざって消えて

なあ、やるせ ....
ここにあるのはただのがらくた
偽物で繋ぎ止めた
僕の透明な城
見える奴にしか見えない
はりぼての城

僕はそこでしか呼吸ができない
僕はそこでしか物が見えない
僕はそこでしか声を出せな ....
鼻風邪をひいてしまった
五月の初めのあたりの事だ
なんとなく仕事も落ち着き
明日からの長い休みに
何をしようかという日の事だ

鼻風邪をひいてしまった
ズゴゴ、と鼻を吸う
喉の奥に青っ ....
ねえ笑ってよ
笑えないわ
どうして笑えないの?
人の血を吸っているからよ
人の血を吸っていると笑えないの?
人の血を吸っていると笑えないのよ
どうして笑えないの?
人の悲しみが口の奥でま ....
何かをしようと思うのですが何をしていいのか解らず
家に一人でじっとしているのも寂しいものですから
出来るだけ服を着込んで嵐の様な風の夜に
月を見に出かける事にしたのです

月には雲がかかった ....
誰かいますか
この声が聞こえる人が
誰か
いますか

小さな花のように
かわいらしさも無く
大きな雲のように
穏やかでも
達観している訳でもない

この声が聞こえる人が
誰かい ....
すごい、すごいすごい
宇宙のように遠く高い空
遠近の狂う大きな雲
ああ、美しく真直ぐな世界
間違いない
今僕の正中線はここにある
遥かに見える松並木を超えて
空を行く為に。
湿度にとらわれた熱量が
肌にまとわりついている

エアコンは嫌いだ
あの冷やりとした
微かにカビ臭い風は
地下の駐車場を思い出す
軟らかにしなだれる
段ボールを思い出す

寝苦しさ ....
雨が止んだ
着慣れないスーツは塩っぱい匂いがする
雨どいは未だ雨を集めている

雨が止んだ
着慣れないスーツは塩っぱい匂いがする
雨どいから雨は排水溝に消えて行く

雨が止んだ駅のホー ....
僕の
指で
嘔吐する
君の
口内から吐き出される
言葉、言葉、言葉は
キラキラと
美しい
夜の
露の
ネオンの
輝きの
眩しい
現実

夜風が
気持ちいい

夜だ
 ....
貰ったキーホルダーを見る度に
僕の心は体を離れる
ずっと遠いあの街まで

丘の上には大きな桜の木があって
公民館と図書館と体育館と
少し行くとスーパーがあった

公民館には児童館がつい ....
疲れた時に疲れた事を疲れたと
言える場所が欲しい
嬉しい時に嬉しい事を嬉しいと
言える場所が欲しい
悲しい時に悲しい事を悲しいと
言える場所が欲しい
静かにしたい時に静かにしたい事を静かに ....
枯枝は空に根を伸ばす
海辺の曇天の白の先
遠く遠くに根を伸ばす

時折太陽の欠片が見える
それはとても美しい白
何もかもを焼きつくせる

貨物列車の重たい音
耳を切る様な唸り声の風
 ....
多分、初めて思う
病院で、見た景色
残された、老人の

心の景色

隣り合う、夫婦
齢を重ねた、二人
刺身とケーキと、記憶
そこにあった、幸せ

消失

心が壊れ ....
世界の崩壊する様なシアン
突然の雨にピアノは響く
雷鳴とのコンチェルト

鼓動の高鳴りとビオラの直線
空に向かって雨は斜め113°
浮かび消える水溜りの波紋

手のひらにある孤独
遠 ....
自分、行きとるか
真面目に働いとるか
まあ、僕の事やから
きっと転職してるんやろう
今の仕事はどないや
こっちは毎晩残業やで
残業代もらえん会社で残業や
奥さんと子供、大事してるか
今 ....
海流を眺める
油絵の具を指で擦った様な道
夜の灯りをギラリと跳ね返し
いくつもの美しいラインが交差する

背泳ぎを見ている
行く先も見えずにただ進む
後に残る軌跡は直ぐに消える
いつか ....
妻は月に一度か二度
四、五日ずつ実家に帰る
その度に
暗い家に帰る度に
僕は何故ここに居るのかと問う
知らない土地と言葉
何をして居るのかと問う
湿気を吸い込んだ紙の様に
心が少しずつ ....
寝汗に三度、着替える
暑い分けでは無くむしろ肌寒い
電車内のエアコンの意味が解らない十月
寝起きに力が入らない
奥さんは今までになく早朝から働く
子供の泣き声に這いずる
消耗戦
薬を切ら ....
目が覚めると氷になっていた
何故氷だと解ったのか解らない
ただいつも透明になりたいとは思っていた

