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薄く紅を差した土気色の唇。

「顔が綺麗になったね。」とつぶやく母が

少しだけ微笑んだ。

「また、何処かで会おうね。」と棺を覗く妹は

涙をぬぐう事も無く

もうすぐ灰に ....
父と過ごす最後の時まで
離れまいと決めた早朝。

冷えきった畳部屋であぐらをかき
ゆっくりと茶をすする父がいると
何気なく思う。

眠ったままの父をみつめ
正座を崩してそこに座れば
 ....
父を失った悲しみが癒えるとき
棚の奥にしまったままの写真は
寝室であった部屋の鏡台に置かれる。

新しい写真立て
マーブルチョコレートとゼリービンズ。
それらは決して開かれないまま
誰か ....
くるくると回る提燈の灯りの元

笑ったように眠る父が居る。

父の横に座り

口元に耳を近づけて

微かに聞こえる寝息を聞いた1月15日の深夜。

父を挟んで布団を敷いた妹たちは
 ....
幾何学カットされた放射状のライトセーバー。
グラスに注いだ水はきらきらと反射をして
虹のアーチを作る。

日の光を全身に取り込んだグラスは
魂の輝きを映し出すかのように
手にする者を無言の ....
お父さんが死んだ日
いつもより輝いてみえた北斗七星。

お父さんが死んだ日
いつもより白く見えた庭の雪。

お父さんが死んだ日
いつもより寒く感じた六畳の客間。

寝ていたはずの猫 ....
星野つばきさんの梓ゆいさんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無題- 梓ゆい自由詩3*15-5-19
日常の景色。- 梓ゆい自由詩515-5-12
区切り。- 梓ゆい自由詩415-5-9
妹二人。- 梓ゆい自由詩315-5-9
真夏の家族。- 梓ゆい自由詩715-4-19
お父さんが死んだ日。- 梓ゆい自由詩415-4-18

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