青い稲妻が駆けぬけ
入道雲をふちどる


存在の有無。


電光は
20キロ四方まで届く

隣にいるきみに
ぼくの放つ光は
届いているだろうか


雷鳴は
空に吸い込ま ....
水晶を手にして
天使が舌打ち

思い通りになりゃあしない

ぼくをよく知らない
きみのリアリティは
いつも 悲しみと
奇妙な苦笑いを併発させる

ぼくがいけない
5分前の明日を
 ....
地球の天井と
海との間で それは生まれる

気まぐれに上昇しては
白く漂う。
時に藍を
時にねずみ色を 背に

やがて
白(あるいは城)の中に
点在していたそれは
手と手をつなぎ ....
草むしりの昼下がり

庭の芝生に紛れる
名も知らぬ青く小さな花
ひとつ。

ぼくは 一瞬の迷いもなく
それを引き抜いた

玄関の前の電柱の下
にも
と、思ったら 
たんぽぽで
 ....
両思いなんてものを
当人よりも先に
他人に知られてしまった
ときは 
ひどく やっかいだ

必要以上に
ぐるぐる ぐるぐる
と歩かされて
息苦しいこと
このうえない

それでな ....
新しい長靴に浮かれて
水溜りを探し
右足をそっと入れると
次の瞬間 目が回り
どこかに迷い込んでしまった



「噴水の広場」

あやまって
噴水の真下に立ってしまった
と 思 ....
寝ているすきに
あの娘の目ん玉を
拝借してきてしまった

薄目をあけて眠る癖が
あまりに
かわいかったから

鼻でも 耳でも
なんでも良かったけど
薄目にやられた

枕元に置い ....
そこに訪れるたび
答えをさがす


水面から急潜行すると
彩色をほどこした
森がまぎれもなく存在している


潮流に逆らうことなく
揺れ傾いている
イソバナを縦横斜めに
宇宙遊 ....
うまれおちたとたんに
呼吸のしかたを忘れてしまった
たったいま、吸い込んだものは
なんだったろう


