すすけた茜のカーテンにつつまれてゆく君は
自分の瞳の裏側を見るように わたしをみつけ
やる気のないそぶりで わらう
足踏みを繰り返すが去っていかないところに
したしみ 
早口でしゃべる 西風 ....
ざ・・・ざ―――ざ・ざ・ざ――
雲っています。どんてんです。
いちごが売り切れています。
横断歩道に吸い込まれそうです。
いつものように歩くと
危うく、車に引かれたであろう雀を
踏 ....
食卓レモンのかなしみは
食卓ってなんだ?と
となりのワサビに聞かれたり
きいろの表面に こまかい凹凸
みどりのふたが 大きすぎても
レモンになろうと 
もがいているようで
かなし ....
おいかけてゆきたいのです。

包丁でざくりと切ると、すぐ後ろでネギがぱらぱらと広がるように
ざくりの跡をぱらぱらと追いかけてゆきたいのです。



続けたいのです。

にんじんをする ....
ほぅいとよべば こぅいとかえる
こっちばよれさ と 川のおと
 
あずきとごぅか〜 ひととって食おぅか〜

アッ しゃか しゃか

アッ しゃこ しゃこ
 
アッ もしゃ むしゃ ....
:うっかりおとした粗塩 
:お砂糖小さじ一杯
:醤油大さじ三杯
:みりんキャップ一杯

それぞれ玄関にならべて一晩ねかせます

羽虫やアリが運びます そして よくわからない虫も
お ....
うぐいすあんこの芝生には
昨日あそんだプラスチックが点々と
とりどりの花を咲かせ
雲の金糸から こぼれる朝露の
グレープフルーツっぽさよ
ときおり うなずく
うっすら目をあけて
アリでも ながめているのか
ここからは遠い
灰色の眼鏡には まぶしすぎる
桜の羽毛
さわっても怒りもせず
ときおりうなずく
貝のようなオ ....
湯気が泳ぐ
午後のバスタブ

すだれのゆらぎ

グラスにひろがる波紋

階段に降りる光のプリズム

ハンガーの行列

テーブルは水平に沈黙
椅子は離れ諸島

からっぽの ....
きこえる
おはやし
耳もとで
雲に
跳ね返って
と〜ん とん

君の歌う
盆踊りのまねごとの歌が
なつかしくてなつかしくて
は〜よい よい

のこったしこりは
お ....
つぬと白濁した
陶器の茶碗は
夜空を背にし
まっていた
うっすらとヒビでも
はいっていれば
乱暴に使えるのに
小奇麗で妙な古臭さが
いっそう 艶かしく
おしろいを塗り
厚化粧をした ....
ポケットのなか
ちゃぽん ぽ ぷぃ
泉が ひとつ
水 さかな 跳ねる

クリスタルの音符が
りるん きん きりん
歩くたびに 響く

泉のなか
 ....
こぽこぽこぼれる 透明なグラスに
わたしが点滅するというのは
こういうとき なのだろうか
あふれる濃縮還元ジュースは
せつなくて

地下鉄の降り口をまちがえた
まちがったとわかっても
 ....
脇に 
海の泡がたまっては
いかんです

腕を水平に伸ばして
たおたおと翼をひらくように

第二間接をくいっと曲げて
脇の泡を
放出するのだ

みえるかね

みえては ....
14:34発

皐月のシャツ着た
ゆふいんの森5号
水平線を描く
電線を
斜め下から
追ってゆく
風景も
ゆったりと
融けて
車窓の後ろへと
帯びてゆく

電車の中は
か ....
はじめはわからなかった
仏舎利塔なのか
噴水なのか
生き物なのか
ひと足ごとにみえてくる
どうやら人らしい それ
まばらな街のあかりでは
まだ 性別はわからない
声をかけれるほど近づく ....
輪郭の街が
徐々に織りをなし
時計はだらりと腕をさげ
ほぅい ほぅい と歌う
海にでると
肌がちりちりと
焼ける心地よさが
足跡にたまって
潮に吹かれた
8mmフィルムが
からくり ....
 

