桜舞い散るバス停の
ベンチに 二人座って
いつまでも 空を
見上げていた

いくつものバスを 見送っても
少しも
かなしくなかった

風に散りゆく 桜花
あとから あとから
 ....
故郷(ふるさと)の人無き駅にたたずめば霊(たま)あるごとく花の舞い散る あなたは私という平原を流れていく一筋の川
涼しい亀裂を走らせながら光として流れていく
あなたの源流はもう去ってしまったし
あなたの流れ着く海はもう干上がってしまったので
あなたは存 ....
うすっぺらいから日に翳せば透けてみえる

どっちが表か裏かも解らない

コインほどの厚みも
重さも
確率もないなら
潔くガラスになってみたら?

プリズムくらいなら
笑ってあ ....
やわらかな月の宵に
ものうげなアルルカンがあらわれる
ここに来てくれてありがとう
匂菫の花束をあげましょう

少し遠くの霞んだ墓地では
姿のないコロスたちが歌ってる
アルルカン その歌に ....
再会という
残酷な喜びを
与えられた大人は
菜の花に囲まれた
少女になりたいと願う


胸の絡まりと
夢しかなかった
沈丁花の薫り漂う
あの頃からの染みを
どうして
抜き清める ....
かぜ光る若葉の森に鮮やかに山の桜に鶯渡る 終日への覚悟
月輪はかわらずに美しくも
みだれ滲む余韻は
あなたへのyellなのです

聖めの静寂は
それでも意気揚々とする
魂への讃美歌

生ききるのは
姿かたちではなく
嘘をついているつもりじゃない
都合のいい部分だけを繋ぎ合わせたら
彼女の話になる 騙すつもりじゃないのに
暖かくて居心地のいい 四角い部屋


田舎の家に帰りたい
思いは増殖して 連 ....
私と彼の趣味はかぶらないのだが
なぜ今でも会うのだろう
そんなことを暗闇の中で考えていた
しかし口に出しても 仕方のないことだ
今では昔のようにわかりあえる部分も少ない
いくら気があっても
 ....
敵を射ぬく弓と矢、そして強靭な 弦
それは凛々しく張られた頑なな 強い意思
どんなに強く張られた弦でも 名手にかかれば 引き伸ばされ
心身一体となって 矢を放ち的を射ぬく

人を酔わ ....
命日には 花が咲き始める
あの時のまま 時間は止まっている
部屋は汚れ果てた 誰も来なくなったから
すべてが汚らしく見えて 手ばかり洗っている


不安の海は時化て 人魚は深い水底へ
押 ....
みずからの
水だけで
果実がジャムになる
という方角を
みつめている
わたしという誰か
くつくつと
やがて
ぐつぐつと
そうして
やがて
なにも言わなくなる
鍋だけが焦げてゆく ....
いく春の季(とき)急かせる花散らし 舞う花の中ひとり彷徨う 人の企みなど知らぬ大海に
旅の憂いを語る惨月がゆく

人の営みなどしらぬ夕陽に
今日の無言をあずけて

誰かの眠りの時々
遠山にある真っ直ぐな
針葉樹のならびに
あらゆる讃歌を探 ....
とうめい が
好きですよ

漆黒も
好きですよ

漆黒が とうめいな日が 好きなのです

玄武の闇漆黒の岩石の中でケイセキは ちかっと 輝いて

その輝きは あまりに ちいさいので ....
こたつと蜜柑の季節が終わって
それでも フッと食べたくなる蜜柑
蜜柑産地のJAで赤い網袋に入って
300円の値札を付けて並んでいる
{ルビ寒=かん}の間{ルビ室=むろ}に貯蔵されていたものだ
 ....
生命の芽吹きは死と同義
草木が芽吹いているのではなく
死が咲き乱れている
春に漂う死の破片は極めて正気で狂気のかけらもない
この緻密に計算された春の死に私の感情も巻き込まれる
新しい ....
あたしは誰とも
共感なんてしたことが無い
本当は
誰にも同情なんてしていない

カラスの群れの中に
カモメが迷い込んで

鳩の群れの中に
インコが紛れ込んで

周りの誰とも違う歌 ....
カレーを食べようとして
スプーンに写った自分が
逆さまだった
スプーンをひっくり返すと
カレーは食べれないが
自分は逆さまではなくなった

