ことの次第はこう。まず今日、テレビを見ていたら芸術選奨文部科学大臣賞という長たらしくて覚えられない賞が文化人十八人に授与されたというニュースが放送されていた。それでまあ、おれの好きな俳人って奴らはジ ....  「古池や蛙飛び込む水の音」には「山吹や蛙飛び込む水の音」というものがあって、いやいやそれは門下の誰々が云々で、みたいな話がありつつも、これが推敲の道筋みたいなものなんですよね、蛙飛ンだるだったやつも ....  違和感が好きだ。じぶんの居場所をグラグラさせてくれるからだ。違和感をそのまま受け止めきれず、じぶんの中で正当化するとき生まれる摩擦熱で焼かれそうになる感覚がすごく好き。おれが俳句を好きでいて、かつそ ....  全句集のストックが無くなったのでここで一旦区切りとするが、最後は本当につい最近買った古家榧夫のことを書こうと思う。この名前に出会ったのも全句集(内容的には俳句集成だが)に出会ったのも、何度か書いてき ....  男と女の俳句は違う。それは性差別的な意味でなく違う。性別というよりは生殖器別に違うのであろう、細かく言えば男が女のフリをすることも女が男のフリをすることも可能であり、またそれに対抗して俳句の世界は中 ....  輝きが強すぎて徐々に減衰する俳人(飯島晴子)と、老いるに従い独特の風味を持ち輝きを増す俳人(前原東作)のことを書いた。彼らが持っているものは欠点ではないが、全盛期に比べればそれほどでもないという落ち ....  とりあえずわけもなく全句集で検索をかけることがある。検索をかけて一番安かったやつを更に作者名で検索にかける。するとたいていはどんな作家でも作った俳句の十や二十はでてくるものだ。つまるところおれが無職 ....  前回は自殺した赤尾兜子のことを書いたので、ついでにもう一人の自殺した俳人のことを書いておこう。飯島晴子である。このひとも自殺した事実が先に立っちゃう作家なので個人的にはその点においてのみ強烈にキモッ ....  人間はふたつのタイプに分けられる、という表現は便利である。なんでもふたつに分けられるからだ。極論すれば有機物か無機物であり、女か男である。俳人という存在はふたつのタイプに分けられる、自殺するものとし ....  気に入った作家を探すというのは俳句では難しくない。小説や詩とは違う。異様に簡単だ。インターネットには俳句のデータベースみたいなものが、簡単に検索しただけでも二三ある。二三で結構だと思う、本腰を入れて ....  俳句は嫌いだった。川柳は言わずもがなだった。こういった含みたっぷりの自己紹介から入るほど崇高なことを書こうとしているのでもないし今でも割と俳句の未来なんてどうでもいいと考えているけれども、じぶんが好 .... {引用=
祖父死亡 十一月八日

