春風の寒さに打ち負かされ
春物を脱ぎ捨て冬着を着込んだ
清涼な陽射しに
静寂で満たされていた部屋はかき乱され
命の騒乱が飲みこんでゆく

呼び声のホイッスルが吹き鳴らされ
水はわき出し
 ....
帰路道すがら
すでにお姿のない
貴方から
語り足りないとでも
いうように

.....悲しみだけでなく
この町の美しい景色を見て
お帰りくださいと...

訪ねました窓からは

 ....
夜の瓶の底を叩いて
がんらんどうの静けさだ
木々は枝分かれした懐に鳥達をいだき
近づく黎明を覆い隠すように
小さな寝息を慰撫している

今日という日に、起こるべくして起きたとして
その内 ....
東口から出て
街道沿いにしばらく歩いたところに喫茶店があった
煉瓦製の防空壕のような店だった

バータイムになると円い小さなテーブルやカウンターの上に
高価な猫みたいな目をした店員が
ひと ....
水ぬるむ彼岸の淡き水辺には笑(え)まいの匂う君の面影 あんまりとやかく言わないでください
わたしはこの女というもののなかで
ぼこぼこと時間がたって行くのが恐ろしいのです
いつまでしても不自由で
片目を貝で塞いだように暗い
砂糖菓子の脆い沈黙 ....
      ――M.S.へ

あなたは私という小さなひずんだ円形を、余すことなく包みこむ大きな完璧な円形だった。ふたつの円の中心は、二人の性格の針によって異なる点を指していたが、私が囲っていな ....
したためます
薄墨や青墨に
心情や
陽のうつろいまで
浮かびます
奥ゆかしい
大和の美はし

その水茎のあとには
うつつの人に
今がかわたれ時で
あってほしいと

その水茎の ....
にくしみ(要冷蔵)

うつくしい女たちの化粧が
ポリゴンに近づいていく
服はムダがはぶかれ
生地は豪華になる

腹の中のにくしみが腐っているのが
外側から見ていても分かる
にくしみは ....
おだやかな光のふりそそぐ
菜の花の河原で
また、見つけたらしい。

散らばっているものたちの中から
きまって、
青いガラスを咥え取るのは
心のなかに住みついている
あの鴉だ。

あ ....
この春さいごの日曜日
鎮守の森の桜花
こぼれるほどに満開で
甘いピンクの春風に
はらりはらりと髪に舞う。

花の便りにさそわれて
野越え山越え谷越えて
老人だけの里山で
300年も生 ....
輝くものと輝かないものが出会って
互いに氷として融け合った一年だった

ほんとうのことはすべて
偉大な虚構から滑り落ちた一年だった

どこまで伸びていくか分からない
指先を丁 ....
身体の奥のずっと奥の事を
言葉で表したいけど

言葉の中に見つからないから
絵を描くよ

本当に言いたい事が
言葉の中に全然みつからないから
その色を塗るよ

絵も上手じゃないし
 ....
もう二度と心から笑える日は来ないと思います

見たところ私よりも一回りも若いあなたは
これから半世紀以上続いていくであろう
(続いていってほしい)あなたの人生を
一度も心から笑うことなく歩ん ....
使い捨ての物は最初だけ大切にされてたけど
使い終わった後は物ではなく
ゴミとなり捨てられる
それは人も同じ
時代が変わりゴミとされた物は形を変え
新しい物になった
だけど人はゴミになったら ....
柱の中のあなたが
振動する

生まれ変わらないように
焚かれ続ける炎

こんな水晶で固めて
留めておかなければならぬほど
恐れられた
私の妹

薄闇に線を引けば開き
素足で踏む ....
飼い猫の毛が逆立ち
逆さに降る雨粒が月を濡らす

冬に失った体温を戻そうと
白く四角い出窓から
春の粒子が舞い込んでくる

対岸の兄弟は庭先で麻を育み
買ったばかりの銃を磨く
幼い頃 ....
種をまくという行為は楽しい
反面
どこにもいない誰かに
試されているようで
神聖な気持ちになる

この手にある幾粒かは
芽を出さないだろう おそらくは
皆が
花を咲かせるわけではなく ....
空き瓶収集所まで行く途中に
今年始めてみたカエルは仰向け
四肢を広げて道の真ん中に一匹 
こちらの路肩とあちらの路肩にも一匹と
まだ冬の残る雨に濡れている

