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曖昧な態度のままで察し合うのが自然
と言葉で明示することもなく
顔や声音
目線や肢体の所作で流動的に日常をやり過ごすこと
に疲れもせずあなた烏賊のよう
嫌い
大嫌い
烏賊は好きだけどあな ....
      祈りと願いに摩耗した
己の偶像が神秘の面持ちを失くす頃
始めて冬の野へ迷い出た子猫は瞳を糸屑にして
柔らかくたわみながら落下する鳥を追った
薄く濁った空をゆっくりと
    螺旋 ....
朝早く
家族が眠っている間に雪かきをする
でないと外出も時間も困難になるから

白く美しい雪
儚く消える雪
だが降り過ぎるとまったく始末に負えない

気温が下がり切らないと雪は酷く重く ....
風が歌わない日にわたしたちは何を聴こうか
再生し続けることで乾く色彩の体温
その沈黙まで指先で縋るように諦めながら
待っているどちらでもないひとつの結末を


インプットしてきたものが違う ....
{引用=*吹雪}
また寝過ごした
慌ただしく時間を折りたたんで
結露の向こう 誰かが叩く
風のふりして泣いている



{引用=葉牡丹}
あまりに冷たい断り文句じゃないか
あまりに ....
あるテロリストが
 《ある勇敢な兵士が》

自爆テロで
 《ジハードで》

死んだ
 《殉教した》

無辜の人々を道ずれにし
 《異教徒や教えを捨てた者たちを倒し》

狂信者は ....
あなたを見るために
光を媒体にした
あなたを聴くために
空気を媒体にした


媒体なしにあなたを知りたくて
肌と肌を重ねてみた
そうして慰めを得ながら
無限の孤独を思い知る


 ....
アトリエに 違和もなく 海の 笑む {ルビ音=おと}
感傷の 気まぐれに 黒い蝶 化粧台で 殺し
逆らえない 四十万に 鈴の {ルビ急=せ}かし 空へ  
ただ 近く 月を 手に 取って
泣き ....
日差しは入り江を満たす穏やかな波のよう
ちいさな冬も丸くなった午後の和毛のぬくもりに
鉢植えの場所を移しながら
――古い音楽が悪ふざけ
週日開きっぱなしのトランクをむやみに閉め隅へ蹴る
―― ....
さようならアメリカ
たぶんぼくはアメリカが好きだった
ジーンズが好きだった
コーラが好きだった
ポテトチップスも好きだった
さようならアメリカ
自由と平等と人種差別の国よ
民主的で覇権的 ....
ハトが二羽歩いている
なにもない場所で
なにか啄みながら
啄まずにはいられない
生きるために
地べたを歩きまわらずにいられない


うまく歩きまわるには
首をふり続けずにはいられない ....
車の中のあなたは雨 避けがたくとりとめもなく

一つの今と一つの場所が移動する 相づちは質量を残さない

「モノローグ」そう題された つめたい彫像として心臓まで

こと切れたままのラジオ  ....
立てかけたエレクトリックベースの
三絃のペグが反射して
眼球の面をにわかにすべりながら
谷底に微かな光を届けている
祈る女の言葉に
二つに引き裂かれたのだ
気が付けばカエルやコウモリばかり ....
          草葉に風の足音
夏の光の深い底で焼かれる虫たち
夜に置き忘れられた
艶やかな目に乾いた夢が映り込む
生と死の歯車が柔らかく噛み合って
素早く回転する
  濃厚で豊満な匂 ....
神話が語らない
占いの及ばない
誰の願いも届かない
遥か遠く
暗く冷たい空白に
在って
在るからこそ放出する
己の核から外へ外へと溢れ
続け 続けて
やがて尽き果てた
非在の残像
 ....
くっきりと
光と影
鳥がくぐる
風の小窓
暑くなる予感

離れてそよぐ木と木 
その根が見えないところで
触れあって
幼い蝉のまどろみ
光の夢の歌声を聞いている

木はそ知らぬ ....
風が流れる
草木を揺らし花びらを散らし
風が流れる

雲が流れる
陰りを運び雨を降らせて
雲が流れる

水が流れる
岩を削り土を掘り下げる
水が流れる

人が流れる
道が整い ....
コンビニのドアが開き
ひらひら舞い出たモンシロチョウ
誰も見てはいない

光は雨みたいに激しく額を打ち鳴らし
影はつま先から滾々と湧き出している

こんな日だ
わけもなく後ろから刺され ....
十八歳はまだ子供だが
大人が思っているよりは遥かに大人だ

たぶん
若者が政治に関心を持つのは良いことだろう
だが若者を自分の陣営に引き込むための諸々の画策は
わずかばかりの党員予備軍を生 ....
足音は足跡から乖離する
帯びた意味を秘めたまま
けむりのように漠然と白い
地球を見上げる朝に
ちぎられた円環のビーズ
偶然が描いたあなたの星座を
子猫がシャッフルする
無邪気さと予感の熱 ....
わたしの愛しいお月さま
 借り物の光で身を装いながら
 あなたは女王のように天を渡って往く

