罪の森きみの手を取り「逃げよう」と言った途端に僕も罪人


森のなか追いかけごっこふたりして迷い込んだねもうひとつの森


瓶詰めの蝶を埋めます木の根元「飛び立つものはすべて埋めます」
 ....
太陽が熱いとカミュの異邦人読んでニヤつくもうひとりの僕


古本屋カフカの森に迷い込みレジのあなたを見れば毒虫


アンデルセンマッチを擦って飛び移る絵本に踊る炎の人魚


スウィフ ....
蜜 蜂 や 甘 い 寝 床 は ど こ に あ る


茶 の 花 の 語 ら ぬ こ と を 飲 む ば か り


両 足 が 棒 の よ う だ と 案 山 子 か な


赤 ....
飛行船はるか下方に点となり僕らふたりは帰れないまま


「ふらわぁ」と君がひとこと呟けば辺り一面芽吹きだす花


明け方に鏡の部屋に迷い込み乱れ咲いてるきみの朝顔


花園で追いかけ ....
夕暮れに花を選べばひまわりが遠いどこかでうなだれている


草むらの茂みに隠れ咲いた花ひとりの兵士 目は閉じたまま


ゆっくりと開いてゆくの花びらがだからわたしは滅んでゆくの


 ....
屋上にスカート揺れてあとは空ばかりが残ってしまう学校


渡される廊下で後ろ振り返るきみによく似た少女が今も


出来すぎた出会いに怖れ隠せない手を繋ぐだけ見つめあうだけ


影追っ ....
一滴の水の中へと
沈殿してゆくひと夏の青空が
無呼吸で深遠へと降りてゆくので
圧迫された半円の夏空その低空ばかり
飛び回る鴉たち
重たく旋回しては羽を乱散させ
またしても映り込む水の中
 ....
煙草を灰にするように
死に体の鴉たちが一斉に飛び立ったので
空が夜みたい
狭い空ばかり見ていたから
わからなくなるのです
こんなとき
天井がもうきついそうなので
僕は唾を飲み込んで
君 ....
学校からの帰り道なのに
きみは浮かない顔の時間だらけまき散らして歩いている

どうしたんだい?

散布した思案たちを再び胸元に引き寄せて
きみは呟く

あれ はどうしたかな
もういな ....
縁側で闇を見ている妹の白いうなじが僕を呼んでる


夏野山汗ばみながら駆けてゆくゆくえふめいの妹の兄


鉄塔の錆びた階段昇りゆく100階したから姉とは呼べづ


鏡台に映る妹べにを ....
閉ざされた空をこじ開けると
夜だった
これはもうするしかない
赤い花びらをそっとめくって
またはひらいて
潜り込む黒い蜜室
いつまでも潜ったままで
星々の干渉から逃れる
ああ 断絶 断 ....
鉱 山 や 氷 河 期 抱 き 耐 え る 夏


網 戸 ご し 細 か い 夜 が 並 ん で る


盆 支 度 墓 の 間 に 間 に 少 女 た ち


盲 目 の 父 と ....
七日目を待たずに
未完成の球体をもてあそぶ少女が
白の断片を拾い
主体を隠す
まもなく
発火するだろうパンドラの箱
遂に
僕らの目醒めを待たぬまま
黒板の歴史について
君と議論する放課後
誰もいない教室の花瓶から花びらが落ちるしづかに
いつの間にか
窓から忍び寄る夜の気配
僕と君だらけの教室に
天使たちの無音のやりとり
聞きながら
 ....
波のように迫ってくる
ハイドランジアあじさいに囲まれて呼吸のできないくらやみのしあわせ
もはや木漏れ日も木漏れない花々のじかんのなか
僕らはいつも何かを忘れている
流星が数億回 するどくまった ....
まるで
ホワイトのように白い病室の中から
君は待つだろう
あらゆる部屋で踊っている死の山羊たちを無視して
根付く花に囲まれながら
真正面からベッドに腰かけている君は
瞬きをしない
くしゃ ....
くらい部屋の中
あなたはいつからいたんですか
ずっとそこにいたんですか
さっき?さっき来たばかり?
そうですか
全然気づきませんでした 
すみません
なんだか元気がないですね
お腹がす ....
暑い夏流れる汗もそのままに
もはや芽吹くことのない
冷たい枯れ木に寄り添って
待ちましょう
ただ無言のまま
トゲの多い喋り方も忘れ
靴を脱いで
裸足になって
老いた虎のように
待ちま ....
畦 道 に 自 転 車 ゆ き て 蛍 舞 ふ


