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冷たい雨が降りだした町に
冷たい夜がやってくる
夜明けはいつも遠い
トーストの微笑みも
紅茶の雫も
珈琲の湯気も
夜明けの向こう側にある
手を差し出しても
触れることができない幻を
 ....
これからもっと
楽しい世界が待っていると
信じた反面
打算もあった
地に足がついた
安楽な暮らしが欲しかった

愛されていない女の末路は惨めなもんで
愛する女に愛を囁き続けたあなた
 ....
憎んだのは
あなたがたじゃない
夫と花の名前を持つひとだ

憎んだのは
有り難いことに
過去の話だ

誰も
私自身にさえ
歩き始めた陽のあたる道を
邪魔させやしない

過去の ....
ふと目が覚めた

午前2時48分の沈黙は雄弁だった
部屋がいつもより広い
1万ピースのパズルを
引っくり返したみたいに
寂しいが散らばっている

布団からはみ出した
肩が寒い
暖め ....
たんほぽの
綿毛がふわりと
飛んだような感触があれば
思い出してほしい
遠くに住んでいるあなたに
ひとめ逢いたかったのだと

カスミソウの
儚い面影があれば
足を止めてほしい
他人 ....
クリスマスフラワー
緑と赤が
なぜ、クリスマスの色なのか
知らない
(ツリーとサンタ?)

師走の浮き足だった時期に
真っ赤に燃えているように見えるポインセチアは
どことなく厳粛な楽し ....
生きていたくないひとが
生きているだけで
エライと思う

死にたいってことばにするのは
ことばにしなきゃ
本当に死んでしまいたくなるからだ

死にたいって
ことばにするのは
本当は ....
おいでよ
ここへ
何か一緒にうたおう
なみだが溢れるならば
もっと泣きながら
嬉しくて舞い上がりそうならば
喜びのままに
あるがまま
あるがまま
誰もこころに嘘をつかなくていい
そ ....
 隣のトロ取ろう
 とっ取ろう

宮崎駿監督の「隣のトトロ」の下町人情風にアレンジした映画が遂に完成。
高知劣監督 「隣のトロ」。

     ※

年金支給日に、2ヶ月に1度の贅沢、 ....
あなたがほかの{ルビ女=ひと}と
仲良さそうにしていると
ざわめきが立つ
これは嫉妬と呼ぶのだろうか
所有欲なのだろうか

愛。
ということばは
書くはしから安っぽく穢れてしまうので
 ....
胸の奥にしまいこんである
宝物みたいな想いは
大切すぎて
詩にかけない
たった五文字
ことばにすれば
安っぽくなる

このままずっと秘めたまま
また帰ってきたぞえ
ひさしぶりやね
元気にしよった?
お母さんと仲良うやりゆうかえ
約束通りに
わかばと土佐鶴のワンカップ買うてきたき
まあ、ゆっくりやりや
そうやねぇ
一年でいろいろ ....
バスタ新宿は
ひとの群れでむんとしていた
二酸化炭素が多くなって
何となく甘いような
粘度のある空気
ひとびとは
疲れてみえた

帰るのだ
(いえ、行く)
懐かしくもない
私を拒 ....
自然と目が覚めた

夜明け間近でまだ暗く
暗闇に揺蕩いながら
明けゆく空に
身を任す

誕生日
私が生まれたことに
意味はあったのか
なかったのか
たったひとりの自分に戻り
問 ....
降りだした雨は悲しかった
いつもの道に咲く花々も
項垂れている
朝は洗濯物が
どこのベランダでも賑やかだったのに
急に閑散として
残った洗濯物は何も言わない

こんなことを悲しいと思う ....
ありがとう
優しいひと

宛先のない手紙を空に向けて飛ばす
風が想いを運んでくれる
逢いたいと願うだけでは
足らなかったの?
自分が自分を邪魔するように
伸びすぎた前髪が視界を遮るから ....
部屋から
電車の走る音を聴くと
安心する

疲れたひとびとが
ゆっくりと
家路を辿っているようで
これから癒す眠りにつくひとびとや
眠れずに夜通し起きているひと
いろんな葛藤があり
 ....
まだ1ヶ月以上あるというのに
この時期になると
街のいたるところに
イルミネーションが灯りはじめる

