空が群青を増す
黒い鳥の列は視界を横切り
どこかの汽笛をよそに
寝床に向かう


遠い汽笛、の中では
知らない誰かが
知らない誰かと
別れ、を歌っている
そこには色さえも、ない
 ....
夕やけがキレイ 
と言ったら
うん、と小さくうなづいて


「なにか、おわっちゃいそうな気がする」
と つまらなそうに
こたえた きみ。


そんなきみを
ぼくは とてつもなく
 ....
仏陀は泣いている
空の向こうのどこかの国の
古都に横たわり

仏陀は泣いている
笑った顔で
笑ったような顔のままで

その肩や 腕や
頭や 鼻や 手のひらを
生活の場としているマカ ....
眼下に広がる海では
白波が立ち
うさぎのごとく 跳ねている

岩を打った波のしぶきが
わたしのところまでとどき
涙のごとく 頬をつたう

それが波だ、と言い張るわたしを
それは涙、だ ....
100円玉で買った
にんじんスティックを手に
檻の前に立つ

シマウマは
鼻を鳴らしてこちらを見る
たてがみも立派に

シマウマさん
このにんじんをあげるから
わたしにその黒い縞を ....
もしも
好きな人ができたら


四六時中一緒に過ごして
かたときも 離れるのよそう

起きる時間もいっしょで
寝る時間もいっしょ
歯磨きも並んでしよう
トイレだけは我慢してあげても ....
ぼくたちが住む
この星の
実態を知るべく
ならば
地球を割ってみよう、と思いついた

ぼくがやらないにしても
いづれ壊れるみたいだよ
と 
誰かが言ってたし
それなら いいよね
 ....
お月様は きみだから
恋はいつも
星屑の中ね

ぼくは あの星たちのひとつには 
決して なりたくはないんだ



ぼくは きみをつつんで

ぼくは きみに照らされて 輝く

 ....
さよなら国は
朝でも 夜でも
「さよなら」とあいさつします。


さよなら

さよなら


ほんとの さよなら よ

ふぅん、ぼく よくわかんないや


こまったわ

 ....
ずっと前に失った夢を
突然 取り戻したい衝動にかられ
クーデターを起こそうと決めた

今さらだけど かなり本気

鉛筆をくわえて
作戦を練りながら
テレビを付けたら
いつの間にか
 ....
ジャスミンティーって、おいしい。


おいしい、と思って

いっぱい飲んだら おなかがいっぱい


おなかいっぱいで もういらない


もういらない、と思って

捨てちゃった ....
コブタ1号は
花壇のパンジーの水遣りを命じられ

コブタ2号とコブタ3号は
駅前のスーパーで
じゃがいも3つとバターを1箱
買ってきて と頼まれ出かけていった

コブタ4号は
そこで ....
悲しいときは 
思いきり泣いていいよ。 

なんて、言うやつの前では
絶対に泣いてやらない

反対に 
笑ってやるってなもんだ

だからって
嬉しいことがあったからって
無防備に ....
目がまわるくらい
忙しく せかせかと暮らそう

やることない とか
ひまだよ とか
くそくらえで 暮らそう

交差点の信号待ち

青信号の後ろから
パンッと 響く
短距離走のスタ ....
恩を仇で返しやがって って
誰かに 言われちゃったけど


仇を恩で返されるのに比べたら
よっぽどましだって


ぼくは 
そう思うんだけどな
「ありがとう」を

上手に言えない自分が 


人に何かしてもらったら

「ありがとう」とちゃんと言いなさい。

と、我が子に教える


「ごめんなさい」を

素直に口に出 ....
無機質な機械音をBGMに
ぼくらは 流れていく

ベルトコンベアーの上では
ことごとく 無力だ
試行錯誤はきりがないほど

しかし
流されることが
必ずしも 不幸ではないと
ぼくら ....
上弦の月の輪郭が 
曖昧に ぼやけていたので
夜空に向かって ぽつりと
愚痴をこぼしてしまった