食べるためには
逆さまの自分に
納得しなく ....
明かりの落ちた街路を歩くときに
くらがりに身を隠した
名も知らぬだれかの歌声を耳にするときに


目の潰れた犬が引っ掻くような声で鳴いた
脚がひとつだけの男が飛蝗の ....
かすみ立つ里わの花に小鳥まう長き春日を声聞き暮らす 華々しく出航したはずの
船の羅針盤は
いつの間にか壊れて

勿体つけて差し出された
六つ折の海図は
ほとんどが嘘っぱちで

最初は威勢が良かった
スクリューには
得体の知れない ....
正午とは絶対的な停止の時刻だ
全てのものは太陽の鑿に彫刻されるため
輪郭を顕わにしてじっと耐えねばならぬ
痛みもまた停止して焼き付けられ
まぶしい空は地上を忌避し続ける

昼は ....
  青年は日暮れに
  読みさしの新聞をとじた まもなく一日が終わる
  {ルビ先刻=さっき}まで心地よかった空調がいまは窮屈でしかない
  握り固めた紙切れに似た 心のなかには何年も前 ....
明日も
私をきらいな人が
たくさんいてほしいと願う夜
あなたの詩には
共感なんてできないし
空行で破裂する
思わせぶりな言葉なんて
雑すぎて
丁寧すぎて
何も生まれないし何も死なない ....
恋人同士どんなに好きでもどれだけ愛しても
恋人と言う関係さえなければ他人で
夫婦になって子どもが生まれたからと言っても
結局はただの他人になる
すべてが何も関係なくなれば
人類みな他人になる ....
あたしの悲しみは 彷徨った後
水仙の咲く堤の 老いた桜にたどり着く
蕾はまだ固いのに 水は
香りに混ざった 陽の光を揺らす 軽やかに


きらきらと 光の粒はころがって
橋を渡る老人 ....
社会人の切符を手に入れて
孤独な戦場に出ていく君は
もちろん希望と自信を
瞳に漲らせ
不安を乗り越えていく

おめでとう
母さんは
君の速さで歩くことさえ
もうできないのに
心配ば ....
ことばを紡いでみたくて
両手で口を押さえた朝方のこと
小鳥がついばんだ恋について
きれいなものばかりを集めることについて
並べればすべてはいびつだと言った
みんな泣きたいだけなの ....
秀の秋さんのおすすめリスト(152)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さくら- 南無一自由詩515-4-8
限界集落- 星野つば ...短歌715-4-8
あなた- 葉leaf自由詩415-4-8
ムリ- マリー自由詩315-4-7
早春のアルルカン- 塔野夏子自由詩6*15-4-7
別れの曲- 黒木アン自由詩915-4-7
薫風- 星野つば ...短歌115-4-6
月輪- 黒木アン自由詩615-4-6
まことしやかな嘘- 藤原絵理 ...自由詩415-4-5
学生時代の友達と- 番田 自由詩315-4-5
目覚めゆく魂- 為平 澪自由詩11*15-4-4
花の色は- 藤原絵理 ...自由詩815-4-3
ジオラマ- そらの珊 ...自由詩15*15-4-3
花が散ります- 星野つば ...短歌215-4-3
四月一日- 黒木アン自由詩8*15-4-1
とうめい- るるりら自由詩25*15-4-1
三月の蜜柑- イナエ自由詩15*15-4-1
- 葉leaf自由詩215-4-1
フォアグラ- Lucy自由詩14*15-3-31
カレースプーン- イオン自由詩1*15-3-30
いくつもの視線、捨てられた詩篇、真夜中のキッチンの音のないモ ...- ホロウ・ ...自由詩2*15-3-30
かすみ立つ里わの花に小鳥まう長き春日を声聞き暮らす- 星野つば ...短歌215-3-29
春の航海- nonya自由詩23*15-3-29
- 葉leaf自由詩215-3-29
小糠雨- 草野春心自由詩315-3-28
あなたの詩がきらいです- 左屋百色自由詩1815-3-28
関係- リィ自由詩1*15-3-27
早春に- 藤原絵理 ...自由詩815-3-26
初めて大海へ漕ぎだす君へ- Lucy自由詩15*15-3-25
そしてまた恋をするだけ。- かんな自由詩6*15-3-25

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