目前に

砂の庭片隅に咲くピンク花奉仕の路の家の門前

周辺に目立つ山無き三上山低くとも比べる山無
僕にみずみずしいコップ一杯の朝をくれないか
活力に満ちた生みたての卵のような生命を

天のフックから吊るされたマリオネットのように
きょういちにちを微笑んで過ごしたいから
ちょっとした異性の情けに
心が前を向き
元気になって意気上がり
意気上がり
浮かれ心の有頂天

天に昇れば
あとは 落下
後ろを見ては 沈む心
取り巻く人の
心を上目遣いに覗き込み ....
 
パンツが脱げない

言葉からパンツが脱げない

たった一枚なのに



 
お前は目付きが悪くて
チンチクリンだから
地獄行きだ

お前は腹黒そうな顔して
シャクレてるから
地獄に行きだ

お前は不細工で
恨みがましい顔だから
地獄行きだ

ちょ、ちょ ....
大切なものは失くさないように、
くつ箱に保管する。
時間が経つと色褪せる。


大切なものが逃げないように、
手を繋いだり、
装飾品を買ったり、
股を開げたりする。

太った女 ....
田んぼの中を
カタコト抜ける電車は
やがて海に出る
終点は港で
そこはふるさとだ

寂れた駅にひとつ
真っ白なベンチがあって
子供の頃の記憶を
日差しが象る

いつかの夏のように ....
揺るがないものが揺らぐ
仕方のないこと
ありのままを見ているつもりで
水鏡に映った姿を見ているから
冷やかな風にさざなみ
優しい陽射しに微笑み
自らの夢を重ね映して

時を凍らせた写真 ....
空想と現実を行き来する

冷蔵庫を開けるまでは
卵は空想の産物であり
白い宇宙船であったりするけれど
取り出して目玉焼きを作る段になれば
さっそくそれはフライパンの{ルビ最中=さなか}で現 ....
たった三日でもわたしをあなたのテーブルに飾ってくれてありがとう
消毒臭くて清潔な水は、もちろん雨よりも美味しくはなかったけれど
あのまま樹にいたとしてもどのみち無残に滅びていく事にかわりない

 ....
寝起きの熊のよう
ボンヤリ不機嫌
だぶだぶの部屋着
クロックスを引きずって

それでも花 
今朝 三つめ

ピンクのチューリップ
黄色い水仙
真っ赤な髪の少女
重そうにコンビニの ....
手袋をした手が 器から
大量の人を掬い上げていた
その指の狭間から 夥しい人が
こぼれて落ちていった

器の底から
呻き声や悲鳴や嗚咽が聞こえても
泡がはじけるように消されて ....
薄く紅を差した土気色の唇。

「顔が綺麗になったね。」とつぶやく母が

少しだけ微笑んだ。

「また、何処かで会おうね。」と棺を覗く妹は

涙をぬぐう事も無く

もうすぐ灰に ....
信念を曲げた夜には本を抱き兎を追ってアリスに戻る 「私」として生きてて背負うかなしさをたとえる形容詞がみつからない


生きることに疲れて橋に向かいつつ靴は脱げないことは知ってた


春の暮れもしくは初夏への道すがら黒い縁取り一通拾う
 ....
平面の布に
針を刺していく
そうして出来た
糸の道を引くと
操られるように
現れる
立体の波は
少女の真新しい綿のスカートの裾を
縁取って踊った

風、曲面のゆらぎ
影とひかり
 ....
こんな天気だから
こんな天気なのに

わたしの心は濁りくすみ荒み

この雨で心のすべて
洗い流してくれたらいいのにと

おーい、わたしはここにいるよと

誰かの叫ぶ声が聞こえる
ひきだしがタイムマシンになってないまた新しい春が来ました 父と過ごす最後の時まで
離れまいと決めた早朝。

冷えきった畳部屋であぐらをかき
ゆっくりと茶をすする父がいると
何気なく思う。

眠ったままの父をみつめ
正座を崩してそこに座れば
 ....
美術館で静かな心手に入れて無名の画家の思いに触れる

全身に吹き付けている薫風は緑の季節その次へ行く

ネガティブに考えてしまう君の癖子供の頃の厳しい環境

幾つかの国道抜けて辿り着く三名 ....
皐月の堅田

昼すぎの堅田に来たりともとともかいものせむときょうもまた

古の言の葉しゅじゅ取り合わせきょうの短歌は如何にかせむと

八十の声ききてさあ気落ちせずモーセとともにももはた ....
 
