「あー、腹痛かぁ」

と言いながら休憩室に入ると君がいた

「からだの調子の悪かときって、脈の速うなるとよ」

君がそう言うので
僕は脈を計る
手首の付け根をさまよう指
(見つからな ....
水鉄砲空に向かって引き金引けば雨とは違うりずむさわかる?


朝露で光る蜘蛛の巣払えども蜘蛛を払わば晴れぬ我が梅雨


魚たちきらめきながら海の底反射の果てのうろこ雲かな


君の名 ....
行き止まりの洞穴の中へ
君が入って行ったので
僕は後を追う
じめじめと湿気じみた洞穴の中で

わ わ  わ   わ    わ    わ   わ  わ わ

君が戻って来る気配はない
僕 ....
ごはんを食べた後
階段を上って部屋へ戻ると
ごはんを食べるために部屋を出て
階段を下る
ごはんは誰かが食べていたので
階段を上って
部屋に戻ると
明かりがつけっぱなしだった
だれかが消 ....
お茶の中で溺れて
空中を旋回する象の群れに鳴り続けている遠いものたち
速すぎる、または遅すぎる空の時間の外側での蝶の密告
白黒のシマウマが交じわるところで
沈黙の王族たちが
美をかたちから逃 ....
巨人に踏み潰される朝
平たくなった太陽は
溺愛する星々を瞬間に残光で洗う
自動車が行き来する都市高速に
幾重にも連なった雲の影が落ちるとき
黒い信号がひとつになる
雨も降っていないのに
大雨の中を駆けてゆくと
世界中の一滴とぶつからなかった
コーヒーを飲み過ぎたせいか
僕はコーヒーになってしまった
夜、眠れないとか
胃が痛いとか
そんな問題じゃなくなった


あ、こぼれてしまう


とゆうよりすでにこぼれてるねみんな
 ....
僕は思いきり夜を投げた
つもりなのに
君が受け取ったのは朝だった
仕方ないので
ぼくらは昼間から
昼寝ばかりしている
廃校の壊れた椅子に腰かけてひとり君待つ四学期かな


朝礼で神を失う君を見てはるか昔のあの地を思う


漆黒の絶縁テープ巻きつけてアルバム燃やす十月の夜


体育館裏の壁際いつまでも ....
今日も世界は果てしなく
夕焼けに向かい
沈んでゆく
今日も世界は果てしなく
花開いては散ってゆく

明らかにぼくは夕焼けだ
明らかにきみは夕焼けだ

砂まじりの唾を飲み込んで
涙目 ....
空中を喰うように宙を空中する
食べて抜け殻の氷の入った詩骸の群れで
多岐に渡る滝の逆流吹き上げる中空に
さめざめとした強引な偶然とぶつかる
唄が破壊しうる秩序と生活の規律の中に
いつまで居続 ....
円とゆう音の響きに耳が溶けてゆく
その遠い背後に
灰の花びらが降ってくる午後
直立した観葉植物が
部屋の隅で孤独を体現するように
ぼくは彼女を見つめている
突差に立ち上がり灰皿を持った彼女 ....
悔恨される音楽を聴いて乱読しよう雨
一粒・一粒残酷する高低の有無を生む
カラギナンの分量違いによる悲劇の午後
ミルクが凍る白樺の貫通する曇天
大体 曖昧な理由である毎日の労働
曇り空の孕む卵 ....
夕闇を鋭い牙で引き裂いて千里を走る春の雷音


ふたりして腐乱すパンを食べながらあっちの世界へ横断歩道


雨が降る詩と死の間にしとしとと鬱りゆく目に彼岸花燃ゆ


田園の中であなた ....
ゆふぐれに君とふたりで春の墓地ここでひととき幽霊しようか


「五千年前の約束忘れたの?」花火しながら妹が問ふ


昆虫がふたりの為の出会いなど知らづに運ぶ花粉かな


警報機こわし ....
ゴヤゴヤしていると
頭の中で巨人や人喰いサトゥルヌスが
ぐるぐると回転していて
窓を開けて
空を見上げれば日曜の午後みたいな
美しい
星空だった
結合した雪の結晶体が
春に降ることがないように
満ちることの重大さが
人生の背後に潜むのだ

荒れ狂う恋の嵐とは
また別のところでの
生殖
ことばはなく 有無はなく

未天地での選 ....
森の外で起こったことが
森の中にいる僕らふたりを不安にした
時計を持ったウサギを追って
彼女はいなくなってしまった

僕は食べかけのりんごを土の中に埋めて
君の帰りを待つ
やがてりんごの ....
救急車が鳴いている

いつも思うんだけど
どうしてランプは赤いの?

