イルカを見ていると
いろんなこと考えさせられる
あんたたち
水を跳ね飛ばすのわざとやってるでしょう

まっすぐにジャンプして
少しだけ横倒しに
ややわき腹から着水

一瞬のうちに
 ....
見えないものを見る機会は少ない
だから
日食を見よう

あれはつまり見えるはずのない昼間の月
太陽と同じような大きさのふりして
ときどき
青い空に白く浮かんでいたりするやつ

ほんと ....
薔薇を見に行かなければいけないね
薔薇を見に行かなければならない

薔薇なんて柄じゃないなんて言わずに
心と体を
自分の気持ちと五感とを
ひと一人分
薔薇の中に置きに行かなければ

 ....
磁力線リコネクションそら飛んで行け
百万年前の熱核遊戯今降る

太陽は五分周期の変光星
ニュートリノ質量あっての軽やかさ

光あれ暗闇もあれビッグバン
星間風ヘリオ坊主の天気予報

 ....
詩の生まれ方にもいろいろある
卵生
胎生
卵胎生

生きている詩ならば
生まれて生きる詩であるならば
金太郎飴をちょんちょん切って
毎日数だけ増やしてくってわけにはいかないだろう

 ....
彗星が氷塊だということを
私はわりと気に入っている
いいとか
わるいとかいう話ではないけどね

氷塊なら
何だかひょうきんそうだし
つまらぬ誤解も氷解しそうだ

彗星がもし岩塊だった ....
みみずくは
夜には水をやったりして
四月早咲きの月見草たちをかわいがっていました。

みずくみみみずく。
輪廻がなぜ
繰り返される花の名なのかと思っていたけど
リインカーネーション
あれはピンク
血の通う柔らかな肉の色
母の日のカーネーションは
体をくれたことへの
ごくごくプライベートな謝肉 ....
三月も終わりになって
コンビニの
半額ワゴンの
売れ残りホワイトデークッキーを
買ってくれた人がいたのでした

酪農王国デンマーク製
という触れ込みのちっちゃな一包み

ああでも、デ ....
水族館で
深海コーナー
ダイオウグソクムシ水槽の前で
しゃがみこんで
ひらひら

なんとまぁ
水族館のスタッフは
餌付けに成功したらしく
(それまで何食べてたんだ?)
最近では
 ....
夜にこてんと横になったときの
すべり台の温かさを知っています
昼にそんなことしてると
子どもが降って来ますからね

そこかしこのベンチは
どれもこれもなんだかんだされてしまっていて
星や ....
{引用=*地下の風}啓蟄
三月の風が吹いている
この風は
地下の何処まで届くだろうか

春一番ともなれば
地下一階ぐらいまでは届くのか
台風の日
風とともに地下が
水浸しになってしま ....
時計屋さんって
何を売ってる?
もちろん時計を
売っている

時計と一緒に
何を売ってる?
時間じゃなくて
時刻かな

とどめておけないものに
名づける
時刻も
ことばの秘密 ....
ヒガンバナが咲いていたのを覚えていますか
赤い花
夏の終わりを縁取り
秋には倒れ
文字通り倒れ
それから細い葉をあおあおと
そこに広げていたのもご存知でしょうか

やがて季節は冬を迎え ....
同じ図書館は二つとないね
どの図書館も違う

引っ越したあとも使っていた
利用者カードの期限が来て
今度は更新できない

一度別れてしまった恋人の手や髪や唇には
二度と触れられないよう ....
梅は前線を作らない
梅前線と決して言わない

ぽつぽつと
五月雨がやがて降りしきるように
いつの間にか咲いている
あちらこちら
あたたかな
山肌や
木々や
家々の壁を背負って
大 ....
裸見て笑う山見て初湯かな
裸あまた見て山笑う椿の湯

まるさんかく女体百態つばきの湯
満ちて堕ちて残る輪郭つばきの湯

垂乳根の銀杏の気根のような乳
吸い物椀二つ伏せたような満ちた乳
 ....
大空という言葉は不思議ね
小さい空もあるみたいね

青空という言葉も不思議ね
緑色の空もあるみたいね

夕焼けには小焼けがある
青にも青の他に群青がある

小さな星には小さな空がある ....
ムーミン谷に不眠症はない
眠れなくても誰も困らないから

ムーミンママは
もし眠れなかったら台所の整理
夜出てくるトロールたちに
小さなお菓子をこさえてくれたり
あたたかい飲み物をくれた ....
遺憾ながら
いつもながら
おそれながら
およばずながら
かげながら
ゴドーを待ちながら
さながら
さりながら
さることながら
卒爾ながら
とはいいながら
涙ながら
花柄
はば ....
ttp://uraaozora.jpn.org/index4.html

