リセットと書かれたインターフォンを押す顔も知らない恋人の笑み



はじまってしまう毎朝第一話今日も繰り返しましょう昨日



着実に春は予感を追い越して気づけば葉桜ばかりの恋 ....
空中に浮かんだ花を掴みたい無理して夢を壊してみせて



顔の無いひととたくさんすれ違う朝のホームに溢れるひかり



階段があるなら上がる本当は下っているとわかっていても
 ....
冬耕や誰かドラクロワををくれ



荒波やしらばっくれる冬鴎



突き放す氷柱が落ちるその前に



こいびとの名前忘れて遠雪崩



エアギター掻き鳴ら ....
待ち合わせ場所はどこかの曇り空ばかりが続く駅かバス停



大波が小波を飲み込むように冬 芒ヶ原に消えゆくふたり



砂浜に打ち上げられる夕焼けの淡い波間に拒まれながら
 ....
黒猫が今横切った瞬間を写真に撮った?わからない影



かみさま、と呟く少女少年の描いた絵画に無い色が好き



ヴァイオリン壊したことがあるひとは今すぐ足をあげてください ....
非常識ゆびの動きに旋律す何に喩えておんがくかたる?



飲み込めば海どこまでも海岸す遠い夜空に沈む航海



逆らえばごろっと未完こぼれだす胸の意識の底の明日の


 ....
雨の中ドラムを叩く僕がいてピアノ奏でるきみがいる海



風の無い丘でうたた寝 ねぇここは風の駅かと聞いてくるきみ



ねぇ誰か教えておくれどうすれば僕は靴下を食べずにすむか ....
逆立ちで見ている蝶がひらひらと空へと墜落してゆく絵画




音楽はすでに秒読み棺から指揮者は水となってこぼれる




ハイウェイを夜と名付けて人見知りばかりしている ....
{引用=美しい涙に沿って目をさがす

               by oldsoup『内部ナイーブ』}



方舟は沈んだきみのゆびも絵も僕のなみだもノアの見る夢



 ....
さぁ、主観デラシネにして海の絵にキリンの首をくわえてみせて


花の名をたった無数の花の名を思い出せづに死ぬものがたり


目を閉じて夢のほとりに佇んだきみの両手に紫を置く

 ....
黒と赤まとって白いこんにちは 音は存在してるとゆうの?


