日常
はるな


ゆうぐれに
さみしくなったり

あるいていて
ふと生活のにおいに
あしをとめたり

ゆっくりとしか
すすめないこと
くやしくなったり

生きるとゆうことが
どれだけ不安でも

指のさきにめぐる
その血のあたたかさよ

奇跡に裏返しに抱かれているようだ

みえなくなった人々や
あえなくなった人々が

次々に思い出されて
足元から夜が這う

とおくて届かない
今日のこと

ちらかっている
さきのこと

生きるとゆうことが
どれだけ不安でも

指の先をうつ
その鼓動のたしかさよ

奇跡を裏返しで抱いているようだ



自由詩 日常 Copyright はるな 2010-10-03 23:00:13
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