赤い糸

ほっとくとだんだん透きとおって見えんようになります

そやからときどき紅を差します



 
父を失った悲しみが癒えるとき
棚の奥にしまったままの写真は
寝室であった部屋の鏡台に置かれる。

新しい写真立て
マーブルチョコレートとゼリービンズ。
それらは決して開かれないまま
誰か ....
くるくると回る提燈の灯りの元

笑ったように眠る父が居る。

父の横に座り

口元に耳を近づけて

微かに聞こえる寝息を聞いた1月15日の深夜。

父を挟んで布団を敷いた妹たちは
 ....
 先生、私たちの昼間が消えていきます。
カレンダーに休日がひとつ、足りないのです。
青と赤の隙間に、数字のいち、が。
時計は、今、だけを、さしたがる、から、痛い。
数字が昨日と明日を覚え ....
発する柔らかな音のかたちが
まだ定まらないころ
神経衰弱でトランプを捲るように
何度も見て触れて味わって
モノとなまえが一致して行く
意味を纏うのはまだ先のこと
ちいさな器は無限に広く深く ....
ロウソクの数は去年と同じ数また新しい春が来ました 拝啓、冷蔵庫様

長い間ご苦労さま
十六年間、寝食を共にした
おまえが逝ってしまい
わたしはとても寂しいよ

突然のお別れだった
何だか、冷えが悪いと思っていたら
冷凍食品が自然解凍 ....
{ルビ処女=おとめ}はその森に入ってはならない
森に入ればきっと出会ってしまうだろう

そして血よりも紅いその薔薇を手折ってはいけない
薔薇を手折ればきっと恋に落ちてしまうだろう

それは ....
君は一杯着飾っていたね
着けるだけ飾るだけ幸せになれると

友達も言っていた

君には複雑な鮮やかな柄が似合う
肌着はもっと暖かい真っ赤が良いよ
もっともっと着飾った方が

君はいつ ....
星野つばきさんのおすすめリスト(139)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
_目前に- 生田 稔短歌215-6-2
朝のマリオネット- 梅昆布茶自由詩1415-5-25
こころころころころがって- イナエ自由詩15*15-5-25
書けない- 殿上 童自由詩23*15-5-25
地獄裁判- 花形新次自由詩215-5-24
時間- じぇいぞ ...自由詩115-5-24
とんび- ガト自由詩4*15-5-24
みずにゆらぐ- ただのみ ...自由詩21*15-5-23
リエゾン- そらの珊 ...自由詩17*15-5-22
修羅- そらの珊 ...自由詩19*15-5-20
おじさんから見れば- ただのみ ...自由詩16*15-5-19
ゴッド・ハンド- 為平 澪自由詩13*15-5-19
無題- 梓ゆい自由詩3*15-5-19
信念を曲げた夜には本を抱き兎を追ってアリスに戻る- 北大路京 ...短歌115-5-18
「すみれいろそら、あかねいろそら」_2015.05.16_( ...- もっぷ短歌315-5-16
五月のしつらえ- そらの珊 ...自由詩26+*15-5-14
- じまさん自由詩215-5-13
ひきだしがタイムマシンになってないまた新しい春が来ました- 北大路京 ...短歌715-5-12
日常の景色。- 梓ゆい自由詩515-5-12
美術館- 夏川ゆう短歌215-5-12
皐月の堅田- 生田 稔短歌315-5-11
- 殿上 童自由詩21*15-5-11
区切り。- 梓ゆい自由詩415-5-9
妹二人。- 梓ゆい自由詩315-5-9
花________陸が海に消えるまで。- 為平 澪自由詩15*15-5-8
愚愛の詩- ただのみ ...自由詩17*15-5-8
ロウソクの数は去年と同じ数また新しい春が来ました- 北大路京 ...短歌315-5-7
【_拝啓、冷蔵庫様_】- 泡沫恋歌自由詩20+*15-5-7
妖精の森- 未有花自由詩11*15-5-7
幸せは物足りない- 宣井龍人自由詩16*15-5-6

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