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鈴の音鳴る鳴る
後頭部 、
いつの間にか
シャンシャンシャン
知らず知らずに明るむ意識
自らの影踏み自らを拡げ
光と色の織りなす海
音響木霊し絶え間なく
生まれて死んでまた生まれ
....
世界一平和な街を知ってるか
ここの住人は皆、親切で
争いが一切ない
穏やかな顔をしたひとびとが
楽園のように暮らしている
窓際には
嘘を飾っていた
嘘の花や観葉植物が
いかにも嘘み ....
夢のなかで喋りすぎて
目覚めた朝の喉は
砂漠の楽器
おはようの声は
なににも震わせず
深い秋の空気に溶けていくだけ
あたりまえのような朝が(声が)
あたりまえに訪れるわけではない ....
初めて上京したとき
田町から浜松町まで歩こうとして
迷子になった
まだスマホなんてない時代
住宅街を彷徨いながら
東京砂漠を実感
昼間なのに誰も歩いてない
ここで野垂れ死ぬのかと真剣に思 ....
白鷺の伸びやか宙空滑走し
冠雪耀く富士の遥かな地平
見えるもの追い逃さず
眼差す視界の眩めきゆらら
見えないものすら今、見えるものと
仕事をしくじった
あれだけ丁寧にやっていたのに
しくじった
心苦しさが胸を重くする
このオモリを抱えるのは
なかなか無いことなので
自分を観察することにした
・
当日 ....
この恋に
いのちを賭けても良いのだと
あなたは笑う
紅の薔薇のようなひと
ジプシーの女王様みたいだ
情熱的で奔放で
風と共に生きる流浪の民
安らうことなく憩うことなく
男の腕の ....
人に棲みつく悪の夜夢の響
同仕様もない重しと成りて
決して過ぎ去らない恐怖
他人の助け最早在り得ず
もうとっくのとうにして
絶望に絶望し諦め切り
尚も瞑目ノ内に いざや
何とも懐か ....
奥域の意識の最果て
醸し出す
この私である
のなら 、
意識のわたしの中に
入っていけない
から とても苦しい痛い
苦痛なのです、
何れ
わたしが遺体となるを
見届けながらも ....
夜が優しく唄うから
目蓋を縫うように
眠りが訪れる
金の雫
銀風鈴の涼やかな音
木々の聲
いずれも影を纏って沈んでゆく
不確かさは予定調和を破り
Aの調律を繰り返す
斜め60度の逆上 ....
窓の外には
まだ黄緑のイチョウ
西日に照らされて キラキラ光る
その光を受け
陰影をまとい輝く
窓辺に並べられた白い陶器たち
ほとんど目が見えなくても
こんな繊細な作品を生み ....
哀しみに崩れ落ち
生きながら麻痺し
尚も未定形の想い
抱え込み育みながら
日々の金勘定忘れず
七色に走る霊の打刻
行使する肉身鍛えつ
夜陰に至り病発作
意識溶解しかかる
上唇に木 ....
久しぶりの神戸
妹と二人で往く
生田神社は朝から多くの参拝者
ほっそり引き締まった狛犬を眺め
お詣りしてから坂を上る
異人館通りを右に曲がって
ハンター坂を横切り
賑わう北野 ....
午前2時の沈黙は
私を深海へと{ルビ誘=いざな}う
そこにあなたはいない
私はゆっくりと呼吸しながら沈澱する
ひかりも届かぬ真宙の海で
腕も脚も折り畳まれたように
小さく蹲り
このま ....
上弦の月 、
膨らみ帯びつ
円周描く折まで
見えるもの観入り
住む庵の翳り始め
絶えず内に雨降り頻り
濡れそぼり崩れ続け
地に 砕かれる時
煌々と満月 、
陽の光受け取り
....
新しい住居は
川のほとりだ
川と言っても濁ったドブ川の色をしている
生き物の気配はなく
夏は悪臭を放たないか心配だ
近所のスーパーまで2キロある
コンビニと薬局が側にあるだけましか
....
しろいノートに
さびしさを
書きつけてゆく
ちいさな
ほほ笑みの気配
忘れた喜びに
さようならと またねを
贈る
ささやかな
手のひらの温度
青空へ 千切れる
雲
風に ....
散開していく意識の束
思考も感情も意志も
ばらばらばららと
死の宴に焚べられ
さようならさよなら
嫌いも好きも私事執着
皆ぃんな何時か諦められる迄 、
雨の降り続く 容赦なく降り続く ....
この街は
ずいぶん私に親切だった
適度に田舎だけど
不便なほどではない
この街が好きだった
春はヴォーキングコースが
桜の花ざかり
満開のトンネル
散る桜の吹雪
夏には
西 ....
今宵 上弦、白銀の半月
すぱっと夜空に切り取られ
何度も写し取られ来た
時の打刻、垂直に
イノチのチカラの
絶えること無く
宇宙エーテル透かし彫り
思考力動が私の脳髄踏み
....
荒涼と大雪原
垂直に落ち来る盾、
何ものにも靡くことなく
打刻される時の 最早誰も居ず
私ひとりの魂 ひとつ、
思考流動の奥底から
白銀の光り輝き出る
上弦の夜 呼び込みつつ ....
公孫樹が色づき始めた
少し冷たい朝
アイスコーヒーとホテルブレッドを齧る
冬でもアイスが飲みたい私は
自販機のコーヒーがホットばかりで
困ってしまう
秋色の街を歩けば
髪を切った分だ ....
ぽぉんぽぉんぽぉん
柏手三つ打ったなら
響き光り放ち映像となり
まぁるいまぁるぅい
円を描き返って来
肉のぶつかり戦う音
ぱんぱんぱん
掌魂の交わり喜ぶ音
ぽぉんぽぉおん
ぽゎぁ ....
生まれて初めて見た
こんなにも沢山のチマチョゴリ
京都で暮らしていた頃
頼まれ仕事で
結婚式場へお弁当を届けにゆく
式場は由緒ある場所
黄緑の木々が繁る、厳かな静けさの中
黒光り ....
新聞という情報ツールに
改めて、心底感心させられる
新聞配達をしていた十代の頃
それは重くて辛い紙束
それはただの新聞紙
日曜日の午後、夫の髪を染める
風呂場へ行く夫を見送り
足 ....
今のお米は汚れてないから
研ぎすぎると旨味が流れる
昔は精米技術が未熟で
糠が米に残っているから
水が澄むまで研がないといけなかった
米を研ぐように
感覚を研ぐ
お腹が空いてない時は ....
そらの水槽を
ゆっくりと魚たちが滑空してゆく
僕たちの教室は
まるでへばりついた岩影みたい
どこにも行けない窮屈さで
ぶつかり合う金魚たち
尾鰭や背鰭がひらひら
揺れ惑う
こころだけ狂 ....
全ての果ての全ての果てを
物凄い速度で追い越し
光の街路を遡り
取り囲む風のチューニング
避けようもなく吸い込まれつつ
意識の奥の奥に自ら敢えて入り込む
★
いつしか此処 ....
巨大なるもの暴走する
わたしの頭のなか
知らない私の真っ白な視界
廻り巡り廻り巡り
次第唐突
つぅうと垂直
舞い落ち流出する
萎びつつ在る物抉り出し
もう用済みだと 、
....
やさしい詩を
夜に編みたい
たとえば
晩ごはんのポトフが
美味しくできて
舌を火傷したこと
たとえば
昨日は晴れてたのに
朝、洗濯をし忘れて
また晴れの日を待っていること
たと ....
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