埃っぽい風に。
影は躓く。歩幅が踊る。

冷めた肌に田園風景。
サヤに行儀よく並ぶ蛙。
未だ冬眠している。

沢山がぶら下がる卵胞を、
睨み落としたくて。
見つめた後に瞼を ....
男女の関係はありませんが
オーラルの関係にはありました
えっ?それを男女の関係と言う?
いやいや(苦笑)
オーラルの関係は
男と男、女と女の組み合わせでも
成り立つ訳ですから
それを男女 ....
人はみな明日がくると   
思っている

たがその未来は      
不確定だ

何が起きても       
おかしくない未来がある


死神の 
姿はみえなくても

その足 ....
事故みたいに綺麗な太陽だった。夏が俺のまわりをまとわりついて鬱陶しかった。俺はそれを拭って足元の水溜りの中に捨てた。すべてが微妙なバランスの調律の上で成り立っていた。俺は狂っていたんだと思う。ピンク色 .... 黒い空から夏の問いが、
身体に差し込まれて
意思の間隙で
するどいものが窺っている
虫の音を風が運んだ夜に
生きるものはみな静かに重なり
目を瞑っても怖くはない

視線を置きわすれては ....
虫の音が聞こえてくる
身も心もおちつく。

闇におちるように
なにもかも預ける。

夢は覚めてゆく・・・

「気持ちがいい
ひといき入れようか」

「お茶をいれてくれ
おちつい ....
りーりー
りりり と
鳴いている

耳を澄ますと
少しずつ違う音色で
合奏している

パソコンの中から
聞こえるようで

二階の窓から
見てみると
明るい夜空に
透明な羽根 ....
うちの猫はもうすぐ十二歳になる
この二、三年 もう駄目だと思う時が
何度もあったので
いつ死んでも不思議ではないだろう
祖母は施設にいるが、もう九十五歳で
いつ知らせが来てもおかしくない
 ....
薄曇りの空を浴び
錆びたトタンが発色する
剥げかけた というよりも
薄い金属の表面を
浸食している赤ペンキ

腐蝕しながら
守るべきものを阻害していく

かつては輝きそのものであり
 ....
みどりいろした
星をなぞる指先が
燃える
やわらかい
歯をたてては
めいめいにいのって
慈しむ紺色、宙をけって
絡まるいばらが
すきとおる喉元で
ひろいあげた木の葉の
ささやかな屈 ....
空の城址、たてがらの
緑照り映え、草いきれ
この八月の末に吸い込めば
穢土の悪臭、一度ならず二度、三度
襲い来るのは必定にしても
透明な緑の叡智の詩想の許に
たてがらの空の城を現にせんと
 ....
生きる
生ききる
息切れる
それでも生きる理由は何故

未来があるなんて信じてないよ

生きる
生ききる
息切れる
それでも生きる理由は

ただ 死ぬ理由もないからさ
独身最後の八月のその終わりに
痛みに耐えかねてわたしは
あなたの部屋の
あなたの冷蔵庫を開ける未明

みつけられずに
カニカマを消極的に選んだ
食べ終えて そして胃薬とバファリンとを
 ....
偽善で覆いつくされたこの世界はいつも
優しい言葉を待っているのか待っていないのか
閑寂の中に一抹の寂しさを覚えるのは
大人に慣れてしまったのか
人は簡単に人を裏切る いつもだよな

偽善で ....
心象風景の中揺れている黄色い花
花の形は竜胆に似ているウコンの花
本来ウコンの花は、黄色でないことを知っているわたし
本来は 桜貝のような色や白絹の純白な色の鱗のように重なった淡い緑の苞の中に遠 ....
充血した虚無
 断層に突き刺さった骨
  陽は傾き
   死者達の視線が
   白壁に乱舞する
  茜の色を
 遠い目で見ている
俺の傷みは血を噴き
十代の少女たちが
金のために
自分の体を
見知らぬ大人たちに
すすんで売っている
「金ファースト」の少女たちがいる
こんな日本にだれがした!
我々大人なんだよな、結局
今宵
こころゆれる 
月を鏡にうつし
ひとみをとじる

なみだ 
ひとしずく零れる

ながれる
ながれてゆく
星のうずにとける

ささげる祈り
ゆらゆらと天に

しらとり ....
まわり続けていれば
倒れずに
ほそい息を繋ぎ
うたうことさえできそうで

こころなくして
忙しくまわり続けていられさえすれば
支えてくれた背骨の芯も
とうに抜け落ち
まぼろしだけだと ....
ガラスのように光るその蛇は
青草の影を躰に映し
すべらかに移動していた
怖くはなかった
わたしを無視して
まっすぐ母屋に向かっていくので
なんとか向きを変えさせようと
木の枝で
行く手 ....
二時です
虹です
やぁこんにちは!

夢の中で
トイレを流す音を
聞いたけれど
雨が降ったんだね

五時です
誤字です
まだ眠いでしょう?

日が落ちる頃に
書いたノートは ....
いくら地図で示されても
いつも時はやがて落ちてくる
黄色い星型の葉の川
喰えもしない栗の実
それでも未だ
ぼくの粗末な宿舎を支配している
年老いたアンパニ族の長
「義務!力!勝利!」
 ....
なにかが流れでて
わたしが生まれ
太古のひかり
夜のそこから
力を貰い
未来のひかり
わたしから流れでる

捧げられ 捧げる 全ては捧げもの
ログインしていません


部屋が焦げ臭いと思ったら
灰皿に捨てた爪
ついさっきまで自分本体の先に
ついていた先っぽが
灰皿の中で焼かれて
それが鼻から伝わって
焦げ臭い
控えめに ....
何故だろう君と一緒に居るだけで曇っているのに街が輝く


遊園地テンション上がりすぎた君地球にはない言葉を叫ぶ


「教科書を食べれば賢くなれる」と言う君はバカだなほんとに好きだ
円が次々と
生まれ出て来る
赤紫の雲海から
伸びゆく棒状三角が
木霊しながら
円たちの脇を通り過ぎる

見開く両眼、輝き彷徨う
宇宙という詩のキャンバスを
遠く轟くのは雷鳴
それとも記憶の彼方の爆音

或いは過ぎ行く夏の
名残の花火

下駄を穿いていた
裸足のくるぶしを
風がくすぐり

バッタが跳ねる草の道

また明日遊ぼうねと言 ....
黒焦げのアカツメクサを労うように
レースフラワーが風に揺れ
夏が終わると歌っている
排気ガスまみれの分離帯にも
芽吹いた種は繁らせた
波打つ夏の色

色褪せた空のキャンバスに
ぽたりと ....
思いついた言葉をならべ
魚の様に泳がせては眺め
それを繰り返していた

嫌な湿気が躰にまとわりつき
汗が流れ落ちる

手招きするように日は暮れてゆき
無為に過ごした日々

庭の向日 ....
消え入りそうだったんだ
夜明け前に
悪夢で目覚めると
孤立に窒息して
消え入りそうだったんだ

そんなとき
何気なく手を差し伸べてくれる隣人が居た

「水が欲しいんだろ」、
ってト ....
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