どこかにあると思っていた
いつか来ると信じていた

妹たちが泣いている
わたしは怒ってないけどな

去ってゆ ....
エントロピー

両手の平で両目を覆うのは誰だ

僕は見ようとした
僕は見ようとした

人々の行いは神々の怒りに触れ
塔は崩壊し
人々の言葉は分断された

なぜ言葉を奪わなかったの ....
僕がこうしている間にも
みんなは難なく乗り越えてゆく
僕は車が故障したので
修理するフリをしている

もう何年も

時々車を押してみる
見飽きたこの風景とも
今日でさよならさ
とか ....
焼 き 魚 泳 ぐ 世 界 は 詩 の 世 界

前 世 で の 僕 ら ふ た り の 墓 参 り

夢 枕 寝 グ セ で 立 っ た 先 祖 さ ま

ね み み み ず 寝 間 着 ....
誰かが扉を開け去っていった
レモンが置いてある部屋に
出し抜けに押し寄せる大量の泥
僕だけが
部屋にいないので
どうすることもできない
二頭の馬が夜の中を歩いている
病院の屋上で
君とあやとりをする
君が欠伸をして僕が瞬きをする

飛行機
カブト
ネクタイ
しっぽ

象のような鳴き声の強風が吹くと
君の髪がボレロ ....
信号機青から赤に変わるごと雨の中咲く紫陽花な君

水死体に隠されたラヴレター燃えることのない恋の終焉

スリープしながらないあがら滝に美体花季たぎりましょう世界を
何をしろって言うんだ?
これ以上。
増やすのか?
減らすのか?
生産的な会話をしようじゃないか

兵士達が帰るべきかどうかなんて
遠すぎるよ

蟻みたいに歩いてればいいのさ
蝶?
 ....
何もすることがないから
土を掘っている

素手で掘っていると
爪の中に土が入って
指先が赤く腫れてきたので
彼女を呼んだ
小さなスコップを手に
彼女はやってきた

何が出てくるかな ....
飛行場だった廃墟に忍び込むと
僕は思わず
飛行機になってしまう
両手を広げ
雑草の生い茂った滑走路を
全力疾走
夜風は冷たくて気持ちがいいな
思わず顔が微笑んでしまう
いつの間にか「キ ....
本木はじめ(239)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩304/6/8 19:35
六月の明暗短歌3*04/6/7 1:31
探生日自由詩204/6/4 21:22
六月病自由詩604/6/3 22:25
灰色自由詩204/6/3 21:45
夜明け自由詩304/6/2 22:25
SHORTSLEEPER自由詩004/6/1 23:46
苦い夜自由詩604/5/31 22:11
円距離自由詩604/5/31 19:02
死期短歌1304/5/28 14:20
排泄自由詩304/5/28 14:06
月下の死自由詩004/5/25 23:02
再眠自由詩404/5/25 5:38
レイニーデイ自由詩904/5/25 4:23
詩然短歌504/5/25 3:39
廃失者短歌2604/5/24 3:13
展開者自由詩204/5/24 2:52
生殖自由詩204/5/24 1:51
雨と無知自由詩104/5/23 2:18
あこがれ自由詩004/5/23 2:04
詩作の時間自由詩104/5/23 1:44
ポンコツ自由詩404/5/22 0:07
夏晩俳句704/5/21 20:35
喪失自由詩404/5/21 20:01
カシオペア自由詩504/5/21 18:14
花水短歌204/5/20 23:06
DUTY自由詩104/5/20 19:56
引力自由詩704/5/20 19:24
五月のイカロス自由詩1304/5/20 0:27

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