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雨がふるので
膝を立てて
まがった指で
生理用品をつけかえる
角に立っている男たちが花売りを罵倒している
走り抜ける街の多さ
どれだけ降っても
給水塔はふやけない
雨が ....
説明のつく気持ばかりをあつめて評価しようとしている。
きのうと今日はいろいろなことを台風のせいにした。
夕食の準備しなかったのも、本が読み進められなかったのも、洗濯も掃除もろくにしないで線 ....
ほかでもないあなたと
どうしようもなくなりたい
雨の日に雨だれを数えながら飢えていくのもいいし
乾いた日に蟻をつかまえて拷問するのもいい
湿った毛布のなかで賞味期限の切れたひき肉みたいに絡 ....
うちには菜箸が何膳かある。菜箸のことも、一膳、二膳、と数えるのがただしいのだろうか。うちにある菜箸は、どれも似た格好なので、どの組み合わせでもつかえる。一本二本と数えるほうがしっくりとくるような感 ....
ゆうぐれに
さみしくなったり
あるいていて
ふと生活のにおいに
あしをとめたり
ゆっくりとしか
すすめないこと
くやしくなったり
生きるとゆうことが
どれだけ不安でも ....
わたしの家族は、みなそれぞれにパソコンを持っていて、わたしはといえば、専用のものはないのだが、家族供用とされた一台はもうほとんどわたしだけが使っているので、実際はそれがわたしの占有のようになってい ....
乳ぶさのかたちをしたくもが
夏空に憂いをあたえている
満員の最終列車が
日付のさかい目で迷子になる
聖人のため息が
夕刊とともに2セントで売られる
ああ
古着屋で
はかり売 ....
切なさをあつめてひらく夏椿
青梅の香りにも似て初恋は
後悔と勿忘草の淡い色
酢漿草の種が弾けて夕暮れる
赤色を零してなお紅ばらの花
寂しさの数だけ蒼く紫陽花が
....
あたらしいかばんの中に
あたらしい男の子
あたらしい男の子の手で
あたらしいわたしになる
わたしの泉はあふれ出る
窓の向こうには雨が降る
あたらしい一日の手前で
あたらし ....
唄われなかった歌があり
語られなかった愛がある
繋がれなかった情があり
結ばれなかった花がある
それでも
呼ばれなかった名前はないだろ
そうだと言って
笑ってくれよ
百まで積んだら
零まで崩して
千まで積んだら
零まで壊して
万まで積んだら
戻れなくなる
知って積むのは
罪になるのか
知らず積むのは
恥になるのか
戻れないなら
もう戻 ....
花を抱くなら花になり
水を抱くなら水になり
雲を抱くなら雲になり
人を抱くなら人になる
ひだまりに さらされてゆく くちびると 動けずにいる ぼくの両足
あさがきても
似合わない季節を着て
わらっているのはもうたくさん
かえりみちでは
泣いてもいいし
泣かなくてもいい
唄ってもいいし
唄わなくてもいい
ただもうわらわなくてもいい ....
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