すべてのおすすめ
雨の降らない砂漠に雪が降る
それは哀しみか慈しみか
生まれたばかりの天使の雛から
抜け落ちた羽毛だろうか
いっときのなぐさめなんて
すぐに渇いてしまうとしても
いま、この、
奇跡の瞬 ....
今の生き方を否定したら
死ぬしかないかもしれない
それでも今の生き方が嫌なら
自分が変わるしかない
どうやって
今までについた癖
消すのはムズい
取り柄が見つからない
良いところを ....
{引用=○備忘のことⅰ(倫理)
許すことのできる人は
許される熱をもつ人
それはまるで
書く術を知る人が
熟読を心得ているかのよう
○備忘のことⅱ(微熱にて)
上顎が痛痒 ....
いつもいつもすれ違うばかりで
冬ソナみたいって
それもアンハッピーエンドの
すれ違ったまま
とうとう出逢えずに終わるのかなって
それでいい
それでもいいと自分に言い聞かせ
どちら ....
斜光が懐かしく街並みに射し込む頃
橙の色彩のビルの白壁に拡がり
黒い影と対照をなしながら
柔らか燃える果実の如く
濃くなる空の青から浮き上がる
街並み今や濃紺と燃え立つ橙に染め抜かれ
....
空がゆっくりと落ちてきて夜になると闇が呼びか
けるように地の底から光の洪水が押し寄せる。そ
の光の海と、路上のダンボールハウスの浸透圧が
重なる時刻、一艘の小舟が歌舞伎町のJRガード
下を流れ ....
ああ いい気持ち
日の高いうちから
スーパーで買った鰹を炙り
新潟の純米吟醸を冷で飲む
今日はよくやった
早朝から頑張った
夫の用事で
行ったことのない羽曳野市へ
....
肉身の歳を重ね使い古され
次第に色褪せ亀裂走らせながらも、
眼窩に埋め込まれ落ち窪んでいく眼球に
宿る光の以前より更に増す眼力、
直裁に投げ掛けるアナタの肉身と云う器に
魂の器を介しそれ ....
飲み放題
酒を飲んで
今までの労い
愚痴があれば聴いて
面白おかしくして
笑いあって
時間が来たら
さようなら
どこか羨ましい
別の道を歩むこと
剥がれるように
さようなら
....
かまってちゃんは戸惑っていた
いきなりの総スカン
ワケワカメ
だけどかまってちゃんは慣れていた
ひとの気持ちなんて
アッサリ変わる
しかもキライな方に
そんなこと何回も経験済み
おあい ....
恋は、一瞬で終わる
友情は、恋よりも尊い
そして親友は、一生だ
ひとりの親友を得ることは
万の味方を得るより心強い
親友は裏切らない
意見が違っても
厳しいことを指摘されても
友情は潰 ....
ばらばらばらばらと
蒼穹をなぞる如く
飛び交う鳥たちの群れ、
次第にいつの間にか
楕円のカタチ為しながら
夕の暗み濃くなる青を穿つ黒の
光の終焉へ向け黄金の反転を巡り
くるくるくるく ....
うずまくうちゅうの
端っこにして
まん真ん中、
川瀬さんを背負い
ずぶずぶ泥濘む
薄闇のこの土地を
足もとに気をつけてと
背後から鋭くも温かな声
一歩間違えると
ずるっと土の崩れ沈み ....
救急車が先を急いでいる
どこかで誰かが死んだ
それは自分には無関係
そうかも知れないけれど
自分が救急車で運ばれても
どこかで野垂れ死んでも
他人には無関係
関係ないから笑ってる ....
彼のこころには「恥」がない
彼のこころには「公平」がない
愛する者が此処にしかいないから
此処に綴る
それは理解できる
だが
問いかけに応えもしない
彼は「誠意」というものが ....
チーズを選びながら
泪が溢れた
逢いたい
ベーコンを選びながら
声を上げて泣いた
逢いたいよ
アイスを無意識につかんで
更に哭いた
逢いたい逢いたい
コロナビ ....
ほおづえをついたら
消えるくらい細い 月だね
知らないあいだに
こおろぎが まぎれ込んでたから
窓をあけて 夜に帰したよ
りーん あちらから
りーん こちらから
遠くても 呼びあ ....
それにしても
いい詩がたくさん
こさえられては
わすれられていくなあ
いい詩っていうのは
よんだらなんだからふわっとして
金木犀みたいな香りがする
知ってる
知ってるよ俺にはそ ....
You & Me
深く潜って
宙返り
上も下もわからなくなるまで
You & Me
太古に還る
ダンダダン
鼓動が波となり岩を砕くまで
You & Me
合わさればumi
....
それは今朝起こった出来事
いいえ眠りの中ではなく
いいえ夢の中ではなく
覚醒した意識の視界
私は瞑目しながらも
明るみ澄んで観ていた
今まで見たこと無い一線
幾つも閃き鮮明に走るのを
....
桃谷から梅田へ
夕方5時過ぎの壮絶な夕焼けに
何故か泣けてきたんだっけ
声を出さずに泣くのは得意だったから
誰も気づくひとはいなかった
世界を美しいと思ったわけではない
茜色に感動した ....
厳しい、
木枯らしに容赦なく吹きつけられて、
まるでうす汚れたページのように捲れあがる、
そのひとつひとつの、
とても白かった羽毛、
無残にもちぎれてしまった、
白い夢のつばさが、
その ....
{引用=「少年のころ」
少年のころ道草をよく くって帰ったものだ
冷凍食品工場があった
友達のおかあさんが勤めていた
意味もなくいやで まわり道した
子供らしい体温で
大人のに ....
肌と肌が触れて
気と心が知れた
口移しで人生を伝う
涙なしではいられないよ
お風呂に一緒に入ろう
言葉にならないものの共有
揺れる湯船
ふっとこぼれた笑顔
重なり合う
刹那に ....
愛なき者ほど愛を叫ぶ
からっぽである者ほど
もっともらしいことばで筋の通らぬ理論展開をする
面と向かって非難すればボロがでるから
遠回しに当て擦る
ムズカシイことばを使って
自分は頭が良い ....
道路工事で
職場前の道は渋滞
ブラインド越し見える作業員の人たち
若い人が一人もいない
砂塵と高湿度の靄の中
上下するヘルメット
ドア一枚隔てたこちら側は
....
誰もが知る肌に
夏の落ち着きを失った季節は、
陽のわずかな傾きに
秋を告げる
沈黙をやぶる囁きに
自問自答をとめる
潮の香りは、さやけき潮の音
反射する 陽炎のひかり
....
大草原を駆け抜け
廻り続けていく車輪
魂の淀みを抱えながら
自らの汚濁を振り払い
まわるまわるくるくる廻る
深く紫に沈む葬送の列を打ち刻み
死者から生者へのキッス
媒介しながら ....
海がつなぐ
まだ知らぬ世界も
流れ流れてやって来る
水か銀か仏か
あらゆるものが
流れ込んで
世界中を巡りゆく
海がつなぐ
あなたと私も
同じ母の魚を食らい
糧か毒か滋養か
....
晴れた日に傘を貸し
雨の日に傘を奪う
どうやら
それが流行りみたいだ
他人だもんね
困ろうが狼狽えようが
観客席からは滑稽に見えるのだろう
土砂降りになって
みんな借り ....
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