さららの東風をうなじをかすめた
ブルーシートの波
織目は日の印象を受けとっては流していた
くすんだゴム蛇は胸に垂れ下がり
ふくらはぎを通りこして
ジャリにまみれてずるずると
電柱 ....
きれいな女やった
絹ごし豆腐みたいな肌してたわ
几帳面な女やった
後ろ髪をよー梳いておったわ
早起きな女やった
いつもせかせか働いとったわ
芯の強い女やった
最後まで別れへんって ....
ぺたりと落ちた1円に愛想笑い
いつかお世話になるかもと
いやらしくお辞儀

文房具屋の駄菓子を
思い出せるだけ持って
1円 足りずに
レジ横へお菓子の山を
全部置いてきた夕方の ....
たくわんの淵は よれよれしてて
噛むとカリコリやのに
今日のはまた特に
薄っぺらくて よれよれ
あたり前やけど まんまるやないし
たくわん なんで よれよれなん?
なんで もっと しっ ....
そうか、空中ブランコに乗って
カカオの木を観てみたいか

そうか、朝日に立って
アラスカの夏を巡ってみたいか

そうね、仙人の寺屋みたいな
どこまでも一望できる遙へ

真 ....
干し竿に捉まったやかんが
風をすいこんで
ふるりゆれ

蓋はいつの頃にも
なかったようす

雲が影って 
うつむき
口をぶらぶらしているやかんには
少し水が入っていて
のぞく顔を ....
少し窓を開けた
テトリスのように積まれながら
ほこりひとつたっていない ビル
歩道には街灯がたたずみ
影に埋もれていた 夜

 最初に僕の名前をつけた人のことは
 よく覚えている
 
 ....
あしたは複成火山を登り
石コロの塊をホイホイ渡って
後ろのほうで難儀してる
絵師を気遣いながら
おし花にできそうな野草を拾うのだろう
歌詞が浮かんで来たら
岐枝を折って墨で書き留め
句詩 ....
あそこなら
誰にもみつからない
ツツジの垣根をわき腹で通り抜け
米倉の裏にあるワラの中に
笑いをこらえてうずくまった
しずかに
ばれないように
そーっと
あたりをうかがう

    ....
ほ がでた

ぞろり 列をなし
あまりの眩しさに
皆 皮膚を震わせた

いくつかの球がころがり
海が無気力な日がやってくると
僅かなひとときを選び

ほ がさいた

玄関か ....
顔が埋めこまれるような パック
洗い流して・・・ 
化粧水 ぱちゃぱちゃ。

「充分、きれいな肌じゃないか。」
そう なげかけた言葉も
乳液ぷちゃぷちゃに つぶされ

「おい、 ....
王麗の木箱から
はみでた毛糸は
そろりと巻くか 
するりと着てしまうには
あまりにも遠く
フランソワの無邪気に
毛が纏わり
駆けてく山羊の
背にもう一度
ふれようと
毛糸に手を通す ....
モザイクタイルを張り合わせて
作ったような樹木の下に

ぷっくり膨れ袋に入った
ピーナッツキャンディが
まあるく 敷かれて

あっちの
あっちのほーぅにも

根っこん所に
ま ....
湾鶴(144)
タイトル カテゴリ Point 日付
帰り道すがら自由詩404/6/10 0:36
西の空自由詩5*04/6/8 22:11
食卓レモン自由詩19*04/6/6 23:55
願望自由詩1004/6/4 2:21
あずきとぎ未詩・独白3*04/6/2 1:55
行列の作り方自由詩1004/5/30 19:30
日の出自由詩8*04/5/28 21:34
彼女へ自由詩504/5/24 23:38
引越し自由詩404/5/23 1:42
恋の回想未詩・独白6*04/5/15 23:23
ある茶碗自由詩304/5/9 18:49
水魚をもらった日自由詩304/5/2 1:25
点滅自由詩11*04/4/30 23:37
海亀自由詩304/4/29 21:47
14:34発自由詩704/4/28 18:18
孤灯自由詩404/4/26 22:08
潮風自由詩804/4/23 0:19
迷散自由詩104/4/22 1:04
納豆の不倫自由詩4*04/4/20 22:31
月末自由詩5*04/4/20 1:11
へたれ自由詩404/4/19 0:41
遙へ自由詩404/4/17 0:20
やかん自由詩904/4/14 23:58
名前自由詩4*04/4/14 1:11
旅のはじまりに自由詩304/4/9 15:29
有る日のかくれんぼ自由詩504/4/8 2:09
夏の日自由詩704/4/7 0:57
きれいなひと自由詩404/4/4 23:01
フランソワの空自由詩1004/4/2 13:53
落ちの実自由詩304/3/31 1:08

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 
0.11sec.