すべてのおすすめ
列車は橋の上を走っていた
海を渡る
私が見たのは真下に広がる汚れた海
あなたが見ていたのは
遠く遠くの水平線
イスラエルのラジオ局から流れる
アラビアン・ポップスは
ゲートで隔てられたパレスチナの
勇気ある誰かの肉声
産まれ落ちた大地は近くとも
偉大なる監視者に刻まれた
国籍というバーコードが ....
もしもここが世界の淵で
あと10センチ歩いたら落っこちるとしても
大したことじゃないよ
ほらこれあげるよ
ゆっくり吸い込んでね
落ち着いてきたでしょう
もう怖くないんだよ
泣かないで
....
背中あわせに立って あるきはじめた
ふりむきざまに 撃ちあうこともなく
ふたたびは相まみえるはずのなかった
もうひとりの わたしとの
決闘が 用意されている
神様が創ったからくり時計
人間を鋼索しこさえた鎖と
プレスされた平たく硬い歯車が動力
地球の形をしたからくり時計
組み込まれた僕らは
自転の度に心臓がきりきり痛む
魂が上げる悲鳴に ....
夏のことをよく知っている人がいて
その人は
例えば緑の葉っぱを重ねたような人で
ときどき
鮮やかな花を咲かせていたりする
ただ画家がその人の絵を
描こうとするとき
その人は
たちま ....
地下鉄の窓から見上げる
ホームの蛍光灯
チラつく光線に浮かび上がる
揺れながら滲む影
たまらなく不安にさせる構図
今日が何曜日だとか
今が何時だとか
ここが何処だとか
おれが誰だとか
....
そっと
なぞる
なぞ る
影
つみかさなった
夕べの
夕日の
赤
重さの
重みの
重なり
心の
芯の
息
構築されてゆく
{ルビ恋恋 ....
遠い飛行機のような音を立てる
夜の、曇天
その鳴動、鳴動、鳴動、
大気は夜を続けるも
わたしは仰向けの形、ひっそりと静まり返り
暗く目を開けるだけで
何かを促す性能はな ....
{引用=
空から
ぶら下がっている
スイッチの
紐を
一緒に
引こう
月が
常夜灯の
ように
琥珀色に光って
僕たちの
最期を
しばらく
映 ....
下らないその歌で
ずっと私を騙していてよ
傷つけても
失っても
私はここに存在する
風が止んだ
友達と仲直りをした娘は
昼食を食べ終え
さっさと青空の下に飛び出していった
子供同士っていいね
うん
娘たちは今ごろ
どのあたりを走っているのだろう
昨夜の小さなほころび ....
大きな花火があがります。
小さな花火もあがります。
中くらいの花火もあがります。
きらびやかな色という色が
夜空を照らすのではなくて
夜空を背景にして
星の合間 ....
雨の中
けたたましくロックンロールをかき鳴らしてよ。
どこかなつかしく、憂うつな景色を
打ちのめすみたいに。
泣きたくないのよ、今は。
ずっと夢中でいたいのよ。
そうして忘れていきたい ....
ある時世界は小さく頷いて
私の肩に優しさを呼ぶ
私は水の中でユメを見ていた頃のように
水の外で地べたに頬を添わせていた時のように
優しさの幽かな震えに私を預ける
しかし気が付けばいつ ....
おもしろくない
そう、おもしろくないのだ
毎日が変わりなく
働く、食う、寝るの繰り返し
刺激が欲しいと叫んでみても
僕に与えられる刺激は
コーラの炭酸程度だ
いや、それ以下だ
もっ ....
痛みを持ち上げて
此処に立っている
へしゃげた首も
切り落とせぬまま
鉄のような水面
なにを想う その心
芯から病んでしまった
水無月の花々よ
重たすぎる花弁を
いついつ散ら ....
真夜中まえ
住宅街のかぼそいバス通り
わたしは神様に会いました
道路の脇の闇
じっと佇む場違いな老夫婦
わたしは神様だと気づきました
何気ない服装 何気ないしぐさ
何をするともな ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
描かれるだけのキャンパスは
描かれ続けたすえに自分だけの色を見つけ作って
それをみんなに見せれば
みんなはあまりの綺麗さに嫉妬したり
自分達の色に合わない、とかどうでもいい理由でキャンパス ....
扇風機のスイッチを入れて
淀んだ空気をかき回すと
少しだけ軽くなったような気がした
このまま回し続ければ飛べるかもしれない
熱帯夜に猫は冷たい感触を求めてアスファルトを転がり
僕は徐々に ....
あなたの白いスカートが
ひととき夏色に見えたのは
うすぐもりの雲の切れ間から
気まぐれに顔を出した
あの眩しい日差しのせいではなく
あれはそう
道をさえぎるようにもたれかかる紫陽花に
語 ....
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・ ....
気が付くと、僕は森のなかにいた
目の前に少女が立っている
僕は、その少女から目が離せなくなった
上空から光が差し込んで来た
僕は、すぐにそれが言葉だとわかった
「これは言葉よ」と言う意味だっ ....
ふとした瞬間。
あの世界へ行きたいと思う。
どうする事も出来ずただ、渇望する。
でもきっと、あのフェンスの先には僕らの望む世界がある。
さぁ、そのフェンスを越えろ。
自分で引っ張りすぎてしまったゴムを放すのが恐くてどうしたらいいのか立ち竦しているようなそんな気分の瞬間
曖昧にしたまま置き去りにするうちに
多くは忘れられてしまうから
忘れられたものと結びつく他のことまで
曖昧になってしまうんだ
あいまいみーまいん
私は私の私を私のものとすることができない ....
ら
うたが
ら
らら ら
うたが聞こえる
ら
静寂のみが記された
らら ら
白紙のページに埋もれた夜に
....
頭中に鳴り響くコンパッショーネにオモイ馳せる。
ゆらゆらと蠢く音流に瞼を閉じる。
ユニゾンのベースが弾き出され、心は静かに足踏みを始める。
***
ウチ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9