実際氷になってみると大層不便である
声はおろか身動きすら出来ない
時間と共に布団に吸い込 ....
半音の半分くらいズレていたと思う
そのオルガンを初めて見たとき
音の鳴らし方が分からなかった
ようやっと曲が弾ける様になった頃
引越した先にオルガンは無かった

あれは楽しい音だった
未 ....
転校をした
おかんが皆に渡せってシャーペンをくれて
終わりの会で配った
袋をあけたら裸の男の子の絵と
ちんちんぶらぶらソーセージって書いてあって
めちゃめちゃ恥ずかしくて
ばいばいも言わん ....
午前の
柔らかな
日の光が
キラキラと
日差しを
落とす

少し
汗ばむ
中で
緑を撫でる
風の
クロス

海だ
草原を抜けて
何度も
何度も
風渡る
足跡
十年、こもった
もう良いかと思った十一年目の春
伸びた髪の毛が邪魔だった

二十年、こもった
意を決した二十一年目の夏
世界の熱量に敵わない気がした

三十年、たった
重い腰をあげた ....
だだっ広い雨上がりの空に
僕にはない言葉がさ迷う

地上の、揺れの、草の、言葉
湿気、温度、雲の距離

僕の言葉は枯渇して
君の言葉を吸い上げる

地球、亀、象、

天文学的な、 ....
大きな右腕のはさみを振り上げながら
あちこちで何かを話し合っている
静かな潮騒になら負けないくらい
その小さな声は辺り一面に満ちている

プチプチと話すのは毎日の事
今日はいい天気ですね
 ....
気圧の上がらない交差点で
空を見上げた
そこには少しの眩しさを残して
手の距離よりは遥かに遠く
銀鼠の雲が広がっている

知らない街の知らない人々が
交差点とは名ばかりで
これからも互 ....
どこにも闇は無く
ただ前に見える微かな星に向かう
それは何かの儀式の様に
黙って、黙って
微かに見える島影を頼りに
軋む櫂を漕いで行く

ごらんあれが終わりの岬
幾度も訪れたそれは
 ....
物語の始まるみたいな
ぬるく湿って小雨がまじった風の朝にパタンパタンと鳴る看板と
何処からか聞こえる気がした
アンプの無いエレキのシャカシャカというセンチメンタル
雲は低くうねりながら
その ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風邪をひくなよ。- プル式自由詩412-8-6
雨降りお月さん、そらみてこんばんわ。- プル式自由詩5*12-5-31
蕺草(未詩・独白)- プル式自由詩812-5-14
この街に物語は似合わない- プル式自由詩612-5-2
魂の落ち着く場所(未詩・独白)- プル式自由詩612-1-6
君の明かりで眠る- プル式自由詩17*11-12-24
- プル式自由詩811-11-10
旅_(未詩・独白)- プル式自由詩711-10-23
月の夜、幻の空(未詩・独白)- プル式自由詩11*11-9-10
雨が止んだ。- プル式自由詩611-6-16
海月になろう。- プル式自由詩411-5-31
扉の向こう側_(未詩・独白)- プル式自由詩8*11-5-1
空白_(未詩・独白)- プル式自由詩9*11-4-6
つーかさ、あれだよ。- プル式自由詩6*11-2-1
人の、死について思う- プル式自由詩610-12-26
- プル式自由詩410-12-14
十年後の自分へ。- プル式自由詩1010-12-2
嗚咽という沈黙- プル式自由詩810-11-25
春待ち暮らし- プル式自由詩5*10-10-25
ドット- プル式自由詩710-10-8
最後の薄い(未詩・独白)- プル式自由詩510-9-17
鞴のオルガン- プル式自由詩410-9-9
ちんちんぶらぶらソーセージ(未詩・独白)- プル式自由詩7*10-8-31
沈黙と前進- プル式自由詩110-8-19
WC- プル式自由詩5*10-7-19
夏の来る前に- プル式自由詩1410-6-30
シオマネキ(未詩・独白)- プル式自由詩5*10-6-24
一滴- プル式自由詩7+10-5-22
白夜航- プル式自由詩4*10-5-15
砂の上の棒倒- プル式自由詩3*10-4-2

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