すべてのおすすめ
昨年の冬
ついにグランドフィナーレを迎えた
一年半訪れず
そして再びの来訪に驚き
慌てふためき病院にまで行く
「そういうこともありますよ」
お医者様の言葉に安堵した
確 ....
最後に君と会った日
別れた後で泣いた
もう二度と会えないことを確信したから
いつかはもう来ない
命が消えてしまう
どうして
子供みたいに問う
どうして
君の写真を見ながら
....
南向きの陽当たりの良い縁側で
母は新聞を読むのが好きだった
そこは
冬でも小春日和で
いつも長閑で寛いでいた
母もまた然り
これと言って趣味がなかった母だが
いつもの厳しさはどこへや ....
渋谷陽一の語りには、論理的な暴力性があった
良い加減な人? ただの音楽好きなおっちゃんだよと語るけれど
その独特の嗅覚には、いつも本物の持つ匂いがした
体系的な知識と全体像だけじゃない
人肌 ....
地球観測は地上から行える
月と星の下で地球を見下ろし
地球のヌードを通り越して
植物の種類
光合成の程度
土の種類まで判別して分析する
ドローンで配達が当たり前
今日も通行人を避けて ....
生きる上澄み掬い取り
深く深く沈む汚濁を
遥か眼下に見入れば
凍結の斜面滑落し
呑み込まれる
不断の恐怖
隣り合わせの
生きる歓び
赤から紫
紫から青に
青褪め
開かれた ....
すこしだけ何かを言いたいのなら。
さようなら
繰り広げられる白い雪の
すべてをさらけ出した清いあきらめが
くるおしく皮膚にしみこんでゆく
季節の記憶が旅立って
たどり着くこと ....
今夜も その笑顔に癒されている
カウンターで
コースターを弄りながら話す
目の前のグラスは
緑の照明にぼやけて滲んでいる
近すぎる席に感じるのは
貴方が大柄だからでしょうか
....
(生きている)
前にしか進めない
立ち止まっている時も
一方通行の時間に乗って
細胞を殺しながら
生きている
乗り越えれば乗り越えるほど
壁は大きくなってゆく
問題も難しくなっ ....
どくんどくん
どくどくどくん
ぁああぁああ
およいでいるわ
落ち葉舞い始める
晴れ晴れ朝の未だ手前
妙に明るむ意識の視界
泣き声絶えぬ懐かしさ
ぁああぁああ
ときのなみまに
....
冬が
にじみはじめ、
すべての あらゆるものを
灰色に染めあげる、
陶器の カップをおく音に
ためらい
振り返る
キッチンのテーブルに妹がいた
久しぶりに見る姿
うつむい ....
グッと入った
ツボに指
自然と涙が滲む
痛いのに嫌じゃない
この金属のようなカラダを
神のような手でほぐして
どうしようもなくなるまで
耐えてきた
グッと入った
ツボに指
....
15年続いた結婚は
ロマンチックじゃない
愛してるもなければ、きゅんともしない
15年続いた結婚は
穴の空いた靴下と電線したストッキングだ
みっともないところもだらしないところも容赦なく ....
夢は記憶の足跡とも聞く
舟に揺られ、震えて叫んでいた
夕暮れよ
あなたは気まぐれで
私を弄んだまま、夜ヘ送った
夜よ
あなたは私をその底に沈め
耳を塞ぎ、目を覆わせた ....
澄みわたる秋夜に冬の接近想いつつ
今に至り失われたもの又得たもの
遠い夏の日の森から立ち上がる
浮き世の波頭の幾つも幾つも押し寄せ
何れ容赦なく降り始める雪の死の門出
愛娘残したまま時 ....
割とお洒落な洋風喫茶店で、何故かラーメンが出てきて
店員さんニッコリ微笑んで 澄ました顔で、お客も食べる
異議を、ください どうか、異議を述べてください
おかしいと思うことがあったら遠慮せずに、 ....
寝不足だから
寝ぼけたことを言うのか
相手をブチ切れさせて
戦前に突入していく
嗚呼頭が痛いよ
最低最悪
選んでもいないのに
その面が国を汚していく
ずっと前からわかっていたの ....
ああ
タバコが美味い
もはや
この為に生きてた
もう
美味くてしょーがない
青春だ
希望だ
タバコがこんなに美味かったなんて
いや 知ってはいた
若い時を思い出した ....
手垢がついて
ボロボロに千切れた言葉たちを
螢火の瞬きで拾い集め
溜息の渦で洗濯し
風力3の西風にさらし
9度傾いたアイロンをあて
一針一針 丁寧にかがり
ひとつの僅かな理を編む
わずかずつそっと注ぎ続ける
砂時計の秒速に合わせ心情を
自分から外へ流れ出ていければ
世界の想いと自分の想いと
重なりあい響きあい、透過しあう
☆
光と色の織りなす海
....
知らないうちにミサイルが
説明もなく
市街地に配備される
守るのか的になるのか
紙一重
ミサイルめがけて
ミサイルが飛んでくる
そういう日は
ある日突然に
{引用=
....
おしゃれな場所になど
行かなくていい
あなたの特別な場所に連れてって
少し緊張してしまうから
会う前には
コンビニでビールを一缶飲んで行く
お昼ご飯はファミレスで
おしゃべりするとき ....
意識の薄明かりの今に至り耀き放ち
夜陰の奥にひっそりと潜み開け広がり
なにひとつもう意味なさぬから
あぁただ声の響きのみ此の世成り立たせ
凄まじくも美しき旋律和音の律動するなり
今日は結婚記念日
親友の誕生日と一日違い
いつも、どっちか分からなくなる
親友の誕生日を思い出してから
結婚記念日を思い出す
おそらく 夫の方は完全に忘れている
試しに ....
小数点以下にぶら下がっている
おまけみたいな存在
それが僕だとしても
四捨五入で一の位に片足入れるように
坂道を息切れしながら上ってゆく
割り算に散々悩まされる夜
整数だけではいられな ....
砂漠の聖女たちは
ボロボロの服を着て
男の性欲の捌け口となる者たちだった
ある時は暴力
ある時はこの上なく優しく抱かれても
声を上げることもなく
無表情に
スタスタと立ち去るのだ
彼女 ....
「希み」
読むと身体が
ふわっと一瞬宙を回るようなものだ
そのように
わたしは良い詩を定義する
うっすら
傷めいた粒の光を縒ってこさえるんだ
そんなあかるさが
詩なんだよ
....
ひかりのひびきのいとの
たぐいよせられはなたれ
またたぐいよせられ
さくれつする
しこうせいめい
からみあう
いちおんいちおん
鈴の音の
脳髄遣い雑音と化すまで 、
光り響き ....
休日は早送り
眠りすぎたツケは
月曜日の朝やってくる
眠れなかった早朝に
家を出て駅へ向かう
すでに家の前を掃き掃除している人がいる
何も特別じゃなかった
これでいいんだ
平日 ....
恒星がブラックホールに飲み込まれ
押し潰されるとき
太陽100兆個分の輝きを放つ
そんな終わりが良い
時の螺旋に屈服し
今しも最期を迎えようとするならば
ひときわ強く
輝いてみせ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17