すべてのおすすめ
空が青い
一車線道路の縁石で
鎮座ますコーヒーの空き缶は
吹きつける生ぬるい風に
耐えている
一枚の白紙のような
灼熱の路面に立っていると
なにも見えなくなって
....
半月の
白い薄雲に
まぁるく円か
取り巻かれ
薄っすら真白く耀き在り
ただただ綺麗だと
夜の天空を仰ぎ見て想い、
もう少し りらっくすらっくす!
苦痛苦悩はお互い様々だけれどね、
....
この夏の夕べ、
斜光の残響に染め抜かれ
真青に暮れなずむ天空仰げば
外にあるもの余りに美しく
もはや外にあるとは想えずに
内にあるも内にあるとも想えず
暮れなずむ真青に ....
ガス燈の灯る、
光の街は
地図にない
ヴィヨンの橋影が
夜の流れに
揺らめいている
街行く人も
名を伏せた仮面のまま、
濡れた石畳の道を
忙しく
通り過ぎた
裏通りの女も ....
半月を過ぎる未だ手前、
夜陰の上弦引き絞り
闇に閉ざされた弓の
残りの弧 夕刻から
薄っすらと今に黒光り
浮き出し円を描く折 、
想い一にして人の脳髄に
影踏み落とす自我それ自体
....
未来の道筋 自ら司り司られ
沈黙の凝縮の一点と向かい合い
、
動きは時は止まり留まり続け
チンケな卑小な私事から解き放たれ
五年だけ時を共有クロス離れ愛
しっ ....
本当を知るのが恐い
わたしたちを
グリーンスパイクは身を震わせて
時に火の息を吐き、
ふり落とそうとしている
ただ振り落とされないために
回転するスパイダー咲きの
....
夏風の朝にチューニング
渦巻く想いを宙に散らし
サマーキャンプファイアー
波打ち際で燃やし尽くして
愛という名の灰に燻る滑床の夢
鮮烈な手触り残し宿るプネウマ 、
自らを諦める ....
信号機の青 と、
群青色の空が重なって
眩暈に吊られてしまいそうになる
一日の仕事が終われば
世界の一日が始まる あさぎりの夏
また朝刊二軒分ほど残ってしまった
むろんわたしの ....
肉身の腐敗し
土にどろろ溶け
地に合一し果てる末
初めて宙に
噴き上がる血飛沫
祝福と反感の矢を浴び
見えないもの観え
引き延ばされた瞬間 、
感謝と恥辱の渦に巻き込まれ
こ ....
運転中
不意に現れ 目の端で捉える
蔦の絡まる建物
もう、その時期か
あの夏から
幾度 高校野球が開催されたか
懲りずに毎年
十七歳の夏に引き戻され ....
遂に人のAI化が始まったか
これは序章にしか過ぎない
今の文化は模倣から始まる
勇者英雄のマネ聖女のマネ
マネーがあっても楽しいから
お金がなくてもコピーで満足
「それ ....
人、一人
死んでも生きていても
響き続け在り続ける
終わることなき
宙の想い 只
この世でのその展開を
それぞれの個性に依って
普き光の大洋から
掴み取り追創造する
唯一の媒介項、僕 ....
黒ずんだのこぎり屋根の原野を
仲間からはぐれたネズミが
逃げ走る
ところどころ噴き上がる蒸気を
蹴散らす西風
ちぎれ雲がコーラルに染まって
解体されないままの太い煙 ....
「あなたの物質の闇を吹き飛ばしなさい。そうすれば霊に出会うから。
あなたの霊の闇を吹き飛ばしなさい。そうすれば神に出会うから」。
──サン・マルタン
....
広くつづいた枯野の道は
骨ばかり
高く乾いた冬空に
黄昏月の悲しげな瞼の赤らみ
涙の匂いがしないように
化粧水をたっぷりふりかけて
いかなる慰めも求めていない
....
AIに向かってレスバトルを仕掛ける民を見た
いわく、おまえパヨクだろ、云々
なんとけなげな
人だと思ってるぅ~
im so happy cos today i found my fri ....
リズミカルに打ち寄せる波
灰白に崩れ浜辺に拡がり
漆黒の直線幾つも貫き、
後光帯びる今生の虚空、
やがて訪れる深い夜闇に
点る明澄な灯り震え揺れ動き
繋いだ手を離し
立ち上が ....
遠くサイレンの聞こえる朝
会社の広い敷地内にある
コンビニエンスストアのごみ箱へ
がらん! 落とし込まれる
リポビタンD の空き瓶
心地よい冷気を後にして
配属先の建屋ま ....
眠り際の訪れ、
最後の最高の最古の
際の少年の少女の
囁き叫び ささやか
祟るよな呪いのよな
尊い声のヒビキヒカリ
僕の私の眼を見てと
ちゃんとしっかり
じゃないと、
耳 ....
駅から出るとバスターミナルを
陽が独占する
発車して行くバスの後ろ姿へ
あつかましく輝きながら
瞼を伏せて立っているバス停の
シェルターで、高校生ぐらいだろうか
少年と少 ....
割れた鏡に映る
歪んだ顔の方が
むしろ自分らしいと
思うようになってしまった
LEDの蛍光灯が
いつまでもいつまでも
瞼の裏側に
忘れなければならない
汚れた記憶を焼き付けて
俺 ....
あの日
まだ遊園地があった頃
待ち合わせて出掛ける夕まずめ
武庫川に架かる橋には溢れる人
背の高いその人が
欄干横の塀に私を乗っけてくれた
スカートが風にめくれ ....
わたしはやっぱり
PARCOが好きだったんだなあと思う
むかしのPARCOが
好きだったなあと思う
津田沼PARCOには
何度も、何度も行った
アルバイトで貯めたお金で
ヒス ....
後ろから
触手伸ばすもの
前からやって来る
前から
やって来るもの
後ろから触手伸ばし
ある物たち、語りだすと
ひとつ ひとつ 又、ひとつ
しっかりあらんと
....
砂浜に
寄せる波の
持ち上がり
なびき倒れて
ぱたんぱたん
繰り返し繰り返し
寄せる波の
持ち上がり
なびき倒れて
ぱたんぱたん
そうして
いつしか
消える砂浜
わた ....
青空が遥か高く張りつめた時
草も花もない地上に
私は頼りなく立っていた
掌の感触は忘れていない
あなたの爽やかな顎をなで
たくましい肋骨を数えた
奇妙に光る瞳で私を縛 ....
今日に歩けば途すがら、
薄紅の花束のふんわりと
一年ぶりの新たな逢瀬、
さるすべり咲き開き
並木道進みいけば
みんみん蝉も鳴いていら
この夏に賭ける想い
正に自由闊達に
渦巻き流れ ....
人、いつか気付けば雪原に独り
何ものかに見られていると
怯え震えつふと見上げれば 、
巨大な眼差し、黄金の眼光放ち
夜陰の大空にびっしりと
定められた位置に静止しつつ
寒風の狭間に揺 ....
綿のループ
いくつもの群れとなり
ベッドにかけられれば一枚の布
ナイトランプに照らされて
月影を映す
手触りは
馴染んた人の肌のようで
撫でれば
もっとやさしく
わたしを撫でかえ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10