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心のつらぬきは今は
冴え冴えと他人をつらぬいている

よくわからないように
うまく散りばめた鍵盤を
叩き散らかして封じ込める
ひんやりとさわる指に似て
どこかでふうと吹く風の音が耳をかす ....
お姫様を助けてハッピーエンド
エンディングロールが流れて
もう1周目
でも
いつまでも
タイトルに戻らない
真っ暗な画面のまま
今日も電車に乗る

電源の切り方を
俺は知っている
 ....
水星
{引用=みんなより泣き虫な私ですが
もしものときは貴方の熱い涙も、全部
私のそれに溶かして差し上げます。
その代わりといっては何ですが
私からいつもより
少しばかり濃い塩の匂いがして ....
{画像=061008035546.jpg}
ふとした隙に これが現実だと崩れ去るのは
トランプの尖塔と 君のいた日
今 君に届かぬ声を出すのは
次々狂う 出会った人間
僕はまた この世界へ目 ....
横浜の学校の帰り、
地下街で買った、
ドルフィンの絵を、
窓にかたむけて置く。
青い海の中、
海面には太陽の光がさし、
ついのドルフィンが、
気泡をだし、よりそいながら、
深みへと潜っ ....
響いた翼はためかせて
風の声へ飛び続ける

閉ざされた約束の傷
脈打つ光へさらして
こえられない私をみつめる
罪色の翼に歌う

{ルビ現在=いま} 解き放つ時
押しつぶされそうな空へ ....
もう一度、始まるのです
そう言って眠り落ちる人
危なくはないですか
休みたくは、ないですか
瞼の裏側の静かな暗闇で
一人で旅に出るそうです
朝までには戻るから、と
その人は


積 ....
いつか日々を掴んだ時に
届けたいものがたり
ゆめうつつの中
何度でも立ち止まる

やがて色に散らかった朝がきて
君は数え切れないほど瞼を開けたり閉じたりして
突然振り返って俯き加減に笑う ....
男は言った。
「日本人の好きな花といえば、桜が筆頭だ。
 だが、桜より彼岸花が好きな人間もいる」

「桜は自分が咲ける場所だけを、移っていく」

「彼岸花は違う。北から南、あの時期にだけ、 ....
もう何も視たくは無いのだ。


赭い花を手折りたいと思い、庭へ降りたは良いが
一面の花の群れにふと恐ろしく成ってしまう。
どれを選んでも
触れた途端に枯れてしまいそうだ。
其れを嗤って見 ....
囓る
足の指を囓る
囓る
猫の額を囓る
囓る
柱の傷を囓る
囓る
カレンダーの空白を囓る
囓る
固まった真実の躯を囓る
囓る
惚けたふりをする耳を囓る
囓る
駅のホー ....
ある春の暖かい日

四人の子供の頭、腕、足、胴をとって繋ぎあわせて

新しい五人目の僕が生まれた

頭のなくなった子供

腕のなくなった子供

足のなくなった子供

胴のなくな ....
少しだけ、冷たい風が吹いてきたのは
とても遠い場所からだった
人はいなくなる、ということが出来るらしい
世界はいつも通りに明るくて
僕らは同じように電車に乗り込む

乗り継ぎ駅で世界が追い ....
赤錆の目立つ時刻表のバス停に立ち
来るか来ないかの
微妙な時刻にバスを待ってみた


進路の前にバスは無い
順路の後ろに気配も無い


行く先も馴染みの無い駅の
名前の書かれた ....
まもなく一番線に東京行きの快速電車が到着します
あぶないですから黄色い線の内側でお待ち下さい

まもなく二番線を特急電車が通過します
あぶないですから黄色い線の内側にお下がりください

 ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
パーティーは散々だった
おやすみ、のあいさつの方角へと
だいだい色のシロップが
ゆっくりと流れて 
しだいに
粘性を増してゆく、
夜の


水の底で ゆうべ、まき散らされて
わたし ....
あのひとのまちは
晴れるだろうか
あのひとのまちは
曇りだろうか
あのひとのまちは
雨だろうか
………

あのひとの季節には
どんな花が
咲いているのだろう か




 ....
私の詩には
ディテールがないの
ってもう
はいはい
って感じです
われながら

ただ
選択肢は選択しで
死か
詩か
選ぶのだと気づいた
意外に賢いでしょ
えっへん


 ....
冷たい朝がある
それは今日も、昨日もでした
重ね着をする時間はどこに、あるでしょう
時計の、静かに通り過ぎる時計の裏を
揺らしてみても、なにも落ちてこないので
腕を組んで、息を吐きます