長針目に焼き付く伸びよいいと言うまで

火口は目玉の痕祖父よここでも這いずったな

立つ遺族の脛に脂がこびりつく

夜露散る宇宙は傑作だが疲れる
 ....
着物が冷たい随分遠くに靡く笹舟

壁焼いて嘘はお嫌いでしょうから

吹雪き明けて紙の破れ目に靴底合う

打ち伏して銀の祭りの幅を書く

シャツ山吹内部に柳として背骨

歩く牛の波紋 ....
聞こえる穿つ音星空に連結する

鴫死す幾たびかは女の群

戸がある不埒な佇まいに兎の介在

風に晒す砂の柩の航路に蛾

雑な渓谷横たわる眼の下から吐息

疾く運ばれ溶ける緑脳裏で阻 ....
三度の飯を三角に並べて呼ぶ声

水張る桶に垂直に竹槍背後尖らせ

ナッツ噛む海辺は巨大な透明な墓

迂回して絶える血筋の脆い煮沸

傘潰したトンネルに死後鉄パイプ詰めに

泡に寄せ ....
まじない交わす曲がり道射す日とがらす影

振り子の振り幅そっくりに積むごみの管

鴉の纏う銀朝焼けの一カ所に脱ぐ

家族ローソク持ちビルから材木突き落とす

有無の調べが聞こえる窓辺の ....
降り出しにうずくまる背を滴る石

姫が繊細なこころを殴っておしまいにする

ビル食う 草の巨人 林業はさぞかし

火の元に花咲き火の粉が列なす河

泡雪崩平野で拮抗する海女へ

叔 ....
水打たれ倒れる薪 街の火がゆらゆら

反射面多彩に円をえがき地階の水

風に旗食蛾に耽る部下隠す

意中の目からビーム・矢印・分母より増え

鮮やかなトラック走査線で歪む

薪割り ....
のちの世に現る大つむじへ遷都

空洞に発律した胸開く響き

絞め終えた腕青紫まだ蕾

円盤消ゆ数年後の同じ景色へ

生命に結ぶ糸縦穴に垂らす

白夜の森に吊られたくす玉鈍く映る
 ....
列につく羽ある係から鶉

時雨の色を尋ねられ戦慄く銀行前

舟作り海ひけらかしに発つおとつい

鳴きもせず竃のそばをうろつく山羊

産卵終え肩からだらんと垂れる鳥

染めたての布か ....
蜃気楼の港に棲む体毛薄き猿

鍬を捨てる恥じらうほど山が近い

水面に枝吸う葉また葉の降る音

遠方のドアノックするシャボン玉

花の籠実は籠売る籠売りも籠

造天の深みに澱む書の ....
牢の革の袋に乾く舌を出す

木がみしみしと呟く 月齢を取り込み

雑居する密度が裾野となる火山

激流林を抜け竹を燻す夜明けに突っ込む

不燃の沢の正体見たり束の伝票

岩抉れてバ ....
騒ぐ火空に馴染み食む噴出口を北に

板張りの床反り返る双子を抜け

憂えば街は閉じられ日没後の表紙

工場の窓に万力つけ口吹く

ビン持つ手と逆の片目に格子戸ひらく

字も画数もや ....
打ち砕く岩の欠片の偶然も打つ

波よ波よ死せばただならぬ鼓動

車が停まっている棚の本の空いている床

傘を置き円筒ばかりの市に立ち会う

人魂を避け街の橋踏み外す

土の色彩眺め ....
では離れる。手術痕に最後の一文を貼る。セロハンテープで。もちろん透明な窓。鉄条網を抱えて、それは引き剥がした。他人の手が隣の座席に。手以外は手紙の一文に添えてある。

電報はこの瞬間にも心臓を青く ....
南国の話
  冷たい鉄の火事
  ホーム えき 斜体
  今時新品の歯車
  油を塗っている鉱夫
   忘れている
   何もかも知れ
  オリーブからオイルは取れない
を聞く残された ....
一説には窓である茎暮れだす町

うつむけば夜の野原ひとり歩く誰

消えねば風鳴る 消えても風になるばかり

足首しか見えぬ石段からコップ

鏡からせり出す背中森に行きたい

塩の塊 ....
雨を待つえぐれた頬塀から突き出し

銀河身の投げようもないほど暗い

影ひろい大木おもう紙のこと

大円盤の片鱗星座と触れ合い光る

裾千里ほども隔たるぼくとほか

ずっと昼ハの字 ....
瓦礫と郵便ポスト白く白く輸入

歩み寄る 影で谷底汚すべく

伝え聞く神話の沖にブイひとつ

島に立ち残像から残像見下ろす

和紙の空二重に見え足首から見た

まだプールに飛び込む ....
篝火に最高齢の降霊祭

天秤の受け皿になぞられた跡

白昼に銅絡め取る蔦の息

膝の海部屋に広がり旅客立つ

口述の街は一個の倉庫黴びて

心臓漂う海岬見え低温の牢

もてなし ....
黒川排除 (oldsoup)(384)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
川柳が好きだから俳句を読んでいる文書グループ14/3/14
投稿作品
川柳が好きだから俳句を読んでいる(11、八木三日女が死んでし ...[group]散文(批評 ...014/3/14 0:44
川柳が好きだから俳句を読んでいる(10、西川徹郎のこと)[group]散文(批評 ...014/2/28 22:24
川柳が好きだから俳句を読んでいる(9、安井浩司のこと)[group]散文(批評 ...314/2/26 2:36
川柳が好きだから俳句を読んでいる(8、古家榧夫のこと)[group]散文(批評 ...013/3/10 18:40
川柳が好きだから俳句を読んでいる(7、津沢マサ子のこと)[group]散文(批評 ...013/3/10 18:08
川柳が好きだから俳句を読んでいる(6、上甲平谷のこと)[group]散文(批評 ...113/3/9 22:35
川柳が好きだから俳句を読んでいる(5、前原東作のこと)[group]散文(批評 ...013/3/9 18:25
川柳が好きだから俳句を読んでいる(4、飯島晴子のこと)[group]散文(批評 ...113/3/9 17:28
川柳が好きだから俳句を読んでいる(3、赤尾兜子のこと)[group]散文(批評 ...013/3/8 22:16
川柳が好きだから俳句を読んでいる(2、八木三日女のこと)[group]散文(批評 ...113/3/8 18:02
川柳が好きだから俳句を読んでいる(1、野村満花城のこと)[group]散文(批評 ...413/3/8 16:15
祖父死亡川柳312/11/8 18:13
あかるい兄川柳410/4/19 19:28
採通川柳108/12/26 0:22
Yukiga Futte Uresii川柳208/11/21 3:29
息吹の質量川柳208/10/29 0:47
四属は重ね着川柳308/10/18 2:30
薪薪曜川柳208/10/4 3:40
九月炉川柳2*08/9/15 14:54
川柳108/8/7 0:27
うたぐりよせる川柳408/7/11 23:56
アマノメアグレ川柳108/7/9 13:31
砂着き場川柳408/6/18 13:40
0mm漁礁川柳108/6/5 13:40
座礁自由詩408/5/25 0:53
名もない家族による集団供述カチリカチリコ笑い声自由詩208/5/24 0:17
祖父粗大川柳308/5/14 4:18
転じて歩測川柳308/5/7 13:22
重脚川柳7+08/4/19 1:19
ファンファーレ川柳308/4/8 3:50

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