わたしの愛しいお月さま
 ちょっと見わからないが肌は荒れ
 あっちもこっちも傷だらけ

わ ....
雨が降るのは拒めないが
雨降りに何をするかは選ぶことができる
濡れたくなければ家から出ないことだ
出かけるのなら傘を差せばいい
傘がなければ濡れるしかないが
傘を差しても多少は濡れる
濡れ ....
かなしいがいっぱいになって
泣きだした
よくとおる声で
しゃくりあげ
虐たいではなく
とおり魔でもない
がんぜない
わがまま
しわのない顔をせいいっぱいゆがめ
大つぶの涙おしげもなく ....
フロントガラスの向こう
傘をさした女が滲んでいた
雨にうなだれる花のように
あれは昨日のことだろうか


瞬間の感覚の飽和を無限と呼ぶしかなかった
悲しい詩人の形見 憂鬱
古い壜のよう ....
行倒れの男のように
靴が片方 ぽっかり見上げている
我慢しきれず漏らしてしまう
重苦しい空はぽつりぽつり
悲哀をくすぐりながら
見定めていたはずの世界を沈め
アトランティス   
瓶の蓋 ....
ある日夢を見た
大統領専用機をハイジャックして
銀翼のブーメランは肥えた豚の脇腹をえぐる
全ての核が夜明けのように地球を照らし
先史時代の遺跡に月が冷たく口付ける
砂場で遊ぶこどもの和毛が音 ....
今朝あなたの手紙の上
木漏れ日が踊りました
強い日差しは濃い影を生み
風のなすまま掻き乱されて
静止なんてありえたでしょうか
いつも新鮮で
動揺は隠せなかった
なのに
身じろぎもせず
 ....
冷たい灌木の素足を芝草が覆う
うぶ毛のようなスギナの森
露に閉じ込められて朝の光が震えていた

「友よ お飲みなさい
こっちは先に頂いています もうすっかり
辺り一面へ溶けだして ほら太陽 ....
   さえずりは無制限に落下して
 漲る心臓
内側からほどけ展開する
うすべに浮遊都市
生贄のメリーゴーランド
空を蕩かす視線を
 火の羽衣に包み
牡丹 
  ゆるりと爆ぜ
     ....
ワイシャツの袖から小さな蜘蛛

どこかで難しい事を考えている

道行き庭々の花に見惚れながら

かけらばかり指先をかすめて往く

陽だまりの深宇宙に不快はない

言葉もないからちょ ....
レタスさんのただのみきやさんおすすめリスト(133)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
奥さんあなたが嫌いです- ただのみ ...自由詩11*17-1-7
冬という病- ただのみ ...自由詩21*16-12-31
たぶんクリスマス- ただのみ ...自由詩12*16-12-24
陽気な二人- ただのみ ...自由詩12*16-12-21
とある一日- ただのみ ...自由詩9*16-12-17
瞬く間に- ただのみ ...自由詩13*16-12-14
黒点- ただのみ ...自由詩17*16-12-10
46×3- ただのみ ...自由詩13*16-12-3
鈍色の匙- ただのみ ...自由詩16*16-11-23
さよならアメリカ- ただのみ ...自由詩19*16-11-9
歩けや歩け- ただのみ ...自由詩14*16-11-2
ダブルスライド- ただのみ ...自由詩15*16-10-19
空の鍋叩き- ただのみ ...自由詩10*16-10-15
火葬詩転生- ただのみ ...自由詩14*16-7-20
星は美しく滅ぶ- ただのみ ...自由詩11*16-7-13
入口・- ただのみ ...自由詩9*16-7-9
流れる- ただのみ ...自由詩6*16-7-6
そんな日和- ただのみ ...自由詩12*16-7-2
政治と若者についての放言- ただのみ ...自由詩9*16-6-25
服毒説- ただのみ ...自由詩10*16-6-25
微笑- ただのみ ...自由詩13*16-6-22
雨が降るのは拒めないが- ただのみ ...自由詩10*16-6-18
がんぜないもの- ただのみ ...自由詩11*16-6-15
音楽が聞こえる- ただのみ ...自由詩9*16-6-11
ホロウ- ただのみ ...自由詩12*16-6-8
夢見ぬ人- ただのみ ...自由詩8*16-6-4
紙のドア- ただのみ ...自由詩11*16-6-1
不法投棄地帯- ただのみ ...自由詩13*16-5-25
夢と現の境で瑞々しく花首垂れる者あり- ただのみ ...自由詩10*16-5-21
蜘蛛連れて- ただのみ ...自由詩5*16-5-18

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