心の隙間に冷たい空気が流れ込んだのは
中が温かくて外が寒いからだっぺ

ごくごく当たり前の現象が
起きた訳さ

人間の心ってやつは
難しいようでそうでもなく
簡単なようで複雑だから
 ....
愛が上に乗って
情が下から支える格好は
たとえば我が子を肩車する父親かも知れなかった

でも
上下関係がひっくり返って
愛が情の下敷きになったら
重なりあう男と女の体を連想してしまうのは ....
夜の下には現れない
白い色からのびる光
床に土に空に刺さり
細く細く動かない


赤い涙
まだ触れていない箇所を目に当てる
朝に止まる時計
左側の景の震え

 ....
さびしさを一個に丸め
見えない屑入れめがけて放り投げた
その度に外れる

さびしさは埃のように立ち上ってくるから
毛玉のようにまとわりついてくるから
いっぱいになって辛くなったら
コロコ ....
少年の勇気は無知と純のどちらだろ

まるで数万羽の鳥の群れが

クジラの骨でできたイカダにのって

星よりは遅く風よりは速く

目まぐるしく黒波を立てて旅にでる


教会の時計が ....
ピースが一枚足らない
から
埋まらないパズルなんて
世界中のどこにでもあるさ


あの人は言った

足のねじれた椅子や
蓋の開いた頭蓋
一向に進まない
アナログ時計が
音楽に ....
ギリギリの所で
何かにしがみついていた
ギリギリの所でも
足を踏み外さないために

生きるって何よ
未だにわからない
わからなくても
生きているから
生きていけるから

ギリギリ ....
もし心に穴が空いてしまったら
そこから抜け落ちるものの正体と成分を分析しようなんて
考えない方がいい

全てが無駄に終わるに違いないから

もし心に蝶々がヒラヒラ飛んでしまったら
捕まえ ....
外の暗闇は凍てつき
東京から見える星は
得てして飛行機の軌跡であったり
人の歩みは先が見えない

部屋の明かりは暖かく
柔らかい空気に感謝をしながら
それでも脳裏に息づく痛みは
凝り固 ....
  磨り硝子の夢のなかの
  喫煙所で ぼうとしていた
  鳩たちの群れる高円寺駅北口
  ふっていない雪は うつくしく
  心の端のほうで消し去られていく
たくさんの花に囲まれた君の目は
もう世界を映すことはなくて
みんな涙を流した
毎朝サイネリアに水をやる私の為に
泣いてくれる人はいない

君はうつくしいままの姿で
永遠に飾られる
私は ....
いつ爆発するかわからない
感情を抱えている
不安しかり
怒りしかり
マイナスの感情ばかり
溜め込んだ火薬庫
そんなものになりたかったわけじゃない
平均寿命男81歳女87歳
この数字にだまされては
いけない
健康で生活している健康平均寿命は
男71歳女74歳である
薬で生かされているというのが
実情ではなかろうか
医療保険がパンクし ....
才能なんて全くなかった

気付いた人もいるだろう

10年間も何やってたんだ

アイデアはもう枯渇した


才能なんて全くなかった

気付いた人もいるだろう

すべては過去の ....
トマトは
ただ
種を蒔きたくて
裂果する

ワタシは
カチカチに乾いた皮膚で
頑なにワタシで有り続けようとして
裂果する

どうやら
トマトより
慈しみに欠けるワタシ

ほ ....
夜更けに金縛りにされて
目が覚めているのに
体の自由が効かない

アパートの部屋の外は暴風と激しい雨で
なのに誰かがドアを思いきり叩いてる
訳がわからない言葉を叫び出して
ドアノブを回そ ....
○「健康不安症」
医者に
「特に異常はみあたりません」
と言われると
かえって不安になるシルバーがいる

○「自慢話」
孫自慢と健康自慢は嫌われる

○「突然死」
氷点下の朝に
 ....
格好つけるのはやめた。
小難しい詩を書くのはやめた。
都合の良い言葉で本心を隠したり、思想で自分を強くみせたりするのもやめた。

仮面としての言葉を捨てて、心から君と話したい。
武器としての ....
ネェ
彼女は初対面の相手にそう切り出した。
「ネェ、罰金って今すぐ払わなければいけないの?」
「罰金じゃありません。反則金です」と白バイの警官は言ってきた。
「どっちでも構わないけれどさ」彼女 ....
○今年は四十路になる娘が
帰省した
「結婚はしないの?」
と尋ねると
「うちの職場にはもうチビとデブとハゲしか
残ってないから」
という

○離婚した従兄弟が
帰省した
「再婚はし ....
むらさきの階段を羽をつけて降りていく

対峙するおとこと女はスーパームーンに

みじん切りにされて光や電子や素粒子に

観察者はどこにいってしまったのだろう

夜の歩道を老人が自転車で ....
雨にも匂いがある
その匂いを嗅ぎながら駅から自宅アパートまで歩いて帰った。さしていた傘が雨に打たれ、その雨音が私の耳に伝わってなりやまなかった。
傘から落ちる雨の滴が降りやまない雨に溶け込んで路上 ....
私の命に仕掛けられた花火
火をつけられて
打ち上げられた冬の夜空

大輪に咲いた花の欠片が
灰になってこぼれるように堕ちてくる
そんな筈はない

降ってきたのは雪
街はたちまち
雪 ....
人格者も
非人格者も
見分けはつかない

人は見かけでは明確な判断つかないからさ
私自身
自分がいい人なのか
悪い人なのか
はっきりと分けられないし

人間は複雑で難しい仕掛けで
 ....
真冬の寒気が囁いてきた
死にたくならない
単純に死にたくならない

殺してあげるよ
殺してあげるから
遠慮はいらない

真冬の寒気が凍りの息を吐きかけてくる
その鋭利な刃物に心臓を切 ....
もし
孤独に閉じ込められてしまったら
何とか脱出する方法として
異性を愛したり
友達を求めたりしなければ
ならない

だけど
愛は見えないし
友達は他に友達をつくり
そっちを優先す ....
若いときは

エネルギーが散らばりすぎてて

あたまやこころでわかっていることも

使いこなせていなかった

もっと大切なことがあるってことを

じぶんのなかにしか見出だせていなか ....
この文明地獄の街中で

僕はなんとか立ってるよ


いくらかふらついたけど

ほらこうしてたっているよ


君らは満足気に

ペンシルのひとつやふたつ

かざしているんだけ ....
次に生まれ変われたらサムライになりたい
士農工商の身分制度で
一番てっぺんに

もちろん天下泰平の世の中のサムライに

てっぺんと言っても殿様はちょっとイヤだな
たしかに正妻の他に何人も ....
音に揺れる木々。言葉も知らずに、歌を歌っている。
わたしもまた、歌を歌っている。歌うことで歌の意味が分かるような、そんな歌を。
生きる意味もまた、生きることでしか見つからないのだろう。
そん ....
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