 こんな時代ですから、読みたくも見せつけられたくもない文字情報が軽重長短そこいら中に溢れているこんな時代ですから、むしろ必 ....
コスモスを見ましたすてきなコスモスでウサギが地面を跳ねていました

コスモスの背が高いのを忘れてました花もとっても大輪でした

風と一緒にコスモス畑の前に出てまた戻るとき頷かれました

こ ....
まず本
本が絶滅する
たとえば資源の枯渇、高騰

工場で印刷される書籍はなくなり
図書館やブックオフはレンジャーによって守られていて
古書街は聖地と化している

それからネット
イン ....
ポケットティッシュに
詩を印刷して配ったらいい
一枚一枚にでも
広告の裏紙部分だけにでも
やる気ないときは
通りすがりの一人一人に
二ついっぺんに無言で突き出したりね

それでそれもら ....
夕刻
雲羊の渡りを見ました

カモたちが飛んでくるのとは反対向き
行き交いの空の対角線を
群れの先頭は彼方
群れの後方も彼方
二列、三列の編隊を組んで
空を渡って行きました

羊た ....
エントロピーは海だろうか。奔流だろうか。日本の川は西欧人の目に川ではなく滝と映ったらしいがでは生物とは何か。宇宙におけるさまざまな天体とは何か。生み出された電力でさらに揚水し発電するダムのささやかな循 .... カサブランカ
生まれてきたのだから咲きなさい
生み出されてきたのだから

生み出されずに
生まれてきた生命はいない
自分で自分を産むことで生まれる生命なんてない

カサブランカ
生ま ....
人間は青い空がいつでもそこにあるような気でいるけれどもそれは違う
    空はいつも降ってきている
         降り続けているのになくなってしまわないのは
     絶えず生まれ続けている ....
明日は一日、月立つ日
時の流れと一年を
月の姿で数えていた頃
細い三日月新月が
空に立つのが一日だった

白夜が続く北極も
夏至を先日迎えたばかり
白夜の空への夜の戻りを
るりが立つ ....
降り積もるものの中に
水色を混ぜよう

降り積もるものの中に
水色に混ざろう


白と黒の細かげな象りたちの中に
カラフルなばかりの色たちの中に

降り続けるものたちの中に
水色 ....
小池房枝(224)
タイトル カテゴリ Point 日付
イルカおかえり自由詩409/8/5 21:00
日食に月を見よう自由詩3*09/7/20 22:29
薔薇のパラグラフ自由詩609/5/21 23:53
宙天俳句バイキング俳句209/5/17 23:43
恐竜のタマゴ自由詩6*09/5/7 21:51
彗星、わだつみの聖母自由詩409/4/24 23:34
焚き火の友の物語自由詩6*09/4/21 1:09
カーネーション、片仮名の野原から自由詩509/4/10 20:01
酪農王自由詩6*09/3/30 13:33
ダイオウグソクムシと自由詩8*09/3/26 21:09
暗くなってから公園自由詩7*09/3/23 23:43
地下鉄と風自由詩909/3/5 23:32
時計屋さん時計自由詩409/2/26 19:38
春一番と彼岸花自由詩609/2/12 11:31
さようなら図書館自由詩1009/1/29 23:33
春贄自由詩409/1/20 23:57
女体百態俳句309/1/4 22:03
レイリーブルーの秘密自由詩6*08/12/23 17:10
トロールたちの眠れない夜自由詩20*08/12/14 22:44
老婆心ながら、文法はどこにあるのか。自由詩4*08/11/30 23:53
ハンサムめくり。おすすめリ ...5*08/11/6 12:12
こすもす流し短歌408/10/28 18:18
いつか最後の現代詩が自由詩908/9/23 21:52
ティッシュ詩集自由詩14+*08/9/18 15:47
羊たちの旅立ち自由詩608/9/3 1:07
その音のノート自由詩6*08/8/1 11:11
なかったことになにもならない自由詩2008/7/21 8:27
るりら、るりたち自由詩6*08/7/1 20:37
自由詩5*08/6/30 17:51
水平線まで自由詩8+08/2/3 22:33

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