幼 虫 が 齧 る 花 食 べ 羽 化 を 待 つ


夏 に 首 痛 め て 星 も 見 れ ぬ 夜


古 井 戸 や 落 ち ....
夏 か い て ん す る と 同 時 に 蝉 騒 ぐ


盗 塁 を 刺 せ ず 投 手 の 恋 終 わ る


縁 側 の 素 足 の 影 で 眠 る 秋


草 む し り 花 ....
逃れゆくものたちから
遠くはなれ
真夏し続ける真昼
貝殻たちは閉じ続け
空は円環面だけを広げ続け退行の曇天
誰かが呼べば
誰かが応える
のそとがわで
隠れている子を見つけ出せない
鬼 ....
たわいもないもしくは深刻な
天使たちの会話を切り裂いて
チャコールティースの王たちが円に酔い痴れる滅びの夏
閉め切られた部屋の中に
続々と集うひとびと
片足の無い者は言葉を投げ続け
真っ白 ....
微笑みに沈みながら
ゆっくりと溶けてゆく君が君が
追いかけられることにつかれて
しごとも捨てかんけいも捨て
色さえも捨てた
ほのおの残した灰のように静かに
軽く風のような涼しいが吹いてから ....
自分を忘れるほど
君する夜
遠いのです
東京タワー
今夜も綺麗に咲いていますか?
僕は都会が怖いので
蟻をプツプツと潰しています
これ以上苦くならない為に
部屋が散らかっているので
 ....
吸収する水分の中に潜む
貝殻に似た美しい花
喰いちぎられる雲の無抵抗に
青色のパラソル二重螺旋
回転の底流に見捨てられたクジラに乗って
休館の図書館に潜る夢
だいだい色のオレンヂを体現しな ....
沈んでゆく亡き王女のためのパヴァ−ヌにさみしい初夏の夕ぐれ
ピアノは巨大にリビングしているけど
きみのいないみぎてもいないし
きみのいないくすりゆびもいない
どうしようもない僕はしっとりと
 ....
痙攣している右手で
聞いたこともない山々や
見たこともない街並みを描く君
僕はくだらない登山家として描かれ
どんな街並みなのか見ることもなく
いつまでも登り続けている
だけど君の手が震えて ....
ろくがつの洪水の夜に
しばらくぶりに泳いでみたが
溺れるすべを知らない僕は
たいへいようおうだん
とうとう魚になってしまった
今となってはもう
せめて、魚大好き!な君に食べられたいと
だ ....
高いところが
好きな君は
毎晩 空に向かって梯子に昇る
朝になれば
帰って来るが
その都度いつも
変な宇宙人を連れてくるから
僕は英語の勉強に集中できない
くりかえしてくりかえして
何度も何度もくりかえしくりかえす
「24時間」に閉じ込められた僕は
25時間目に生まれるとゆう{ルビ詩=キミ}に会えない
本木はじめ(239)
タイトル カテゴリ Point 日付
瓶詰めの森短歌1604/8/26 19:16
name短歌4*04/8/23 16:17
秋風記俳句804/8/18 4:04
HANGINGGARDEN短歌9*04/8/16 20:41
INNERGARDEN短歌1104/8/15 20:40
DOWNMEMORYLANE短歌11*04/8/13 21:06
刹那自由詩704/8/2 13:05
不通自由詩1304/7/28 23:12
送迎自由詩104/7/19 20:42
夜光中短歌3504/7/14 0:39
搾取自由詩604/7/12 22:17
夏未完俳句18*04/7/10 20:41
昏睡自由詩6*04/7/2 2:20
CHOKER自由詩704/7/2 1:33
なながつ自由詩104/6/29 23:54
LOOMER自由詩304/6/27 22:47
着床自由詩904/6/23 3:13
変態自由詩5*04/6/22 0:03
夏の首(補遺)俳句10*04/6/21 0:42
夏の首俳句8*04/6/19 21:38
裏側自由詩704/6/19 14:25
ROOMER自由詩304/6/19 13:40
DISARM自由詩604/6/18 3:09
予定自由詩604/6/15 2:14
花になる自由詩104/6/14 2:58
形見自由詩504/6/14 2:40
絵が枯れる日自由詩1104/6/11 0:21
FISHMAN自由詩604/6/9 23:42
盲目の日々自由詩304/6/9 13:51
狭い檻の中で自由詩404/6/8 22:17

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