高低の激しいおんがくだだっだだっぴろいのはらに吹きぬけて冬


階段を転げ落ちれば痛いけどマンホールはどこまでも暗い

 ....
花束を車内いっぱい敷き詰めて水没してゆく春の陽とひと



野の花や少年少女の髪揺れる風泥棒が口笛吹けば



集まればいつしかはなれてしまう春むかしどうきゅうせいと来た海
 ....
{引用=始めませふ 安易な位置づけ
       
               椎名林檎『真夜中は純潔』}








{引用=デイストオシオン}


うねりゆく夕空 ....
ハーモニー、櫂のしずくに呼応する空が茶色に透過する午後



目という目、口という口あつまってAの会合ひらく廃村



風の影みつける蝶やカーテンのおおきく呼吸している窓辺
 ....
もう誰も修復できぬ美しい傷痕だけが星空のごと



カラフルな性の模様にいろどられ少年少女の白は泡立つ



いつまでも高原鉄道錆び付いたままの列車を包む真緑



沢 ....
{引用=茶事}


チューリップどくたあすとつぷさへぎられ


永遠に蝉の抜け殻さがす午後


誕生日なずなに今日をうばはれて


一大事つばきの花びらひとは落つ


 ....
かつていた冷凍都市を思い出すような小説書いている初夏


再放送されてる温泉番組を観ているぼくを見ているかか氏


転校生だったあの子は元気かなどおんどおんと胸打つ花火


 ....
木は風に揺られて危機と告げている台風前夜の窓辺のふたり


完璧な雨に降られて澱みゆく河を見ている仔猫とあなた


水田の水面に雲は流れゆき徐々に満ちゆく夏の青空


帰り道 ....
真夜中にせんたくものを干すきみの着ている服も濡れている手も


立ち直りかけてるきみに悪いけど闇を失くしたきみは抜け殻


伸びる影のびないひかりの集う朝みえない牧師が祈りをサボる
 ....
「そっちへは行っちゃだめよ」ときみの声だけが録音されてるテープ





てのひらおもいきりひろげこれはゆび、これはつめだと思い出すまで


足音は、いつもみづから踏 ....
フライングベッドが再度あらわれて深い眠りを焦がしてしまう


4ゆびをテーブル上で交差するあなたの朝が美し過ぎて


アーサーが来てたわよ アーサーってだれ?たぶんお母さんのそうぞうじょう ....
水彩の絵の具ま白き画用紙にぜんぶぶちまけようよ六月


自転車の後ろで団扇を仰ぐきみ見ていた海に落っこちるまで


ゆかた着てきみが来るからあの駅を思い出すたび朝顔が咲く


い ....
燃え上がる巨大な寝台列車から逃げ出すひとのいないやすらぎ


草上にレモンはひとつ落ちていてあなたのいない夜のはじまり


街中にひらく紫陽花5Fから観ている雨の降りしきる朝


 ....
五月の彙報




月光のはしゃぐ五月の階段の途中できみとすれ違うだけ


降り注ぐ色とりどりの花々がきみを優しく包み込む通夜


未熟だと知ればけもののねむりから飛び立つひ ....
Pという響きが街に鳴り渡りきみとぼくとが出会えない午後


M、そしてTに別れを告げ得ぬまま今夜すべての歩道は暗い


思い出せなくて七日が過ぎましたEではじまる星の名前の/


れ ....
いつまでも鳴らないチャイムがあるとして今ぼくたちがいる長い放課後









約束を守れば破ることができないのバイバイ昨日のぼくら


ばらまいたマイナス+ ....
粒入りのオレンジジュース飲みながらもうやめようと思う煙草は


目を伏せて下唇を噛み締める航海はまだ始まったばかり


ハンガリー舞曲聴きつつ描く絵の少女はとわに止まったままで
 ....
黒蜜の氷菓和尚が食べるとき観音扉の奥のまばたき


猫みたいな声を出すから燃え上がる火事にみとれるひとみをなめる


無意味だと思うぼくらのやることは星と星とが抱き合う夜に


尾& ....
如月や黒いソファーに横たわるあなたの影も微笑んでいる


ゆく船のゆくえわからぬまま岸でぼくらが録音されていた夏


ケイタイを缶コーヒーのように振るきみはまだまだ宇宙に鳴れる


 ....
太陽は誰が奪った洪水のようにまばゆい詩歌たちいづこ?


ゆうえんち、どうぶつえんにすいぞくかんみんなほろびてしまえきみとか


ぼくはもう崩れてしまう塔の上きみの手首を紫にして

 ....
本木はじめ(239)
タイトル カテゴリ Point 日付
【短歌祭参加作品】第一話たましいリセット水たまり新しい笛さよ ...短歌1208/3/21 1:49
如月銀河短歌508/3/1 13:17
冬句俳句308/2/4 23:02
連綿不在短歌7*08/1/20 18:38
ノンフィクシャン短歌508/1/19 19:40
非常識短歌308/1/9 5:19
走り去る電車すべての駅を過ぎ風は短歌608/1/7 5:24
highgradation短歌1108/1/3 2:00
Short peace短歌9*07/12/29 19:24
in bloom短歌607/12/28 23:17
ゆくえふめう短歌5*07/12/27 3:34
春形見短歌1407/4/7 21:20
NOISE FLOOR短歌1107/3/7 1:48
白彼岸短歌806/10/4 16:34
灰殻散歩短歌1006/8/17 20:59
なつつゆめ俳句806/8/6 16:50
【短歌祭参加作品】あしたも夏でありますように短歌14*06/7/3 15:39
新茶短歌1106/6/24 3:32
踏み絵短歌806/6/17 2:13
きみのいない物語短歌806/6/15 18:42
ラヴュー短歌406/6/13 19:57
ぬるい夏短歌806/6/12 17:25
とうめいな部屋短歌1106/6/11 19:21
五月の彙報短歌806/5/13 13:53
あなたのために短歌306/4/15 20:55
屋上日和短歌906/4/10 17:54
yuruiharu短歌506/3/31 5:18
【短歌祭参加作品】contre le sexism短歌9*06/3/6 13:56
butterfly短歌1006/2/28 13:09
elephant短歌906/1/31 19:37

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