すべてのおすすめ
情報の火花を蹴散らして
どっしりとしたペースでやって来る
時代遅れと言われても
どこ吹く風に乗って舞い降りる
季節の挨拶は気取ったものではなく
「今日も暑いね」と軽くひとふで
想う時間 ....
{ルビ臥所=ふしど}の窓に霞む
雷鳴
光もなく
闇もない
くだらない{ルビ土塊=つちくれ}の隙間から
悲劇は生まれ
廻転する天球に連れられ
やがて
全地を覆った
命なんて無いに ....
さて
最後に一つ
なすべきことは
すべてを忘れてゆくことだ
これまであった
かなしいことも苦い思いも
少しずつ手放して
そっと身軽になることだ
よろこびも楽しい思いも
もう十 ....
夜空に雲たちが浮遊していたが
いくつかのそれは白い馬だった
わたしの馬はどれだろう
目を凝らしてみても
それらは似たりよったりで
見分けがつかない
夜に生まれたものたち
東の空に出たばっ ....
死にたい
と
時には
私だって
思うこともあるのだった
でもさ
わざわざ自殺しなくても
いずれどの道
死ねるんだよ
だから
わざわざ自殺なんかはしない
と
決めている
それに ....
夜のカフェで
手を繋いだね
本当はダメだった
アイスコーヒーの氷が
溶けるまで
ガヤガヤした闇と
白いマーブル
塔が
キラキラしてる
骨を
撒くとしたら
光の中がいい
今朝
植物たちに水遣り中
衝撃が走る
私のサボテンが
土の上に倒れていた
唖然としていたら
「サボテンがコテン」
チラと見た夫が言う
西宮から一緒に越してき ....
二両編成の電車は定時を守り
JRに乗り継げる駅で吐き出される乗客
足を踏み入れる車両には
見知り顔の人もいる
まばらな空席のあるロングシートで
深く腰を預ける彼らはただ目をと ....
ひとつの時が停滞し
その膝の上わたしは猫のよう
乳飲み子の舌の音
水の音色をさかのぼる
叢に覆われた
つぶれかけた空き家の中で
ひとりの少女に会った
帰る場所がないという
行き着く ....
探して消せない恋をして
いつまで経っても恋をする
よるは僕たちふたりの終わらない時間だ
それだけ抱きしめ夢を食べようよ
なんの自信もなくできることもない
最後まで食べきれな ....
重力に逆らうように
ベットからズレずに起きる
スマホを流れゆく画面から
ヨーシャンクのビールを飲む動画が
なにかを悟らせる
とにかく冷水を飲もうと
あしもとを確認しな ....
雨に濡れた道をさ迷いながら
私たちは
雨宿る場所を探さなかった
少し冷たい10月の雨は
火照ったこころを心地好く冷ましてくれた
越えてはいけない一線がある
私たちは同じ曲を小さくハ ....
ネット詩30年を語ると一番近いのはNARUTOなのかな?
豊満なボディのナメクジ綱手も実際のところ居たわけだし
江戸時代後期に遡れるとても由緒正しい物語りだったわけ
ai(advocater ....
みんながみんなのなかの何かを
だいじにおもい時にそれをいとしがっている
(そんなものはちっとも無いという誰かもあわれにうつくしい)
そのことを想うと
一々
ぼくというでしゃばりは要らない気が ....
悪夢から覚めたら
すべてが夢だったとの
夢をみさせて
厳しくない街なんてない
優しくない君がいないように
わずかばかりの運命の齟齬が
なにかを大きく狂わせるんだね
....
たった一滴舞い降りて
たった一刻
あなたを潤す露となりたい
それは結露だとひとは言うでしょう
雨粒と言うひともいるでしょう
けれどそれは
もっとも純粋な想い
幸せであれ
と祈る私の涙が ....
自分の醜さを知っている
家族も私を捨てようと思ったことさえない
声を上げないから分からなかった
悪夢を生んだと
スミレという名の
愛する世界
歌うことがすべてだった
誰もいない
....
{ルビ巨=おお}きな人体の
頭がこの地に
脚が 少女の碧眼のような
空にあり
遠い月から 無数の
羅針盤と目玉とが降ってくる
羅針盤の磁針も 目玉の瞳も
{ルビ出鱈目=でたらめ}な向きを ....
今、此処、今、此処と
音も立てずに通り過ぎていく
君はどこにいるの?
僕はどこにもいない
隠れてないで、出てきてよ
別に隠れてなよ
僕はいないんだもの
だ ....
道に迷わない
迷わない街だという
東西南北にちゃんとわかる山があり
それを目印にすれば行きたいところへ
行けるという
ちょっと
ホントかなとか想ってしまうが
それはこ ....
風はほどよく
乾いていたと思う
光はここちよく
和らいでいたと思う
丘の上の
大きな声で呼ばなければ
気がつかないあたりで
君が花を摘んでいた
君の名前を
呼ばなかったの ....
雨が降る
季節の隙間に
ぼくの代わりに
泣いている
君に届かないのは
違う景色見ているから
雨が降る
ぽっかり空いた心に
ぼくの代わりに
泣いている
始まらなければ
....
誰かが落とす事実は僕を歪めていく
ダイレクトに目撃したものですら
ゆがんで感じてしまうことがある
自分の感情ですら疑いながら足跡を決めていく
僕の前提は経験なのか歴史なのか
手がかりは ....
タコ助八さん
10なのにタコ助八さん
中途半端な秋を表わす
深緋のホンアマリリス
秋を堪能したのならば
すぐに冬山に備えよう
君の為に詩を書いた、と
彼は明け方テーブルでコーヒーを飲みながら
呟いた
永遠になればいいね
と私は布団の中でうずもれながら笑って
外では朝日がおどり、鳥達がおどり
秋 ....
私が産まれた九樹の家は
もうない
それは不動産上
他人名義となっただけなのだが
喪失感は計り知れない
一年に数回帰った故郷
夏は藺草の香りの草いきれ
滅多に食べられない
インス ....
なんとなく
の生き辛さが
ここのところ毎日のように降っているなと思っていたら
とうとう玄関先にうっすらと積もり始めた
なんとなく
踏みしめてはいけないような気がして
おそるおそる
....
信じられない悪魔が
あのときの罪を信じさせようとする
親友が浪漫の香りに満ち満ちて
野に咲くけなげな白い花を
好きなタイプと想ったか
素粒子は
天面輝く星になり
ただ悲し ....
白い紙の恐ろしくも先の見えない空間に
黒インクが切り刻んでいく
それでも、白い紙は抵抗を続ける
それでも、黒インクは手を緩めない
白い紙に黒文字が浮き出してくる
ステ ....
狂ったように
アラームが鳴り響く
夢を壊す
目覚めが
無意識を殺す
夜が見当たらない
奮って
闘いに出かける
心の声はしまい込んで
無を召喚する
鈍感になって
刺さったものを ....
1 2 3