月は いやな顔もせず
じっとそれを聞いていた

しかし
常に 横顔だったし
たまに ....
自転車に乗って
ここまで 走ってきた

もう どのくらいの間 こいでいるだろう
と、いうよりも
いつから 走り始めたのかさえ

走り出した頃は 
まだ ペダルも軽く
少しくらいの向か ....
ピンクのレモンと

すっぱい 角砂糖 には

ただ ただ 拍手をおくるよ


そして


君に サヨナラを告げた

この 僕にも
きみは そっぽを向かないで
ぼくが 視線をはずすから

もうじき
わずらわしいことは 何もなくなるよ

誰かが遠ざかっていくのは
さみしいものだね

それが ぼくじゃなくても
それ ....
憧れていたスーパーカーに乗って
夜空を飛ばしていたら

きみの部屋の窓から
片足がはみだしていた
靴下も 脱げる寸前

窓に横付けして 
手をひいてやったら
車にドスンと乗り込んだ
 ....
つれづれに

ペンをとってみると

ぼくのノートには

きみのなまえと ぼくのなまえの

あいあいがさが いっぱい


かさの真ん中の線

まちがってかいちゃって

あせ ....
窓からの夕陽の中に
ほこりがきらきらと舞う

体育座りのぼくたちは
机のかげで キスをした
ほこりの雪は それを隠す

バッグにひそめてきたコーラを
ビーカーに注いで 乾杯

今日 ....
交差点の時計の下で
待ち合わせ
あいにくの雨降りに
バロメーターは下がり気味


早く着いてしまった時は 
ろくなこと 考えないものだ


信号が変わると 交差点は
いっせいに動 ....
きみは 
ぼくの将来を考えて
サヨナラ
と言ったみたいだけど

そんなのは
まったくもって本末転倒だね

ぼくの将来は
きみと一緒にいるってのが
大前提だったってこと
知らなかっ ....
今日の夕方
西の空に彗星が見えるんだってさ
ほんとだよ
ニュースの人が言ってた

ぼくのリサーチによると
多分 公園の先の
くすの木がたってる丘の上が
一番 よく見えるはずなんだ

 ....
ふたりの時間というものが

あまりに 短く せつないものなので

よろこびも

かなしみも

そこへは 入り込めない


ただ 残るものは


あのときの キス

あの ....
最近 ちっともうまくいかない
いいことなんて これっぽっちもない

パソコン教室で知り合ったあの子からは
ぼくが送信したメールの
誤字脱字を指摘した返信がきたけど
それからまたメールを送っ ....
ただ ただ
あなたが好きでした
好きなだけの恋でした

それすら
あなたを苦しめるというのならば

もう わたしは
かたつむりになって
黙って 
ここから去ろう

ゆっくりと
 ....
望月 ゆき(308)
タイトル カテゴリ Point 日付
たそがれどき自由詩1*04/5/4 19:42
帰り道未詩・独白1*04/5/3 10:39
笑う仏陀自由詩2*04/5/3 1:02
海うさぎ自由詩3*04/5/1 12:44
縞のないシマウマ自由詩2*04/4/30 21:00
もしも好きな人ができたら自由詩1*04/4/30 20:41
地球儀自由詩7*04/4/28 19:13
空になら自由詩0*04/4/28 1:05
さよなら国 Ⅱ自由詩3*04/4/27 1:19
夢でも買いに自由詩4*04/4/27 0:55
ジャスミンティー自由詩3*04/4/25 22:10
コブタ5号自由詩1*04/4/25 0:43
こっそり こっそり自由詩1*04/4/24 21:53
せかせか自由詩1*04/4/24 1:23
後味について言うなら自由詩2*04/4/23 10:57
親になるとは自由詩2*04/4/23 1:51
ベルトコンベアーの上で自由詩1*04/4/22 1:22
月はいやな顔をしない自由詩104/4/21 8:43
ぼくと自転車自由詩1*04/4/21 8:06
称賛自由詩3*04/4/20 23:15
きみはそっぽを向かないで自由詩1*04/4/20 2:15
境界線自由詩2*04/4/19 23:00
あいあいがさ自由詩2*04/4/19 1:41
理科室記念日自由詩3*04/4/19 1:37
騎馬戦自由詩2*04/4/18 22:59
ぼくの将来自由詩2*04/4/18 1:40
ぼくのリサーチによると自由詩3*04/4/18 1:37
短い恋自由詩1*04/4/17 21:37
お月さん自由詩1*04/4/17 1:33
かたつむり自由詩4*04/4/17 1:32

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