薪薪曜
黒川排除 (oldsoup)

水打たれ倒れる薪 街の火がゆらゆら

反射面多彩に円をえがき地階の水

風に旗食蛾に耽る部下隠す

意中の目からビーム・矢印・分母より増え

鮮やかなトラック走査線で歪む

薪割りはひとの力支点をまさぐる二の腕

槍立てばお椀も立つ民家深いつから

先に閉めるドア実体のない来客

球状の塔を落ちるまで登る

火柱に似る馬 門は北に錆び

藁積んで少女も風も廃れゆく

薫製を無地の家に詰めたい眼差し

千の束凍てつくそれから朝食

テレビザーと鳴る髪流れ来て巣の鳥

土焼く茶会と皿ともに螺旋状に浮き

仙人まで映像ずれて連なる山

月曜の名残のサンダルまだ路上

水塞ぐ柱の元の木は国境

ほぐすとばらける花忽然と船現れ

コウモリの暗さに水垂らし洞窟

留守の木植える日を避けて豊かな土壌の留守


川柳 薪薪曜 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2008-10-04 03:40:38
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