 ....
九月
雨が多いのは毎年のことで
それはさしてめずらしいことでもない
のかもしれない

秋というにはまだ早く
ちょうど残暑という言葉があてはまる
そんな晴れの日も多い
九月


家 ....
 月曜日とにかく光射すバスの窓際に座って
 手のひらのにぶい氷が溶けてゆく
 仮死状態でありながら
 勃起する
 なくした心臓の空白
 暗闇からきわだつ白い幹を
 幼虫 ....
かくすためだけの
キャミソールに飽きて
このごろは いつも
はだかで過ごしている


夏はまだ
わたしの腰の高さで停滞している


午後4時をすぎると
夕凪に 夏がとけてゆく
 ....
乳白色の
血を流す
草の名を忘れてしまい
野原にからだをうずめた

満天の星の鎮魂歌を
あすの朝の火に{ルビ焼=く}べて
壊れた時計の可燃率とともに眠る

忘却は
時を経るごとにや ....
出涸らしのような夏が
のっぺりと緑に張り付いている

季節も針を進めるのを忘れたようで

時がとわに 流れていく

生まれ落ちた時代の旅人

その想いは 積っていく

 ....
蒼空と云う檻に閉じこめられて居る
手に触れるのは薔薇の棘や蔓草の葉
足下の土はひやりと冷たく
……いつから此処にこうして居るのだろう?



一切の物音がしない透明な檻の中で
 ....
クリープ現象で
夜をすべる
アクセルを踏みそこなった右足で
有明ランプをまたぐと
すこし遅れて
あした が きょう になる


うしろへと流れる景色を手がかりに
恋人だったはずの
 ....
誰かが夜中にノックした
コツンと一度きりノックした
ドアの後ろからそっと覗くと
蛍光灯の通路が白く乾いている
あるいは秘めごとの嫌がらせに
甲虫が当たっただけかもしれない

ベトナムの木 ....
もうひとり詩人が欲しいわね
彼女が言うから
もう一人生むことにした

{ルビ同胞=はらから}は多い方が賑やかだ
哀しいときは
兄と妹で手をとりあって泣くのだ

経費のことはまかせな ....
このままこのまま
どうしようかな?
ほそい雨足 夜まで行こうか
どうしようかな?
日も暮れる
あしたの風も吹いてきたので
かえろうかな?
ゆこうかな
嶋中すずさんの自由詩おすすめリスト(220)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無題- モリマサ ...自由詩923-9-13
俺達には希望のないゲームしか渡されていない- ピッピ自由詩419-2-12
惑星ラブレター- 愛心自由詩1513-12-23
ジニアを抱ける日を想う- リメ自由詩10*06-10-7
ドルフィン- 光冨郁也自由詩505-10-2
限界飛翔- こしごえ自由詩9*05-10-2
午前一時の人- 霜天自由詩1305-10-1
猫の距離- 自由詩305-9-27
彼岸花のころ- 逢坂桜自由詩5*05-9-26
曼珠沙華- 有邑空玖自由詩8*05-9-25
裏口- あおば自由詩7*05-9-24
ボディ_&_ソウル- suzu自由詩3*05-9-23
落下傘- 霜天自由詩1805-9-23
バス停にて- 銀猫自由詩24*05-9-21
退黄色の快速電車- あおば自由詩6*05-9-19
アキアカネ- 落合朱美自由詩48+*05-9-17
過酸化水素の夢- 望月 ゆ ...自由詩45*05-9-16
花のひと- こしごえ自由詩7*05-9-13
ディテール- 簑田伶子自由詩10+*05-9-13
冷たい朝がある- 霜天自由詩805-9-13
夏からの手紙- ベンジャ ...自由詩14*05-9-13
匿名- カンチェ ...自由詩305-9-12
夕凪にとけてゆく- 望月 ゆ ...自由詩31*05-9-11
忘却曲線- こしごえ自由詩15*05-9-11
*夏だった*- かおる自由詩6*05-9-10
廃園にて。- 有邑空玖自由詩9*05-9-9
ディスタンス- 望月 ゆ ...自由詩16*05-9-9
降霊- 大村 浩 ...自由詩10*05-9-2
月夜- あおば自由詩12*05-9-2
ゆうしぐれ- ひより自由詩5*05-9-1

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