暖かい日が二・三日続いて
冬 ....
辺つ風をめくり
のり干す母さんの
かっぽうぎも

沖つ春風を吹き
波を枕にする
父さんも

舟をこいだ
たちらねの意を
この地の栄え
ふたたびと

その恩恵に
静かに頭を
 ....
もがり笛もすぎる頃
手塩にかけました
刈りとりも
人心地がつく時

ほの香る土に
なにかたのしく
火入れの祭りが
はじまりました

母の好きでした
垂れ桜が満ちる時
十三浜ワカ ....
しばらく前まで そこには山があった
ショベルカーの快活な饒舌や
ブルドーザーの笑い声と共に
預金通帳に増えていく 零のよろこび


狸は自動車のライトに眼が眩んで
白いセンターライン ....
春の日に照りゆく雪は暖かく春雨こいし紅き薔薇の芽 研ぎすませた刃物の光彩を思い描く
酷く澄んで蒼に満ちた輪郭をなぞる度
折れそうな心に蓋をした素振りで
後悔も人生も思うように上手くはなれなんだ
とっくにそんなことはわかってる

水を飲んで ....
雪が残る夜の庭先。
これから・・・・
帰宅する父を待っている。

妹二人に連れられて
「ただいま。」を言わないで帰ってくる父を・・・・。

(父が眠りに付き、大きく息を吸った瞬間を覚えて ....
寝そびれて軒先に見る星空に震えるスバル西に傾く 横一線に 深く傷の入った樹
ここから離れることの出来ないひと
手を添えて

照光の遮りは 心地よくて
未だに傘の輪から 飛び出していくことができない

線の先の遠く はっきりとは見えない ....
2014年11月また冬が来ます
つめたい風の吹きすさぶなか
ひかえめに降り注ぐ光のしてきた
途方もない宇宙の旅を考えたことがありますか
太陽系の中心から暗闇を進み続けた光の粒

息をするた ....
秋が来ていた

遠い遠いところから
この家のどこからか

そっと耳を澄ますと
秋がわたしを呼んでいた

遠い遠いところから
あの日と同じ声がした

呼ばれるままに
仏間の襖 ....
緩やかな坂道を下りると
遠くに海が見える

ここから見る海は
手のひらの中に
隠れてしまうほどの大きさ

海を目指して歩いてゆくと
潮の香りの風が吹いてくる

風は太陽の ....
秀の秋さんのおすすめリスト(152)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春の騒乱- 這 いず ...自由詩215-3-24
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瓶の行き先- 由木名緒 ...自由詩12*15-3-24
14- きるぷ自由詩315-3-24
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あわ立つ- はるな自由詩415-3-23
異動- 葉leaf自由詩215-3-23
雄勝硯(おがつすずり)石巻市〜その瞳をみていたら〜より- 黒木アン自由詩5*15-3-21
にくしみ(要冷蔵)- 木屋 亞 ...自由詩7*15-3-21
鴉の明日- 草野大悟 ...自由詩715-3-20
去年の桜- 星野つば ...自由詩515-3-20
一年- 葉leaf自由詩615-3-20
約束- 南川きま自由詩1*15-3-20
まだ心から笑えないあなたへ- 夏美かを ...自由詩32*15-3-20
使い捨て人間- リィ自由詩4*15-3-19
水と血- mizunomadoka自由詩315-3-19
fall- mizunomadoka自由詩315-3-19
春の土- そらの珊 ...自由詩14*15-3-19
カエル夭折- イナエ自由詩12*15-3-19
石巻漁港〜その瞳をみていたら〜より- 黒木アン自由詩5*15-3-19
ヨシ原(石巻市)〜その瞳をみていたら〜より- 黒木アン自由詩6*15-3-18
郊外の風景- 藤原絵理 ...自由詩715-3-17
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I'm_not_wonderboy- baby bird自由詩215-3-17
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約束の礎- 黒ヱ自由詩214-11-16
冬、はじめました。- 木屋 亞 ...自由詩5*14-11-15
- chiharu自由詩15*14-9-12
故郷- chiharu自由詩9*14-4-18

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