山の端にさそり座一つずつ昇る
釣り針の尻尾が銀河を吊り上げる

文字盤を重ねて二つの柄杓時計
麦と真珠 腕をそらせて指ししめす

冠をひとに贈りたがったひと
冠をひとに贈りたかったひと
 ....
多感な馬鹿
果敢な馬鹿
彼岸の馬鹿
此岸の馬鹿
対岸の馬鹿

たおやかな馬鹿
物静かな馬鹿
小うるさい馬鹿
夢見る馬鹿
現実の馬鹿
石橋を敲いて渡る

三途の川も馬鹿
地獄 ....
星砂の手紙を
ひとに送ったことがあります

便せんを折って
さらさらと封筒に注いで

指先かすかに潮と日差しの匂い


やがて返事が来ましたが

便せんにささっていたとか
ぶち ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=257400 ヤギさん郵便
おてがみ迷子
もしもし此処はどこですか

広くは乙女座超銀河団
狭くはフォッサマグナの東
地球的には春分点前
世の中的には年度末

わたしはわたしが生きている
時と場 ....
歴史にもしもはないという
死傷者の数はこれから増えていく

けれども
出来ることは出来たのだと思う

病院はくずれていなかった
街は街ごと崩れてはいなかった

死んでしまっていたかも ....
ある週末
気絶してる小鳥を拾いました
何かのガラスにでもぶつかったみたいです

次の週末
交差点でうろうろしてる鳩を保護しました
群れからはじき出されたのかもしれません

次の次の週末 ....
雪が溶けたら
やわらかい地球の黒土花壇に
「火星たんぽぽ」の小さな名札をたてよう

ひとが植えたわけでもないタンポポが
好き勝手に咲いてるような
そんな花壇がいいだろう

そこから芽吹 ....
オリエンタルリリーに
オリエンタルユリって札をつけるのはやめて

ポインセチアをポインって略すのも論外

プリムラ・オブコニカは
オブコじゃないし
プリムラ・メラコイデスも
メラコじゃ ....
虹を見つけるコツは
こまめに空を見上げること
雨のたび
忘れず雨上がりに期待すること


四つ葉のクローバーを見つけるコツは
誰かのために探すこと
本当は自分で見つけないと意味がないん ....
  iはアイ
  わたしはわたし

  イマジナリィがどうして{ルビ虚=うつろ}であるわけがあろう

  銀河はギガの銀河 G線上のアリア
かえれるほたるもおりますよ

うちあげられて
なみをあびてはあおくうみほたる


みちてくれば
よけいとおくに

ひくときには
ひかれるままに

はこばれたり
もどされたり
 ....
夜に
夜光虫の海で泳いだことがあります

そのとき
月が出ていたのかどうか

  指先を
  差し入れた瞬間にセントエルモの火

  揺さぶってみた
  舫い綱に冷たい篝り火

 ....
地図は自分を作った男が好きだった
描かれた国は魔法の国おとぎの国
けれども土地を歩いて作られた地図だった

船乗りになった少女は少年に指輪なんて贈らない
それぞれの国のそれぞれの地図と
故 ....
 ローリングする着陸機よピッチングだけはするなよ いざランディング
 懐かしい名前でふいに呼ぶ人のありそうで怖い乗り継ぎの島

 あの雲の影はほらそこ あの影の雲はあの雲 青い青い海
 雲は皆 ....
 危険です真似しないでねハブクラゲつんと突付くと面舵転進
 道脇のガードレールに何気なくアカショウビンが止まっています

 真っ白なリーフエッジと砂の浜 引き潮どきの{ルビ美=ちゅ}らさ島々
 ....
水面の緩やかな起伏をもたらすものは
波の行き来
風の息
プールならば子供たち

入射光による二次元投影
輪郭だけのモザイク
水底に
水底にゆらゆら

瞬間ごとには
結晶 ....
木漏れ日が
どうして丸いのか知っていますか
私は
丸くない木漏れ日を見たことがあります

金環食の瞬間を待ちながら
大勢のひとが
空ばかりを見上げていたとき
木漏れ日はどれもみな
大 ....
水晶の針の折れる音を聞いたことがあります
ピキンとも
ピリンともつかぬ微かな音