流れてやまない日々は いつも
右手を砂へ
左手を空へと のばして
手をつなぎたが ....
今日が終わり
明日がやってくることの
必要


今のこの瞬間が
あっという間に
次の瞬間にうつりゆく
必要


ななめ45度の見上げた視界
うす曇りの送電線を
キラキラとまわ ....
風船

つばめの急降下にも
動ずることなく
ただよう風に押されて
やがて 点
水面に映る丸い残像



滝 

世の中のすべての音を盗みながら
アピールするものは 
引力  ....
街外れの小さな本屋で
彼女と偶然再会した

本屋でよかった。
きりりとした空間では
おしゃべりにならずに
すむ

彼女が手にしている
水色の背表紙の本が何であるか
なんてことは
 ....
いつだって
熱くなれるってのは
うらやましいこと
このうえない


放出するだけが
能じゃないことも
ちゃんとわかってる
から 
やられる


きみの額に
フライパンをのせ ....
砂の上

ふたり膝を抱えて 
手のひらから
無数の砂粒をこぼしながら
波の音を数えた

星屑を散りばめた
朝の海をあげるよ

あの瞬間は 
二度ととりもどせない


ため息 ....
お菓子の家は
どこにあるの。


雲ひとつ見つからない
青く平べったい空が広がった
あの日

雲だけでなく
あの人までも
見つからなくなった

心からあの人を
信じてきってい ....
こんなハズじゃないよ。


ぼくの勇気が

邪魔をしたのかい


もう このままじゃ

もう ぼくたちは



きりがない。
れんげの土手を揺らして
ごうごうごう、と
やってくる

葉桜の一本道を突っ切って
ひゅうひゅうひゅう、と
やってくる

門柱に横っ面ぶつけて
カンカン、カンカン、
鳴く

耳障 ....
きみの通り道に
ぼくはいつでも落っこちている

目立つように 
とはいえ ひっそりと

もしもし 
誰かさん 落し物ですよ

ビー玉のように光るでもなく
目覚まし時計のように鳴くで ....
「ラムネ買って」

「チョコレート欲しい」

そう言ってねだる子供達に
困り果ててなお笑顔の母親たち


あのころ
欲しいモノといえば

せいぜい駄菓子屋のおばちゃんに
100 ....
死んだつもりで生きなおせ、と
誰かが言ったけど

死んだつもりになんて
なれない

ぼくには過去があるし
ぼくには記憶だってある

こんちくしょう

死んだつもりになんて
なら ....
おそらく ぼくは


求められる ということだけを
求めていたのだ


あの夜 ぼくは
正真正銘どうかしていて
月にさえも 誘いをかけていた 


そこに 他意はなく
そこに ....
僕たちは 
そんなにも 長い間
夢を見続けた

夢は見続けていたら
叶う、と
信じていたのは
いつの頃までだったか

今はただ
明日に追いつくことだけに
必死で

昇る太陽を ....
風が吹く中
残った一つは ひどく必死だ

仲間たちはみな
とうの昔に 風に乗って
遠くに行ってしまった
いや もしかすると
意外に近くにいるのかもしれない

しかし 残った一つは
 ....
悲しい時に
悲しい、と

さみしい時に
さみしい、と

たったそれだけのことが
無理難題となり
ぼくらの額や
ぼくらのひざ小僧に
重くのしかかる


その気もないのに
笑っ ....
透明な箱の
外側を壁づたいに歩く

出口はすぐに発見した

透明な箱の中には
どこまでも青いような空が
ところどころに
ふわふわと白いような雲を浮かべて
広がっている

透明な箱 ....
押入れに顔をつっこんで
ぐるりと見回したら
天井の端っこに
小さな穴ぼこがあいていました

穴ぼこの向こうは
下から見る限りでは
ただ ただ 暗闇でしたので
なんだか怖くなったぼくは
 ....
眠りにつく場所は

さほど問題では ない





どこで目覚めるか が

極めて重要なのだ



そのとき 五感は

何を 求めている?
そこに宿った
小さき 命

光を浴びることのなかった
小さき 命

その人の涙は
暗闇にひとすじ
混じりけのない
透明な線を描く

ぽつり、と落ちた水溜りには
空の雲が映って
 ....
入り口は すぐに見つかった


もう何年も
ここでこうしています
と、いった具合の
あぐらをかいた白髭の老人から
地図を手渡される

地図はすべて
記号化されており
懐中電灯はな ....
空が笑ったら迎えにきて

そう言って 
きみは去っていった
わかった 
とぼくは言った

ぼくは 
今もあの時のあの場所に立ち
一歩も踏み出せないまま
シャボン玉をとばしている
 ....
望月 ゆき(308)
タイトル カテゴリ Point 日付
遠雷自由詩3*04/6/2 21:08
表裏一体[group]自由詩304/6/2 0:05
粒子自由詩1*04/5/29 17:05
雑草自由詩3*04/5/28 21:23
ぐるぐるぐる自由詩5*04/5/26 1:36
雨細工の町自由詩6*04/5/23 23:45
目ん玉自由詩7*04/5/23 1:09
森園自由詩1*04/5/22 12:17
世界が深呼吸する日自由詩7*04/5/21 23:46
また、あした。自由詩1*04/5/20 1:44
自由詩8*04/5/18 1:19
本屋にて自由詩11*04/5/17 23:26
太陽の顔面自由詩2*04/5/16 20:54
パピヨン 〜蝶〜自由詩3*04/5/16 2:05
グリムよ。自由詩4*04/5/16 1:16
果て自由詩1*04/5/15 2:02
自由詩3*04/5/14 0:29
落っこちている ぼく自由詩2*04/5/13 20:58
欲しいモノ自由詩5*04/5/12 2:06
うっかり、しっかり自由詩4*04/5/11 12:39
あやまち自由詩3*04/5/11 0:19
go to irony自由詩2*04/5/9 18:28
たんぽぽ綿毛自由詩5*04/5/9 0:47
ほんとのきもちワッペン自由詩1*04/5/8 10:27
入り口の鍵自由詩2*04/5/8 1:24
押入れの穴ぼこ自由詩10*04/5/7 13:18
覚醒自由詩2*04/5/7 1:07
幽命自由詩2*04/5/6 22:16
出口を探して自由詩2*04/5/6 1:02
空が笑ったら自由詩3*04/5/5 22:08

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