一個人の家庭から
木々のこずえ
待ち合わせの広場

イルミネーションの灯では
 ....
姉は
母の遺影だけ渡してくれた

お父さんのは?
とは聞けなかった
彼女の中では
一生赦せないひとだったのだろうから

母の情の{ルビ強=こわ}さを受け継いだ姉
酔って暴れる父を
 ....
突き抜ける青さは曇りなく

一点の雲もない
どこまでも恒久の青
360° 全部 青
水色でも蒼でもなく、青

(雲が無いのは空気中の湿度が低いからだ)

あまりにも高くて
酸欠にな ....
南向きの陽当たりの良い縁側で
母は新聞を読むのが好きだった

そこは
冬でも小春日和で
いつも長閑で寛いでいた
母もまた然り
これと言って趣味がなかった母だが
いつもの厳しさはどこへや ....
15年続いた結婚は
ロマンチックじゃない
愛してるもなければ、きゅんともしない

15年続いた結婚は
穴の空いた靴下と電線したストッキングだ
みっともないところもだらしないところも容赦なく ....
手垢がついて
ボロボロに千切れた言葉たちを
螢火の瞬きで拾い集め
溜息の渦で洗濯し
風力3の西風にさらし
9度傾いたアイロンをあて
一針一針 丁寧にかがり
ひとつの僅かな理を編む
砂漠の聖女たちは
ボロボロの服を着て
男の性欲の捌け口となる者たちだった
ある時は暴力
ある時はこの上なく優しく抱かれても
声を上げることもなく
無表情に
スタスタと立ち去るのだ
彼女 ....
恒星がブラックホールに飲み込まれ
押し潰されるとき
太陽100兆個分の輝きを放つ

そんな終わりが良い

時の螺旋に屈服し
今しも最期を迎えようとするならば
ひときわ強く
輝いてみせ ....
美しい祈り
柔らかな陰影が
世界を自在に象ってゆく
無防備な赤子が泣くような
切実さで
祈りは折り畳まれる
切迫早産する未熟さの
後に来る
大いなる実りを
刈り取る準備は
まだ出来 ....
踵の高い靴が履けない
ファッションで履いてたヒールは
いつしか脚が疲れるようになり
つんのめることも怖くなり
歳と共に
押し入れの奥に仕舞われた

スカートに似合う
低いパンプスが履け ....
月神は灰塵を踏む
死者たちの骨灰が
静かの海に降り積もり
夜を呪詛するように
祝福するように
鳴く月の砂漠を歩く
風もなく
極寒も灼熱も
容赦なく巡り廻る月に
音だけがある

1 ....
世界一平和な街を知ってるか
ここの住人は皆、親切で
争いが一切ない
穏やかな顔をしたひとびとが
楽園のように暮らしている

窓際には
嘘を飾っていた
嘘の花や観葉植物が
いかにも嘘み ....
初めて上京したとき
田町から浜松町まで歩こうとして
迷子になった
まだスマホなんてない時代
住宅街を彷徨いながら
東京砂漠を実感
昼間なのに誰も歩いてない
ここで野垂れ死ぬのかと真剣に思 ....
けいこさんのりつさんおすすめリスト(46)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜と雨- りつ自由詩8*25-12-13
後悔- りつ自由詩2*25-12-12
我が道- りつ自由詩6*25-12-11
パズルピース- りつ自由詩3+*25-12-11
花束- りつ自由詩4*25-12-9
ポインセチア- りつ自由詩4*25-12-8
そのままでいいんだよ- りつ自由詩8*25-12-7
うた- りつ自由詩5*25-12-5
隣のトロ- りつ自由詩3*25-12-4
祈り- りつ自由詩4*25-12-3
たった五文字- りつ自由詩3*25-12-3
墓参り_2025- りつ自由詩4*25-12-1
高知行き703便- りつ自由詩6*25-11-29
ある朝に- りつ自由詩9*25-11-29
沈黙の聲- りつ自由詩7*25-11-27
ちっぽけなラブレター- りつ自由詩7*25-11-25
夜は優しく- りつ自由詩5*25-11-24
電飾の蛍- りつ自由詩5*25-11-21
遺影- りつ自由詩5*25-11-20
冬空- りつ自由詩6*25-11-19
縁側- りつ自由詩5*25-11-18
結婚は、- りつ自由詩4*25-11-15
詩、- りつ自由詩3*25-11-14
砂漠の聖女- りつ自由詩5*25-11-12
ブラックホールフレア- りつ自由詩4*25-11-11
美しい祈り- りつ自由詩2*25-11-10
スニーカー主義- りつ自由詩6*25-11-9
月神- りつ自由詩5*25-11-8
嘘の街- りつ自由詩3*25-11-7
東京- りつ自由詩4*25-11-6

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