聞こえない音を確かめたかったのです
音がするものならばと
指先で二つにしてみたとき
まさか聞きとれるほど ....
紫水晶のかけらを
油で揚げてみたことがあります

天ぷらが食べたかった
わけではなくて

シトリントパーズって
実は加熱処理したアメジスト
というのを試してみたくて

ホイル ....
チューリップは一つのチェンバー
親指姫を隠して
チューリップは一つのゴンドーラ
花の精を船で渡すよ

チューリップは一つのパラボラ
全波長、集光して
チューリップは一つのチュー ....
月が
川に映っていたので
石を一つ
投げ込んでみると

水ではなくて石

石ばかりが
ごうごうと流れているのであった

けっこう危険な川である

言葉の川 流れて行く
言の葉 ....
ミンドゥルはタンポポ
メアリーはやまびこ

ナルガエはつばさで
ポンソナは鳳仙花

ソナムーが松なら
マエミーが蝉

カルマエギはカモメだそうだ

北朝鮮の台風の名前は
どれも ....
天狼の眼さえ優しき夕刻の西空高く服わぬ者

夜目遠目街は光の傘のうち見上げる春の冬の星座を

麦と真珠一対の名を見出せし好き人の名を我は知るなり

星影を抱きて部屋で愛しき言い尽くしてよ指 ....
ひとが壊れたり直ったりするのって
おもしろいね

生き物はケガしたり弱ったりするけど
壊れたりしないよ
それなのに人間は壊れる
病気になったり死んだりもするけど
ぶちっと聞こえて
壊れ ....
「長江ですか。
 うちから電車で三日ぐらいです」
と中国からの留学生

遠いのか近いのかさっぱり分らないよね

例えるならば月

星々や太陽よりは近しく
雲よりも空よりも私た ....
にいさん 今 どうしていますか
風の音が聞こえます
ずいぶん強く吹いているようです

窓ガラス一枚へだてて
冷たい外の世界は
やっぱり
窓ガラスもう一枚へだてて
にいさんの部屋へ続いて ....
不覚暁読むべき本の十四、五冊 たとえようもなく淡く繊細な、と形容すれば
誰もがひどく儚い何か、を思い浮かべるだろう。

距離ならば2800万光年の彼方、
けれど実直径5万光年にも及ぶ実在。

http://imgs ....
青きを踏んで
真っ直ぐなひこうき雲

簡単なようでいてなかなか難しい
小池房枝(224)
タイトル カテゴリ Point 日付
立夏直前俳句12*05/5/8 22:27
馬鹿につける形容詞自由詩17*05/4/21 20:58
星砂の手紙自由詩5*05/4/4 21:31
羽化するものを自由詩12*05/4/4 21:31
銀河郵便はヤギたちが運ぶ自由詩10*05/3/22 23:58
地震直後自由詩6*05/3/20 19:31
名前はポチです   自由詩10*05/1/14 20:24
火星たんぽぽ   自由詩8*05/1/14 20:23
花屋さんの暴挙自由詩9*04/11/13 23:16
トントンミー/私をノックして    自由詩22*04/10/14 19:54
オイラーの宇宙自由詩2*04/10/13 23:49
うみほたるすくい自由詩8*04/9/10 23:13
夜光虫夜想曲自由詩8*04/9/4 23:18
片隅に地図の幽霊自由詩1*04/8/18 23:03
ヤママヤーの海と空から短歌504/7/27 23:03
ヤママヤーの島から短歌5*04/7/25 13:35
クラムボンの揺りかご自由詩10*04/6/22 22:40
こもれび自由詩7*04/6/20 23:50
こしかたゆくすえ星あかりのみ自由詩9*04/5/24 23:58
水晶の天ぷら自由詩8*04/5/17 1:30
さざめくかたち自由詩204/4/26 22:07
レテの果て自由詩6*04/4/7 22:13
まだ生まれない台風自由詩6*04/4/5 18:18
星影を抱きて短歌3*04/3/26 22:05
観察日記、懐かしい人への手紙自由詩3*04/3/15 11:29
東する水果てる東国にて自由詩504/3/7 12:39
今日は会えなかったけれど自由詩704/2/27 21:28
買わずに借りた二百冊俳句2*04/2/27 21:01
M104/NGC4594。     自由詩2*04/2/21 22:17
ひこうき雲自由詩9*04/2/16 9:07

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